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国試過去問解説 2025-01-30

国試過去問解説 COPD(112A66)

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112A66
70歳の男性。労作時の呼吸困難を主訴に来院した。3年前から労作時の息切れを自覚し、徐々に増悪するため受診した。夜間睡眠中には自覚症状はない。43歳時に心房中隔欠損症の手術歴がある。気管支喘息の既往はない。喫煙は20本/日を47年間。3年前から禁煙している。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧134/70mmHg。呼吸数20/分。SpO2 97 %(room air)。6分間歩行試験ではSpO2の最低値は91%であった。胸部聴診では呼吸音は減弱し、軽度のrhonchiを聴取する。心エコー検査では、左室駆出率は保たれ推定肺動脈圧の上昇も認めない。呼吸機能所見:VC 3.40L、%VC 92%、FEV1 1.30L、FEV1% 38%。胸部エックス線写真と胸部CTとを別に示す。
初期治療として適切なのはどれか。2つ選べ。


答え
不正解

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高齢男性、喫煙歴、労作時呼吸困難、慢性の経過、呼吸音減弱、閉塞性換気障害によりCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と診断できる。画像所見においては胸部X線で肋間腔の拡大、下肺野の透過性亢進、横隔膜の平低化、胸部CTにおいては気腫化の所見がありCOPDの診断と矛盾しない。

a 感染症予防となるが、安定期のCOPDと考えられえるため抗菌薬の投与は不要である。体温の上昇など感染の徴候も特には認められない。よってaは×。

b SpO2 97%、運動時もSpO291%と酸素化は保たれており、現地点で在宅酸素療法の適応はないと考えられる。よってbは×。

c 吸入ステロイド(ICS)は、喘息合併例のCOPDにおいては使用されるが、COPDの薬物療法の基本は長時間作用性抗コリン薬(LAMA)や長時間作用性β2刺激薬(LABA)である。よってcは×。 よってcが2つ目の正解となる。

d,e COPDの安定期の管理は、気管支拡張薬であるLAMAやLABAが第一選択であり、これらの薬物療法により患者のQOLの改善がみられる。よってdとeが〇である。

本記事の参考資料につきましてはこちらをご覧ください。

連載: 国試過去問解説