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国試過去問解説 2025-02-10

国試過去問解説 心房細動(112A59)

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112A59
60歳の男性。動悸を主訴に来院した。以前から時々脈が欠けるのを自覚していたが、症状が強くないので様子をみていた。2日前に熱めの湯船につかったところ、いつもとは違う持続する動悸を自覚した。動悸は突然始まり、脈を確認すると規則的ではなくバラバラに乱れて速く打つ感じだったという。洗い場の座椅子で休んでいたところ、約2分で症状は改善した。めまいや冷汗、眼前暗黒感などの症状は伴わなかった。このような症状は初めてで、その後繰り返すことはなかったが、家族が心配したため受診した。既往歴に特記すべきことはない。体温36.6℃。脈拍68/分、整。血圧142/88mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98 % (room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。
入浴時に生じた動悸の原因として最も可能性が高いのはどれか。

答え
不正解

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a 心室頻拍は、心室細動に移行する可能性がある大変危険な不整脈である。動悸、息切れ、場合によっては血圧低下によりめまい、失神、意識消失などの症状がみられる。ただし、規則的な頻拍であり問題文と合致しない。

b 心室細動においては、心筋がまったく同期して収縮できず、心拍出量は急激に低下する。めまいの後すぐに失神し、脈を触れない。救命のためには速やかに電気的除細動を行う。

c 上室性期外収縮は心房内の異所性興奮により、心電図において異所性P波がみられるもので、多くは無症状でときに動悸を感じる程度であり、特に治療要ない。問題文の以前感じていた脈の欠けは上室性期外収縮の可能性がある。

d 心房細動は動悸や脈拍不整を主徴とし、発作性であることからももっとも問題文の自覚症状に合致する。左房内の血栓形成による塞栓症予防のため、抗凝固療法が必要となる。

e 発作性上室性頻拍は、突然生じ急におさまる規則的な頻拍である。(120~220回/分程度)本症例は自覚症状から不規則な頻拍と考えられるので合致しない。

連載: 国試過去問解説