インタビュー

2021-06-01

下関医療センター 加藤 彰 医師 | 指導医インタビュー(初期)

下関医療センター 加藤 彰 先生の指導医インタビュー。全国病院からメッセージ・求める研修医、プログラム・募集要項、ジュニア・シニア・指導医・院長のインタビューを掲載。進路選択の判断材料としてお役立てください!

下関医療センター

山口県下関市上新地町3丁目3−8

加藤先生の近影

名前 加藤 彰

職歴経歴 下関医療センター副院長、健康管理センター長、初期臨床研修プログラム責任者、指導医

1991年に山口大学を卒業後、山口大学第一内科(現 消化器内科)に入局する。1993年に山口大学大学院に入学する。1997年に山口県立中央病院(現 山口県立総合医療センター)消化器内科に勤務する。2000年に下関厚生病院(現 下関医療センター)消化器内科に勤務する。以降、現在も消化器内科、肝臓病をメインにした診療を行う。

日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本肝臓学会専門医・指導医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本プライマリ・ケア連合学会認定医、日本環境感染学会ICD感染制御医など。日本癌学会、日本病態栄養学会にも所属する。

下関医療センターの病院としての特徴をお聞かせください。

下関医療センターは、かつては社会保険病院でしたが、2014年から独立行政法人地域医療機能推進機構、いわゆるJCHOに参加しています。JCHO自体はご存知のように全国に57病院ある大きな機構です。その病院の一つとして、2014年に下関医療センターに名称を変更しました。300床程度と比較的コンパクトな病院ですが、脳疾患を始め、救急医療に力を入れており、地域の皆さんから信頼を得ている病院です。

下関医療センターの初期研修の特徴をお聞かせください。

プログラム自体はルール通りに行っているので、ほかの病院と大きく違うというものはありません。ただ、当院には産婦人科、小児科、精神科がありませんので、協力病院で研修をお願いしています。ほかの診療科については当院で研修を行うのですが、特に救急には力を入れているので、救急部門を長くローテートしてもらうようにしています。病院そのものの特徴として、比較的コンパクトな規模であり、臨床研修医の募集定員も5人なので、少数精鋭で密な指導ができていると考えています。

現在、1年目の研修医が4人在籍していらっしゃるそうですが、その男女比とどのような先生方かを教えてください。

現在、在籍している1年目の初期研修医は4人とも男性です。出身大学で言いますと、2人が山口大学、1人が熊本大学、1人が産業医科大学です。出身地では山口大学の2人は福岡県と山口県、熊本大学の人は地元下関、産業医科大学の人は愛媛県出身となっています。

指導される立場として心がけていらっしゃることを教えてください。

私が心がけていることは口を出すときにいきなり答えを言わないということです。初期研修はご自身で考え、自分で物事を解決する能力をつけていただくことが目的です。私が最初から答えを言ってしまうと、それで終わってしまって、研修医が答えを探す努力をしなくなりますので、そういうところを心がけています。

最近の初期研修医をご覧になって、どう思われますか。

今の制度が始まってからは働き方改革もあったので、時間外の時間をあまり使わないようにしています。そういう意味合いでは今の研修医には自由になる時間は比較的多いようで、オンオフをしっかり区別できる時代になってきました。昔のようにいわゆる体育会系のノリでやる時代ではありません。例えば夜間の呼び出しも強制はしていないですし、「見に来たかったらおいで」という感じです(笑)。ローテートする科にもよりますが、大体どこの科もそうですね。ともすれば研修医がお客さん的になってしまい、ポリクリと変わらないようになりがちですが、そこは医師免許を持っているわけですから、自覚を持って、ある程度はやっていただきたいという希望はあります。しかし、あまり無理はさせられないというところもありますね(笑)。ただ、ほとんどの研修医は自主的にやっているので、彼らへの不満はありません。

先生はどのような初期研修医時代を過ごされましたか。

私は1991年に卒業したので、研修医時代はちょうどバブルが終わったぐらいの時期であり、初期研修はまだ義務ではありませんでした。私は消化器内科に入局しましたが、いわゆるストレート研修でしたので、1年目は大学、2年目は一般病院といった形で、あまり家に帰らず、朝早くから夜遅くまで病院にいるのが一般的でした。今では考えられないですね(笑)。ただ、そのときに培った体力や持続力は後々には役に立ちました。特に1年目、2年目は若いですから、体の無理も利きます。病院にいる時間が非常に長く、寝るためだけに家に帰るというような2年間ではありました。今の研修医とはそのあたりが違いますね。ただし今の研修制度はローテートなどが整えられているので、非常に羨ましい一面もあります。ストレート研修だと、ほとんど自分の科しか回らないので、今の先生方はいいなと思いながら見ています(笑)。

