成人の体重の約60%、乳児の体重の約70%が水分である。体重あたりのエネルギー必要量は、成人の30~40kcal/kgに対して、乳児では100kcal/kgである。
体重あたりの必要水分量が多く、体重当たりのエネルギー必要量も多いが、腎臓の濃縮力(尿を濃くする力)は成人の最大1/3ほどであるため脱水になりやすい。
a 乳児の腎機能は未熟なため、尿濃縮力はまだ高くはなく、水分必要量が多い中で尿に水分が出てしまうため、脱水になりやすい。よってaが正解。
b 上記のように成人の体重の約60%が水分であり、乳児では約70%かそれ以上を水分が占める。年齢が若いほど、体重に対する水分の割合は高いといえる。
c エネルギーを産生するのに水分が必要となる。乳児は体重あたりの必要エネルギー量(100kcal/kg/day)が多いため、体重あたりの必要水分量も多くなる。
d 乳児は成人よりも体表面積あたりの不感蒸泄量は多く、このことからも脱水になりやすい。不感蒸泄とは発汗以外の皮膚および呼気からの水分喪失のことをいう。
e 乳児の方が成人より体重あたりのエネルギー必要量は多く、乳児は100kcal/kg/day、成人は30~40kcal/kg/dayである。成長に必要な水分やエネルギーが加わるためと考えられる。