インタビュー

2021-05-01

岸和田徳洲会病院 | 後期研修インタビュー

岸和田徳洲会病院の後期研修インタビュー。全国病院からメッセージ・求める研修医、プログラム・募集要項、ジュニア・シニア・指導医・院長のインタビューを掲載。進路選択の判断材料としてお役立てください!

岸和田徳洲会病院

大阪府岸和田市加守町4-27-1

医師近影

名前 四至本 貴大(ししもと たかひろ) 先生
出身地・出身大学/医師免許取得年度 大阪府泉南郡岬町・和歌山県立医科大学 / 2016年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

高校3年生までは工学部や薬学部を目指していたんです。高校3年生になって医学部も合格圏内になってきたので、その時点ではまずは医学部に入り、医学部で勉強する中でどういう医師になりたいのかを考えていこうと思い、医学部を受験しました。

学生生活はいかがでしたか。

テニス部に入り、6年間、テニスをしていたことが思い出です。部活動を通して、先輩方との上下関係を学べました。

初期研修の病院を岸和田徳洲会病院に決めたのはなぜですか。

大学病院に残るか、市中病院に出るかというのは悩んでいました。私の実家は大阪府内でも南大阪と呼ばれる地域ですし、和歌山県立医科大学からも遠くありませんので、その範囲の病院を調べていくことにしました。大学病院では救急車の初期対応を後期研修医がしていて、初期研修医が検査や治療の方針を決めることがなかったのに対し、岸和田徳洲会病院はもちろん3年目以降の先生や救急の先生からのバックアップはあるものの、初期研修医が主体的に動いていたので、そういう病院で研修した方が大学病院で研修するよりも2年ほど早く救急対応に慣れるのではないかと思い、岸和田徳洲会病院に決めました。そのときはまだ将来は消化器内科に進みたいということは考えていませんでしたね。

初期研修を振り返って、いかがですか。

かなりの数の救急車で来られた患者さんやウォークインの患者さんを診ました。そうした患者さんに対し、初回の1回だけで全ての診断をつけ、治療するのは難しいのですが、できる範囲である程度の治療方針を決めることができるようになりました。

内科を専攻しようと決めたのはいつですか。

初期研修1年目の終わり頃です。マイナー科ではなく、内科、外科、救急といったところで悩みましたが、頭を使って患者さんの病態を考える内科が自分に合っているのかなと思ったのが一つです。それから初期研修で救急を回っているときに救急だけでなく、循環器科や消化器科の入院も診たのですが、消化器疾患で困っている患者さんが多かったことも一つです。医師の中でも意見が分かれるところではありますが、重症度の高い患者さんや専門性の高い患者さんを救うのか、より多くの患者さんを救うのかといったときに、私はより多くの患者さんを自分の診られる範囲で救いたかったんです。その意味で、消化器は範囲が広く、救急や外科で来られたときに困っている患者さんも少なくないので、消化器内科に進むことにしました。

専攻医研修先として、岸和田徳洲会病院の内科を選んだのはどうしてですか。

初期研修2年目の頃から当院以外の病院も見学したのですが、当院は救急疾患が圧倒的に多く、かつ専攻医研修1年目から救急の患者さんに対しての処置をある程度は主体的にできることに惹かれました。個人的な目標として、救急で来た患者さんに自分で検査の方針を決めたり、処置ができるようになるというものがあったので、それができるのが岸和田徳洲会病院の消化器内科でした。それで専攻医研修も初期研修に引き続き、岸和田徳洲会病院に残ることにしました。

