国試オンライン過去問演習

2025-01-14

国試オンライン過去問演習 111I78

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111I78
34歳の男性。大動脈解離の定期受診のため来院した。2年前に胸部下行大動脈解離を指摘され、以後、自宅近くの診療所で降圧薬の投与を受けている。
自覚症状は特にない。父親は30歳台で大動脈疾患で死亡した。喫煙歴と飲酒歴はない。
身長179cm、体重50kg。体温36.7℃。脈拍72/分、整。血圧104/36mmHg。呼吸数16/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。
胸骨左縁第3肋間を最強点とするIV/VIの拡張期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢が長く、クモ状指趾を認める。
四肢末梢の動脈拍動に差を認めない。水晶体偏位を認める。胸部造影CT(A〜D)と心エコー図(E)とを別に示す。
この患者について正しいのはどれか。2つ選べ。


(A)
(B)
答え
不正解

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2年前に大動脈解離の指摘があること、家族歴、高身長、脈圧増大、拡張期雑音、長い四肢、クモ状指趾、水晶体変異などの身体所見からMarfan症候群が強く疑われる。それを踏まえて解答する。

a Marfan症候群は常染色体優性遺伝である。他に神経線維腫症Ⅰ型などが常染色体優性遺伝である。よってaは×。

b 大量の心嚢液貯留は心タンポナーデにおいてみられるが、造影CTの大動脈レベルの画像では、特に心嚢液貯留はみられない。よってbも×。

c Aより弓部大動脈の解離所見、B、Cより上行大動脈の解離所見が認められる。またDより大動脈基部の拡大を認める。よってStanfordA型大動脈解離と診断できる。よってcは○である。

d Eの画像より、大動脈拡大、大動脈弁逆流がみられる。大動脈弁のエコー輝度も高いように思われるが、著名な石灰化とは断定できない。よってdは×。

e Eの画像より大動脈弁輪も拡大しており、Stanford A型大動脈解離と大動脈弁輪拡大(AAE)、大動脈弁閉鎖不全(AR)に対し、Bentall手術(大動脈弁を切除し、拡張した大動脈基部を人工弁付き人工血管で再建し、冠動脈を吻合する手術)を行う。よってeは○である。

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