まず人間ドッグの上部内視鏡検査において指摘された胃癌について、早期胃癌か進行胃癌か、また臨床病期を判断するため、壁深達度やリンパ節転移を調べる必要がある。
a 拡大内視鏡はNBIを併用することで、微小血管構築像や表面微細構造を観察し、早期胃癌の診断や病変の範囲の決定に有用である。よってaは〇である。
b 経鼻内視鏡は健診、人間ドックなどのスクリーニング検査としては有用であるが、診断の精度、壁深達度やリンパ節転移など病期分類に関わる因子の評価においては拡大内視鏡や超音波内視鏡に劣る。よってbは×。
c 超音波内視鏡は、胃癌の壁深達度の評価に大変有用であり、腫大したリンパ節転移についても描出できることもあるため、内視鏡的治療の適応を判断するうえで重要な情報を得ることができる。よってcは〇。
d カプセル内視鏡は、カプセル型の内視鏡を水とともに飲み込み、半日ほど画像を撮影する低侵襲な検査である。ただし、見たい部分へカプセルを誘導できない、組織採取は行えないなどの短所がある。主に小腸の検査として用いられる。よってdは×。
e バルーン内視鏡は、主に小腸の検査に使用される。カプセル内視鏡に比べ侵襲性は高いが、見たい部分へ内視鏡を進める、組織採取やポリープ切除をすることが可能である。しかし内視鏡治療の要件に関わる胃癌の浸潤範囲の評価と壁深達度評価には、拡大内視鏡と超音波内視鏡に劣る。よってeは×。
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