専攻医研修はどのような内容で研修されてきましたか。

私は消化器内科志望でしたので、内視鏡を中心に研修しました。それから1年間に3カ月、3年間の合計で9カ月の総合診療科でのローテートがあるので、総合診療科の外来や救急車で来た患者さんに対し、内科的治療を行う研修もありました。今の専攻医研修ですと、J-OSLERで指定された29症例の抄録を書かないといけないのですが、ほかの病院ではそれを集めるために色々な診療科に行ったという話も聞きます。しかし当院の総合診療科に9カ月もいると、かなりの救急車や外来患者さんが来ますので、症例集めに苦労することもなく、ほとんどの疾患を診ることができ、自分の実力も向上しました。それに加えて、関連病院での研修もありました。医療の世界は難しく、答えが一つではないので、この病院での正解が全てではありません。私は宇治徳洲会病院の救急総合診療科に行き、違う治療法も学べたことは良かったです。それから呼吸器内科や腫瘍内科など、今後、消化器内科医として必要になる疾患を専門的に学べたので、できる範囲での広い分野を深く勉強でき、良い専攻医研修となりました。

専攻医研修で特に勉強になったことを教えてください。

主旨とはずれるかもしれませんが、離島研修でしょうか。今も名瀬徳洲会病院からZoomでお話をしていますが、専攻医研修1年目から名瀬徳洲会病院に行き、2年目からは1人で行き、内科を担当しています。ほかの病院での専攻医研修なら、後ろに指導医の先生がつき、安心できる体制で診療しますし、奄美大島でもスマートフォンなどで困ったことには適宜対応していただいているので困っているわけではないのですが、一人だと、その患者さんに何をどこまですればいいのかを考えるのは勉強になります。難しい症例やそれに伴う合併症など、人材豊富な本州の病院だと指導医の先生がストップをかけてくださることでも、離島では自分の判断が必要です。そのため、自分で勉強して考え、この人はここまでやっても大丈夫、ここまでやると駄目、これだけをしておけば次はこれ、今晩や明日までは何とかなるからあとは指導医の先生と決めようといった判断のもとで治療できるようになりました。

当直の体制について、お聞かせください。

岸和田徳洲会病院の当直の体制は私の専攻医研修中に変わりました。最近は月に4回、多くても5回です。以前は少し多かったのですが、最近は多いという印象はありません。体制は救急の医師が救急外来と病棟に1人ずつ、救急車や救急外来に対応する初期研修医が2、3人、救急外来を診る内科と外科の医師が1人ずつです。専攻医はその内科と外科の医師のバックアップとして、セカンドで入ります。さらに病棟にも内科と外科の医師が1人ずついるので、合計9人程度が当直しています。また、心臓血管外科などにICUやHCUで当直する医師もいます。

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

専攻医研修の3年目になったとしても、初期研修医と変わらないレベルのことが分からなかったりします。内科は教科書に書いていないことも多くあるので、指導医の先生に質問させていただくのですが、丁寧に教えていただいています。

病院に改善を望みたいことはありますか。

専攻医研修の中で関連病院に行くにあたり、私たちも口コミなどを見て、病院の情報を集めるのですが、自分で調べるのは大変でした。私は専攻医研修が始まったときの1期生なので、特にそうなのかもしれないのですが、こういう診療科を学びたいというときに、その情報がもう少し分かりやすい形で出ていればと思います。

初期研修医の指導にあたって、気を付けていることはありますか。

消化器内科に回ってくる初期研修医には2通りいます。消化器内科を目指している人か、外科などを目指しているけれども内科一般の知識を身につけたい人です。消化器内科を目指している人であれば、専攻医研修で内視鏡をする機会は誰にでもあるので、患者さんにカメラを入れて一通りのことを診られる状態にするための基本的なことを教えています。また、救急車で来た患者さんを診るときに、よく初期研修医から電話があるのですが、その電話の前にするべき準備があります。何の病気かを考えるかで用意するものも違ってきますので、病気を想定するために必要な検査や問診などを伝えることが大事だと思っています。内視鏡の技術に加え、この患者さんなら早くした方がいいのか、検査しても大丈夫なのかといった部分の知識をしっかり教えるようにしています。

カンファレンスはいかがですか。

朝8時から新入院の患者さんについてのカンファレンスがあります。初期研修医向けのスタイルになっていますが、初期研修医が空いている時間にスライドを使って、一緒に講義を受けることもあります。

