専門研修インタビュー

2021-08-01

水戸済生会総合病院(茨城県) 専攻医 根本陽介先生(内科) (2021年)

水戸済生会総合病院(茨城県)の専攻医、根本陽介先生(内科)に、病院の特徴や研修プログラムについてなど、様々なエピソードをお伺いしました。この内容は2021年に収録したものです。

水戸済生会総合病院

茨城県水戸市双葉台3-3-10

医師近影

名前 根本 陽介
出身地・出身大学/医師免許取得年度 茨城県小美玉市・山梨大学 / 2019年

医師を目指されたきっかけをお聞かせください。

 大きなきっかけはありません。ただ理工学部などに行ったとしても、将来どのような仕事をするのかといったビジョンが見えなかったんですね。しかし医学部であれば、大学で勉強したことが社会でしっかり活かせると思いました。

学生生活はいかがでしたか。

 ボート部に入部したのですが、とてもハードな部活動でした。練習場所は河口湖で、観光で行けば素敵な場所なのでしょうが、部活動ではきつい思い出ばかりあります。朝の練習がある日は4時前に起きなくてはいけません。そして大学のある甲府から河口湖まで往復2時間弱かけて、皆で車に乗って行きます。練習して、大学に戻って授業を受け、授業後はまた車で河口湖に行って練習するので、大学での勉強はほとんど記憶にないです(笑)。でも、その辛さは今に活きているので、良い経験だったと思っています。

医師近影

初期研修の病院を国立病院機構水戸医療センターに決めたのはなぜですか。

 実家から一番近くにある臨床研修病院なので、5年生の夏休みに最初に見学に行ったんです。綺麗な病院で、印象が良かったです。プログラムに関しても、あまりに忙しい病院よりも少しゆとりがある方が自分のペースで勉強できそうだと思いました。私は奨学金制度を利用して大学に通っていたこともあり、待遇面も気になっていたのですが、そこも満足できるものでしたので、水戸医療センターに決めました。

初期研修を振り返って、いかがですか。

 大変な診療科を回ったときは辛かったのですが、振り返ってみると、色々なことが今に活きています。勉強になった2年間でした。

消化器内科を専攻しようと決めたのはいつですか。

 大学4年生のときです。私には複雑なものよりも見て分かりやすいものの方が良かったですし、学問的にも分かりやすく、勉強していて楽しかったんです。それで初期研修でも半年以上、消化器内科を回りました。初期研修で外科系は自分にあまり合っていないかなと感じていましたが、消化器内科を回ってみて、やはりこの科だなと思いました。

専攻医研修先として、水戸済生会総合病院の内科専門研修プログラムを選んだのはどうしてですか。

 これから働いていく中で大学病院か、市中病院かと選択するにあたり、大学病院だと医局人事であちこち異動するのは引っ越しだったり、人間関係でも大変なのかなと思い、まず市中病院に決めました。水戸済生会総合病院は若手の先生方が多く、質問や相談をしやすそうな雰囲気だったことが良かったです。ここでなら私でも研修できそうだと考え、当院を選びました。

専攻医研修はどのような内容ですか。

 基本的には午前中に上部内視鏡、午後は下部内視鏡、2週間に1回ほどの外来という内容です。内視鏡の経験をかなり豊富に積める研修内容となっています。内視鏡の件数は医師一人あたりでみると分からないのですが、総件数でみると比較的多い病院です。分からないことがあれば、指導医の先生がすぐに教えてくださいます。初めてのことも最初は「やってみて」という感じで挑戦させてくださり、私ができないことを察した先生から優しくご指導いただいています。

医師近影

専攻医研修で特に勉強になっていることを教えてください。

 内視鏡についてはもちろん勉強になっています。また、専攻医になると、主治医として患者さんに接しますが、ご家族へのICや書類作成など、診療以外の面でも学ぶべきことが多くあります。

当直の体制について、お聞かせください。

 月に3回ほどです。救急科以外の医師は基本的にウォークインの患者さんを診ます。専攻医はウォークインの責任者として、1人ないしは2人の初期研修医と一緒にウォークインの患者さんを担当します。

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

 優しい方ばかりなので、内視鏡の上達など、頑張らないといけないなと思っています。

病院に改善を望みたいことはありますか。

 3カ月単位でローテートしなくてはいけないのですが、3カ月だと回る科も絞られるので、回る期間はもう少し短くてもいいのかもしれません。でも短すぎると「お客さん」になってしまい、学ぶ内容が深まらないので、難しいですね。

初期研修医の指導にあたって、気を付けていることはありますか。

 怒っても無駄なので、修正に期待し、誉めて伸ばすようにしています(笑)。

カンファレンスはいかがですか。

 消化器内科では週に2回あります。病棟で診ている患者さんの状態や今後の方針について話したり、外来で気になる患者さんがいれば相談しています。自分の担当患者さんについてのプレゼンをするのはもちろんですが、気になっていることを上の先生方に遠慮なく聞ける場なので、有り難いです。

コメディカルのスタッフとのコミュニケーションはいかがですか。

 看護師さんをはじめ、皆さんのお名前を覚えることが苦手なので、苦労しているところです(笑)。それでも医療ミスがないように、しっかり伝えるようにしています。

何か失敗談はありますか。

 私は初期研修ではほかの病院にいたので、病院によってルールが違うことに戸惑い、失敗したこともありました。

専攻医研修と初期研修の違いはどんなところにありますか。

 できることが広がります。いえ、広がるというより広げなくてはいけません。患者さんを自分で診ないといけないので、仕事に対して責任感が湧きます。指導医の先生に尋ねることもありますが、自分で色々と決めて、方針を立てて診療するというのは初期研修よりも楽しいです。

研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

 消化器内科の専攻医の同期は1カ月前までいましたし、ほかの内科にも同期がいます。ほかの内科の同期には専攻医研修のレポートの相談をしたり、よくコミュニケーションを取っています。

今後のご予定をお聞かせください。

 あまり大それた目標はありません。早く一人前になりたいです。東京に行こうといった野心もありません(笑)。水戸で働ければいいなと思っています。

現在の臨床研修制度について、ご意見をお願いします。

 色々な科を回らせればいいという考え方があるのかもしれませんが、あまり身になっていないと感じています。私の1年下の人たちは選択期間が減っているようですし、効率的な研修になっていないかもしれません。

専門医制度についてもご意見をお願いします。

 レポートの個数が多すぎることから、内科離れが進んでいると聞きますし、私自身も実感しています。さすがに、この要件は厳しいと感じています。

これから専攻医研修の病院を選ぶ初期研修医にメッセージをお願いします。

 大学病院で専攻医研修をする方は医局人事などもあるので、病院選びをしにくい環境になるのでしょうが、市中病院を選ばれる方は若手医師の層の厚さを重視されることをお勧めします。専攻医が多い病院であっても、その上の世代がおらず、自分のすぐ上の先生が卒後15年目だったり、50代、60代だと何をするにも相談しづらいです。当院は若く、フットワークの軽い先生方が揃っていて、それが当院を選んで良かったことの一つでもあります。若い指導医の先生だとフランクに質問できますし、プライベートなことも含めて話しやすいです。

医師近影

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