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国試過去問解説 2025-01-27

国試過去問解説 食道癌(113D38)

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食道癌(113D38)
67歳の男性。嚥下困難と体重減少を主訴に来院した。1か月前から嚥下困難を自覚していた。自宅近くの医療機関で行った上部消化管内視鏡検査で異常を指摘されたため受診した。体重は1か月で3kg減少している。既往歴に特記すべきことはない。喫煙は20本/日を40年間。飲酒は焼酎2合/日を42年間。身長171cm、体重67kg。脈拍68/分、整。血圧124/62mmHg。血液所見:赤血球318万、Hb 10.5g/dL、Ht 31%、白血球8,300、血小板16万。上部消化管造影像(A)及び上部消化管内視鏡像(B)を別に示す。
治療方針を決定するために有用でないのはどれか。


答え
不正解

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嚥下困難の自覚症状や、年齢・性別、喫煙・飲酒などの危険因子、体重減少や軽度貧血から食道癌を強く疑う。上部消化管造影では、下部食道に不整狭窄像を認め、また上部消化管内視鏡検査では、2/3を占める不整隆起と口側の発赤により3型(潰瘍浸潤型)の進行食道癌と考えられる。

a FDG-PETは糖代謝の集積を画像化することで、進行癌において肺、肝、骨転移などの検索や造影CTと組み合わせることでリンパ節転移の評価を行うことができる。よってaは〇。

b 造影CTは解像度が高いため、周囲への浸潤、気管、大動脈、肺など周辺臓器などへの浸潤・転移などの立体的な描出や小さなリンパ節転移の検索に有用である。よってbは○。

c 食道内圧検査は、症状、造影検査、内視鏡検査などで食道アカラシアを強く疑う場合、確定診断のために行う検査である。食道癌の治療方針の決定には有用でない。よってcは×。

d 腹部超音波検査は、食道癌の治療においては、肝転移、腹腔内リンパ節の検索に利用される。肝転移が疑われる場合はさらにCT検査などを組み合わせていく。よってdは〇。

e 超音波内視鏡検査は、食道癌の壁深達度を正確に評価できるため非常に有用である。また食道周囲のリンパ節の腫大についても観察できる。食道癌の病期診断には欠かせない検査である。よってeは〇。
本記事の参考資料につきましてはこちらをご覧ください。

連載: 国試過去問解説