コメディカルのスタッフとのコミュニケーションはいかがですか。

どの診療科でもそうですが、内視鏡に関しては外来の看護師さんや臨床工学技士さんとコミュニケーションを取っていかないと、患者さんに不利益が生じることがあります。緊急の場合は気持ちが焦りますが、医師が焦るとほかのスタッフも慌ててしまうので、常に冷静に確認をしながらリスクのないように進めていくようにしています。

何か失敗談はありますか。

離島では一人になりますので、自分でできるのではないか、どこまでを上の先生に相談するべきか悩む時期がありました。人手のある病院とは看護師さんの数は器具も違います。こういう器具が欲しいけれど、離島にはないということも確認しておかないといけませんし、欲しかったものがなかったり、どうすべきかの考えが及ばなかったりしたことはありました。最初の診断が間違っていて、手技をするのかしないのか、人に相談するべきところで、自分の力を過信してしまったのが良くなかったです。自分にある程度の自信があっても、疑問があれば、上の先生にも意見を聞いて、違う意見をいただいたのなら自分の方針を修正しないといけないと思っています。

専攻医研修と初期研修の違いはどんなところにありますか。

責任の重さが違いますね。どの病院でもそうなのでしょうが、初期研修のときは誰かしらが見てくださっています。もちろん責任はありますが、安心感もありました。専攻医研修では常に見てくださっているわけではないので、自分に1%でも疑問があれば、その疑問を上の先生に相談するべきです。相談したうえで、治療方針を決めていくことが大事です。

研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

消化器内科の専攻医に同期が1人いました。同期ですし、仲間ですので、J-OSLERや専門医試験、学会などの情報共有を常にしていました。

今後のご予定をお聞かせください。

2021年3月に専攻医研修を終了し、4月に消化器内科のスタッフとして、岸和田徳洲会病院に入職しました。まずは当院で勉強を続けます。内視鏡治療をするうえで合併症の問題は大きいですし、内視鏡を入れる技術でも入れる時間がかかるのは良くないので、患者さんの負担をかけず、合併症もなく入れられるよう、今できる処置であっても精度を上げたいです。専攻医研修の3年間を終えても、まだできない処置もありますし、消化器は範囲が広いだけに自分に足りないことも色々とありますので、そうした分野や深く極めていきたい分野を学んでいきたいと思っています。当院はスタッフとして入職したあとであっても、専攻医研修のように他院で研修することが可能ですので、大学病院や関連病院にも行き、より広く力をつけていきたいと考えています。

現在の臨床研修制度について、ご意見をお願いします。

救急疾患を中心に、内科疾患も学べる点でいい制度です。大学病院か市中病院かで悩む人が多いですが、どちらにも良い点、良くない点があります。個人的には市中病院で救急医としての力をつけた方がいいと思います。私は当院で初期研修をして良かったです。それは今に繋がっています。消化器内科医だからといって、救急をしなくていいというのは違いますし、救急で来て血圧が下がっている方、今にも亡くなりそうな方に対して、内視鏡だけで生命が救えるわけではありません。ほかのスタッフと連携しながら、自分の手で救命から内視鏡までできるようになったのは当院で初期、専攻医研修をしたからだと考えています。

専門医制度についてもご意見をお願いします。

卒後3年目で専門科を決めて研修するよりはほかの診療科に行き、色々な疾患を診る経験ができる今の制度はいいですね。特に当院での専攻医研修はその良さにマッチしていました。ただ、今の制度になり、煩雑な部分が増えたり、内科医が減ったことは問題です。後輩からも内科を選ぶ人が減っていると聞きますし、内科医の減少は今後、良くないことになりますので、改善してもらいたいです。

これから専攻医研修の病院を選ぶ初期研修医にメッセージをお願いします。

当院は救急の患者さんが多く、大変なイメージがあるのは分かります。しかし、井上先生もおっしゃっていたように、働き方改革が進んでいます。また、スタッフが多いので、症例が回ってこないのではと心配されている人もいますが、離島への派遣の機会があるので、むしろ症例は多い方です。何より当院ではほとんどの処置や治療ができるので、当院から他院に転院することがないのは良い点です。当院で皆さんと一緒に働いていけたら、嬉しいです。