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国試過去問解説 2025-01-29

国試過去問解説 肥厚性幽門狭窄症(112D42)

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112D42
日齢24の新生児。嘔吐を主訴に両親に連れられて来院した。10日前から哺乳後の嘔吐を時々認めていたが、2日前から哺乳のたびに噴水状の嘔吐を認めるようになった。活気は不良である。体重3,848g(日齢9では3,882g)。体温36.7℃。心拍数128/分。血圧94/58mmHg。呼吸数28/分。毛細血管再充満時間は3秒と延長している。四肢末梢に軽度冷感を認める。皮膚のツルゴールは低下している。大泉門はやや陥凹。咽頭発赤を認めない。胸部に異常を認めない。腹部は軽度膨満しており、右上腹部に径1.5cmの腫瘤を触知する。
患児の腹部超音波検査で認められる所見はどれか。
答え
不正解

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新生児後期発症の哺乳のたびの噴水状の嘔吐より肥厚性幽門狭窄症を疑う。活気不良や体重減少、毛細血管充満時間の延長、四肢末梢の軽度冷感、皮膚のツルゴール低下、大泉門はやや陥凹より脱水が示唆される。腹部の軽度膨満は胃の拡張、右上腹部の経1.5cmの腫瘤は肥厚した幽門筋として説明がつく。

a 腸管の拡張は、腸管に閉塞がある場合その口側で起こる。そのようなケースでは噴水状の嘔吐はきたさず、腹部はより膨満となる。よってaは×。

b 腸管壁の浮腫は、腸炎においてみられるが腸炎を積極的に示唆する所見は嘔吐以外にみられない。よってbは×。

c 幽門筋の肥厚により十二指腸以降への通過障害が起こり、栄養、水分の吸収ができないため、体重減少や脱水、腹部の軽度膨満、腹部腫瘤などの所見を呈する。胃から先へ進めないため哺乳しても勢いよく嘔吐してしまう。よってcが〇。

d もし肝腫瘍が存在したとして、十二指腸以降の通過障害や、噴水状の嘔吐などの症状を示すとは考えにくい。上部消化管のどこかで閉塞、狭窄があると考えるべきである。よってdは×。

e 総胆管の嚢腫状変化は、先天性胆道拡張症の所見である。黄疸や灰白色便などがみられるが上部消化管障害はきたさない。肝腫大による軽度腹部膨満はきたしうるが、噴水状の嘔吐は考えにくい。よってeは×である。
本記事の参考資料につきましてはこちらをご覧ください。

連載: 国試過去問解説