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国試過去問解説 2025-02-20

国試過去問解説 脊髄小脳変性症(114A58)

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114A58
48歳の男性。歩行障害を主訴に来院した。約5年前からバランスが悪く転びやすくなってきたという。徐々に悪化して、歩行時によろめくようになり、階段昇降では手すりが必要になったため受診した。認知機能は正常である。びっくり眼を認める。筋力低下と感覚障害とを認めない。小脳性運動失調と錐体路徴候とを認めるが、不随意運動を認めない。起立性低血圧と膀胱直腸障害とを認めない。家族歴では、父、父方の祖父および叔父が同様の症状を示していたという。
考えられるのはどれか。

答え
不正解

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歩行障害が主訴ということで、Parkinsonism、運動麻痺、運動失調などが考えられる。バランスが悪く、徐々に悪化していることより緩徐に進行する運動失調性の歩行障害と考えられる。家族歴より常染色体優性遺伝をとっている。

a 歩行障害をきたすが、すくみ足や小刻み歩行などがみられるためバランスが悪く転びやすい部分としっかりと合致しない。安静時振戦などParkinson病に特徴的な症状についてもとくにみられていない。よってaは×である。

b 多系統萎縮症の中に、MSA-Cという小脳症状を示す疾患があり小脳性運動失調を示すが、孤発性であり遺伝性は示さない。よってbは×である。

c Huntington病は常染色体優性遺伝形式をとるため、症例の家族歴に合致するが、不随意運動や認知症がみられる一方で、小脳性運動失調はみられない。よってcは×である。

d Machado-Joseph病はSCA-3とも呼ばれ、常染色体優性遺伝であり、びっくり眼や小脳性運動失調をきたす。錐体路徴候を認めることもある。日本における遺伝性脊髄小脳変性症の中で最も多い疾患である。よってdが○である。

e ミトコンドリア脳筋症は様々な症状を呈するため小脳性運動失調もきたしうる。しかし母系遺伝であるため、家族歴のところが合わない。よってeは×。


時間のある方は参考資料としてこちらをご覧ください。

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