インタビュー

2021-06-01

静岡県立総合病院 | 後期研修インタビュー

静岡県立総合病院の後期研修インタビュー。全国病院からメッセージ・求める研修医、プログラム・募集要項、ジュニア・シニア・指導医・院長のインタビューを掲載。進路選択の判断材料としてお役立てください!

静岡県立総合病院

静岡市葵区北安東4-27-1

医師近影

名前 吉原 美沙子
出身地・出身大学/医師免許取得年度 神奈川県横浜市・徳島大学 / 2019年

医師を目指されたきっかけをお聞かせください。

 父が消防署に勤務していたこともあり、救急医療や災害医療に興味を持ち、小学生の頃から医師を目指していました。小学校から高校にかけて、医師を目指す友人が多かったこともあり、私も夢が変わることなく、医師の道に進みました。

学生生活はいかがでしたか。

 徳島は地方である分、遊ぶ誘惑が少なくて、勉強に集中できました。都会であれば国家試験予備校に通う学生も少なくないと思うのですが、徳島では友人同士で勉強するしかないので、団結して試験に挑むのが楽しかったです。また、私は中学からバスケットボールをしていたので、大学でも本学のバスケットボール部に入っていました。今は国内で仕事をしたいと考えていますが、大学時代は海外に興味があり、USMLEや英会話のサークルに参加したり、ニュージーランド、カナダ、ドイツに留学しました。ドイツに行ったのは医学部の留学プログラムです。ハノーファー医科大学の大学病院で研修したのですが、良い刺激になりました。

医師近影

初期研修の病院を静岡県立総合病院に決めたのはなぜですか。

 二つの理由がありました。一つは海外の医療に触れたいという思いがあったからです。臨床研修病院の一覧を見て、初期研修の間に海外に行かせてくれる病院を探したところ、静岡県立総合病院を見つけました。もう一つは学生時代から一番好きな科目が循環器内科だったからです。テスト勉強でも一番面白く勉強できたのが循環器内科でした。でも臨床実習の循環器内科で受け持った患者さんはTAVIの手術が終わって3日後ぐらいの方だったので、実際のTAVIがどのようなものか分からずじまいだったんです。それで、大学病院よりも活発にカテーテルをしている病院を探しました。徳島大学では6年生のときに選択実習があり、北海道から沖縄までの関連病院の中から行きたい病院を選べます。その中で最も多くのカテーテル治療をしていたのが静岡県立総合病院だったので、海外経験もでき、カテーテルもできるということで、6年生のときに就職活動を兼ねて1カ月の実習に来ました。

実習ではどのようなことが印象に残っていますか。

 当時は徳島大学病院の循環器内科しか知らなかったですし、大学病院はどうしても研究がメインですので、緊急のカテーテル治療は少ないんです。でも静岡県立総合病院は常に緊急の患者さんが来ている状況で、新しいことにも活発に取り組んでいることが印象に残りました。

初期研修を振り返って、いかがですか。

 20人ほどの同期がいるので、入職する前は症例の取り合いになってしまうのではないかと心配したのですが、大学病院などに比べると症例の割に医師数が少ないこともあり、症例の取り合いもなく、色々な経験をさせていただきました。非常に満足できる初期研修でした。

医師近影

循環器内科を専攻しようと決めたのはいつですか。

 私は6年生の4月に静岡県立総合病院で実習をする直前まで、循環器内科と産婦人科で迷っていたんです。どちらかと言うと、産婦人科は手術は楽しそうに見えましたが、勉強はそんなに得意ではなかったんです。一方で、循環器内科は内容も好きでしたし、勉強もほかの科目よりは得意でした。最終的には当院の循環器内科に来て、やはり循環器内科が楽しいなと思って、循環器内科に決めました。

専攻医研修先として、静岡県立総合病院の循環器内科プログラムを選んだのはどうしてですか。

 私が当院で初期研修をしたのは当院の循環器内科に入りたかったからなので、初期研修2年目の夏にはここで専攻医研修をしたいと思っていました。ただ初期研修2年目に入った頃から同期が専攻医研修の病院探しをするようになり、私自身もほかの病院を知らずに当院に決めるよりは少なくとも静岡県内の病院を見て、客観的な視点を持ったうえで決めたいと考え、ほかの病院にも見学に行ったんです。そこで、やはり当院ではあらゆる最先端治療に携わることができ、症例数も多いことが分かり、当院に決めました。

医師近影

専攻医研修はどのような内容ですか。

 まだ始まったばかりなので、4月の段階では週に2回の日中の救急当番をしているほか、カテーテル検査に入り、カテーテルを一から教えていただいています。5月の連休明けから循環器内科の当直が始まります。

専攻医研修で特に勉強になっていることを教えてください。

 当院は重症の心不全患者さんが来ることが多いので、PCPSやIABPといった機械的サポートの適応や管理は勉強になっています。まだ分からないことばかりなので、必ず上級医の先生と患者さんを持つようになっていて、一例ずつ詳しく教えていただいています。

当直の体制について、お聞かせください。

 4月までは初期研修医と同じ立場で、救急外来の当直があります。循環器内科医としての当直は5月の連休明けからですが、専攻医1年目ということもあり、上級医の先生と2人1組での当直になります。回数はおそらく月に3、4回で、半年から1年はそのようなサポートを受けながら当直する予定です。4月は初期研修から専攻医研修の移行期で、初期研修のときに比べると日中の救急当番が増えました。ここで当直の練習をして、ゆっくり慣れていく形です。指導医の先生が必ずいらっしゃるので、薬物を新しく加えるときなど、全て相談しています。初期研修医は症例が足りない人も含めて、月に3人ぐらい回ってきますので、一緒に考えながらやっています。夜間はオンコールで、緊急カテーテルになったときのみ呼びます。救急一覧を見て、たまたま院内にいた初期研修医が興味を持って見に来ることもあります。