先生が消化器内科を専門に選ばれた理由はどういったことでしたか。

学生時代は病理学の教室に出入りすることが多く、がんの症例を比較的よく目にしていました。それで、何らかのがんの方向に進もうと思ったときに、一つの選択肢が消化器がんでした。消化器がんを扱うには消化器外科と消化器内科という二つの道がありますが、当時の山口大学の状況を見ていると、基本的には診断までは内科で、診断がついたら手術を外科で治療するという流れになっていました。しかし、内科では内視鏡的な治療が徐々に広がり、早期の胃がんなどを治療する時代になりつつありました。そこで、診断から治療まで一貫してできる診療科ということに惹かれ、消化器内科を選んで入局しました。

初期研修医に「これだけは言いたい」ということがあれば、お聞かせください。

初期研修の2年間では決められた必須ローテートが3分の2ありますが、残りの3分の1は選択科目ですので、自分で選んで回れるようになっています。進む科が決まっている方も決まっていない方もいますが、決めている方の場合は先々に行く科ではなく、違う科を是非選択してもらいたいですね。例えば外科を志望するのであったら、初期の2年間以外で内科を回ることは2度とないので、最後のチャンスです。視野を広げるという意味でも、将来的に進む科以外の科を選択の中に取り入れてもらいたいです。決めた科があると、どうしても先取りしたいので、特定の科を選択しがちですが、あえて違う科を選ぶということも考えていただきたいです。私は消化器内科を選びましたが、当時もチャンスがあれば消化器外科の研修に行きたいと思っていました。自分が診断して紹介した患者さんが外科で手術されるところも経験したかったからです。実際はそのような研修はできませんでしたが、眼科や皮膚科を目指している方も、例えば内科的なことをより知っていると将来必ず役に立ちます。何も将来の科を先取りしなくても、これから先ずっとできますよ(笑)。今しかできない経験をしてみてほしいです。

現在の臨床研修制度についてのご意見をお願いします。

今の臨床研修制度ではこれまでに2度の改変がありましたが、必修科目についてはそう変わっていません。しかし今回の改変では総合診療が入ってきました。総合診療は受け入れる側の病院の準備も非常に大変ですが、研修制度としてはプログラム的にも非常に良くなっています。国が総合診療をより推進するという方針での研修制度の変革だと思いますが、全身を診られる医師を作ろうということで行われているので、そこは評価しています。我々も研修の場を作っていくのは大変なのですが、協力させてもらっています。今までは縦割りの診療でしたが、総合診療科では総合力が試されます。教える我々の力量が試される部分もあります(笑)。我々は総合診療をしてこなかった世代ですので、非常に勉強になっています。我々にはそれなりの経験はありますが、自分の専門分野以外は弱かったりするので、初期研修医と一緒に勉強させてもらっているところもありますね。

指導されている研修医にどのような医師になってほしいと思いますか。

初期研修が終わると自由なので、どんな道にも進めます。実際、当院でも医師になる人以外では厚生労働省の医系技官になった人もいます。公衆衛生という選択肢もありますし、どういう道に進むにしても、初期研修の2年間で学んだ知識を3年目以降に活かしてもらいたいですね。特に初期研修の2年間は色々な患者さんに迷惑をかけることもありますから、そこを恩返ししていってもらえればと思います。

これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

初期研修先を選ぶにあたって何を基準にするかは色々とあるでしょう。700床、1,000床ある大きな病院から、当院のような200床、300床の病院もあります。大きな病院は大人数ですし、設備やカリキュラムなども整備されていて、良い点もありますが、当院のような小さな病院だと、小回りが効きます。少数での研修の場合、各科をローテートするときは基本的に一人で行う形になるので、ほぼマンツーマンの指導が得られます。また、病院が小さいと指導医間の連絡も密に取ることができるのも強みですね。大きな病院だと科によって縦割りがあって、指導医間のコミュニケーションが取りづらいケースもありますが、当院のような規模が小さな病院ですと、指導医同士の垣根も低く、情報共有がしやすいので、研修医のことがより細かく分かるという利点があります。大病院と中小病院のそれぞれに利点があるので、それをきちんと比較しながら選んでいただきたいです。

最後にもう一度、下関医療センターのPRをお願いします。

当院は比較的小規模の病院でありながら、救急対応を積極的に行っている病院だと自負しています。下関地区の人口は約25万人ですが、山口県済生会下関総合病院、関門医療センター、下関市立市民病院、下関医療センターの4病院が輪番制で救急を診ています。その中でも当院が一番小規模ですが、輪番日が4日に1回というのは一緒なので、救急車の搬入台数は他院と同じぐらいの台数になり、多くの救急症例を診ることができます。是非この4日に1度の当番日に見学に来てください。当院にある健康管理センターに宿泊しながらの見学が可能なので、初期研修医が救急医療の場でどんな活躍をしているのか、実際にどういう仕事をしているのかを見学していただけたらと思います。当院は下関市という、山口県で一番西の端の街にあります。非常に交通の便が良く、高速道路、空港、新幹線へのアクセス、全てが揃っています。北九州の中心地である小倉駅までJRでわずか2駅という立地ですし、角島(つのしま)のような観光地やふぐなどの美味しい食べ物も色々とありますので、来ていただければ嬉しいです。宜しくお願いします。