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国試過去問解説 2025-01-28

国試過去問解説 気管支喘息・咳喘息(114D56)

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114D56
42歳の男性。喘鳴を主訴に来院した。幼児期に気管支喘息を発症したが、12歳以降は喘息発作もなく過ごしていた。半年前から再び発作が生じるようになったため受診した。アレルギー性鼻炎の既往はない。吸入副腎皮質ステロイド薬、吸入長時間作用性β2刺激薬、吸入長時間作用性抗コリン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、テオフィリン徐放薬で治療したところ最近症状が落ち着き、減薬を考慮している。血液所見:赤血球430万、Hb 14.5g/dL、白血球7,800(分葉核好中球63%、好酸球10%、好塩基球1%、単球5%、リンパ球21%)、血小板25万。特異的IgE抗体は全て陰性。
治療方針として、中止すべきでないのはどれか。

答え
不正解

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喘鳴やその発作、幼児期の喘息の既往などから気管支喘息を疑う。喘鳴から閉塞性呼吸障害を疑うが、COPDは年齢や喫煙歴の記載がないことから考えにくい。またCOPDでは労作時に呼吸困難や喘鳴が起こりやすいことも一致しない。
詳細な問診や聴診、呼吸機能検査、血液検査などを調べて診断する。本症例では好酸球の上昇がみられる点は気管支喘息を示唆する。

a ステップ1~ステップ4すべてで用いうる薬剤ではあるが、最新のガイドラインでの位置づけは高くなく、5剤を併用している本症例ではステップダウンにおける中止する薬剤の有力候補となる。よってaは×。

b 吸入ステロイド(ICS)は、喘息の長期管理において最も重要な薬剤である。治療ステップにおいて、用量の増減は行うが中止は基本的に行わない。中止すると症状が増悪するリスクがある。よってbが〇である。

c 治療ステップ2においては、ICSと吸入長時間作用性β2刺激薬(LABA)の併用や配合剤が推奨されている。併用薬としては残すことが多いが、ICSのみでコントロールできるケースではLABAは中止する。よってcは×。

d 吸入長時間作用性抗コリン薬(LAMA)は、通常ICS+LABAでコントロールしきれないときに、さらに上乗せする薬剤として使用される。よってステップダウンにおいては中止することが可能な薬剤である。よってdは×。

e ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)は、気管支拡張作用と抗炎症作用があり、ICS+LABAやICS+LABA+LAMAでコントロール不良な場合に使用される。よってダウンにおいては中止できる薬剤である。ゆえにeは×。
本記事の参考資料につきましてはこちらをご覧ください。

連載: 国試過去問解説