医師近影

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

 当院は忙しい病院だと思うのですが、指導医の先生方は忙しい中でも一つ一つの相談に対し、断ることなく、非常に丁寧に教えてくださり、助けていただいています。

病院に改善を望みたいことはありますか。

 静岡県にいますので、大学病院となると浜松医科大学医学部附属病院です。そちらの専攻医と話す機会もあるのですが、大学病院の方がレポートのサポートが手厚いようです。大学病院ではJ-OSLERの書き方講座やレポートの催促など、色々なことを手取り足取り指導されているみたいです。当院でもレポートを書けないこともないし、症例も足りているのですが、参考になる書き方を教えていただけたらと思っています。

医師近影

初期研修医の指導にあたって、気を付けていることはありますか。

 どんなに忙しくても、電話をもらったり、話しかけられたときにはその場で答えるようにしています。循環器内科のカラーとして、緊急が多く、どうしてもぴりぴりしてしまい、カテーテル室に初期研修医が来ることが憚られる雰囲気があります。しかし私が循環器内科に入り、専攻医が3人になりましたので、初期研修医に笑顔で接し、カテーテル室に来やすい雰囲気を作ろうと心がけています。最近では初期研修医もカテーテル室に来てくれるようになり、良かったです。

カンファレンスはいかがですか。

 毎朝8時30分にICUの回診があり、主治医が受け持ちの患者さんについてのプレゼンテーションをして、部長の先生からのフィードバックがあります。水曜日の朝8時からは心臓血管外科と合同のカンファレンスがあり、循環器内科から心臓血管外科にバイパスや弁置換術などの手術の依頼をしたり、心臓血管外科から循環器内科に手術症例のフィードバックなどがあります。カテーテルカンファレンスは毎日夕方5時からあり、その日の全症例を全員で振り返ります。専攻医はなるべく自分で「冠動脈左前下行枝の6番の狭窄が90%で」などと所見をプレゼンするようにしていますが、上級医の先生方から「いや、75%でしょ」みたいな突っ込みがあったり、怒られることもなく、和やかな雰囲気です。

メディカルのスタッフとのコミュニケーションはいかがですか。

 私は初期研修でも4カ月間、循環器内科を回ったので、病棟やカテーテル室の看護師さん、臨床工学技士さん、放射線技師さんと顔見知りになっていました。そのため、専攻医になってからもとても仕事しやすい環境です。コメディカルの皆さんは私よりも病棟やカテーテル室のことをよくご存じなので、いつも助けていただいています。

医師近影

何か失敗談はありますか。

 専攻医になったばかりなので、専攻医研修開始後の失敗談は思い当たりません。今は循環器内科医としてはヒヨコというより卵みたいな感じです(笑)。思い込みで診療せず、分からないことは全て上級医の先生方に聞くという謙虚な姿勢で取り組みたいと思っています。

専攻医研修と初期研修の違いはどんなところにありますか。

 初期研修医のときも主治医という気持ちはあったものの、あくまでも指導医のシャドウイングという側面が大きかったです。しかし専攻医になると、主治医として患者さんや患者さんのご家族と話す機会が非常に増えました。入院時や退院時のIC、カテーテル前の同意にあたり、患者さんの背景などを知ることに努めています。

医師近影

研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

 専攻医研修で当院に残った同期が7人います。循環器内科に進んだのは私だけですが、ほかの病院から循環器内科に来た専攻医の同期もいます。また、循環器内科の1つ上の専攻医の先輩もいます。ただ、コロナ禍で大々的に飲み会や食事会などができないので、院内でなるべくコミュニケーションを取るようにしています。

今後のご予定をお聞かせください。

 専攻医研修の3年間で超重症の心不全の患者さんを一人で診られるようになるところまではいけないかもしれませんが、少なくともある程度の心不全の診断と治療をできるようになって、カテーテルの基本的な手技も一人でできるようにしたいです。また急性心筋梗塞や緊急の症例にも参加し、スタッフの一員として力になれるように頑張っていきたいと思っています。専門にしたいのは弁膜症です。structural heart diseaseと言われる分野に興味があるので、今はTAVIやマイトラクリップを見学したり、経食道心エコーをさせていただいています。将来はこの分野でのスタッフの一員になれればと考えています。

現在の臨床研修制度について、ご意見をお願いします。

 私の学年と一つ下の学年では研修の内容が大きく変わり、一つ下の学年は産婦人科、精神科、小児科が必修となりました。その結果、選択期間が短くなったので、私のように好きな科を4、5カ月回ることができなくなったのがマイナスポイントかもしれませんが、専攻医研修で選ぶ道を初期研修のうちに長めに回る必要もないので、これはこれで良い変更なのではないでしょうか。

専門医制度についてもご意見をお願いします。

 新しい制度では求められるレポートの数が多いので、勉強になるはずですが、こつこつ書いていかないと専門医を取れないのではないかという不安があります。日々の仕事に追われる中でレポートを書いていく習慣をつけなくてはいけないとひしひしと感じていますが、まだ書き始めていません(笑)。

これから専攻医研修の病院を選ぶ初期研修医にメッセージをお願いします。

 私は専門医研修の病院を選ぶにあたり、自分が将来やりたいことを一番多くやっている病院にするのか、忙しさはほどほどで、そこまで高度なことをしていないところでステップバイステップで研修していける病院にするのかで迷ったのですが、自分がなりたい理想像や進みたい道を最初から見ていける病院に決めました。考え方は人それぞれですが、私の経験からすると、最終的に目指す道を見ることができる病院で研修するのがいいのかなと思います。

医師近影