初期研修インタビュー

2022-06-01

坂総合病院(宮城県) 初期研修医 上原新平先生 (2022年)

坂総合病院(宮城県)の初期研修医、上原新平先生に、病院の特徴や研修プログラムについてなど、様々なエピソードをお伺いしました。この内容は2022年に収録したものです。

公益財団法人宮城厚生協会 坂総合病院

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病院URL:https://www.m-kousei.com/saka/

上原先生の近影

名前 上原 新平
出身地・出身大学 / 医師免許取得年度 東京都西多摩郡瑞穂町・ 秋田大学 / 2021年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

高校生の頃、同居していた祖母が病気になったことがきっかけです。祖母と暮らしているうちに、病気の人を助けたいと思うようになり、医師を目指しました。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

卓球部に入り、部活動を頑張っていましたが、やはり医学の勉強に追われていたことの方が思い出に残っています。留年率の低い大学だったのですが、勉強自体は大変でしたね。

大学卒業後、研修先を坂総合病院に決めた理由をお聞かせください。

プログラムの内容も良かったですし、初期研修医が前に出て診療させていただけることに惹かれて、坂総合病院に決めました。

坂総合病院に最初に見学に来られたときの印象はいかがでしたか。

5年生のときに初めて見学に来ました。中規模ぐらいの病床数の病院だからか、医師と看護師など、スタッフ同士の距離感が近く、楽しそうに働いていらっしゃるところが印象に残りました。初期研修医も生き生きと働いていて、見学での印象は病院選びの決め手になりましたね。病院見学には3カ所ぐらいしか行っていないのですが、すぐ当院に決めました(笑)。

坂総合病院での初期研修はイメージ通りですか。

イメージ通りのところもありますが、研修医が中心となって診療させていただいているのはイメージ以上でした。当院はチーム制ではなく、主治医が置かれる体制ですので、どうしても研修医のところに色々な連絡が来ます。研修医が中心となる場面は本当に多いです。

プログラムの特徴はどんな点でしょうか。

1年目に循環器、消化器、呼吸器といった内科を3カ月ずつ回ることです。それで1年目がほぼ終わるので、1年間で内科を重点的に固めていきます。また、ER型救急医療も特徴です。救急科を回っていないうちから、月に1、2回程度の救急当番があります。もちろん救急科の専門医の先生のバックアップがありますが、ファーストタッチから最後まで初期研修医が対応し、救急科の先生に相談しながら方針などを決めていきます。

プログラムの自由度は高いですか。

内科を重点的に回るプログラムですので、選択期間が2カ月になってしまう点で他院よりも自由度は低いと思います。選択期間が2カ月なので、悩んでいる科やマイナー科を3科以上選択して回ることはできませんが、興味のある科を回ることはできますし、そこまで不自由ではありません。

院外での研修はどのようなところに行けるのですか。

地域医療や精神科の研修は外部の病院ですし、選択期間に外部の病院や診療所に行くこともできます。1年目は内科ですので、2年目になってからですね。私は地域医療では当院と同じ法人の泉病院、精神科は2病院から選べるので、緑ヶ丘病院に行く予定です。

どのような姿勢で初期研修に取り組んでいらっしゃいますか。

研修医が中心となって診療させていただける以上は上の先生よりも先に患者さんの異変を見つけたいと思っています。それで対応などを考えたうえで上の先生に報告し、その都度、治療方針を変えていきたいです。今は自分でできるだけ多くのことを診られるようにするということを心がけています。

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

相談に行くたびに、親切に教えてくださいます。どの科を回っても、不安なことがなく、とても研修しやすい環境です。

坂総合病院での初期研修で勉強になっていることはどんなことでしょう。

全部です(笑)。一つの科を3カ月回っていくうちに、自分ができるようになっていくことと、どうしても専門医でないとできないことがあることが分かってきました。上の先生方との実力の差が大きいことも思い知りましたし、一方で研修医ならここまではできるのだというところに取り組むことが勉強になっています。

何か失敗談はありますか。

当院は主治医制ではありますが、研修医に任される内容の強弱は科によって多少の違いがあります。「全部やっていいよ」という感じの科を回っていたとき、ある患者さんに「ほかの病院に変わりたい」と言われたことがありました。キャラクター的にも難しい患者さんでしたが、何とか退院まで持っていけたものの、最後に病棟でトラブルがあり、結局は離れていかれました。前日まで普通に過ごせていたのに、何か一つあるだけで変わってしまわれたことで、診療の難しさを改めて感じました。その患者さんのことを本当に真剣に考えていただけに、今も印象に残っている失敗談です。

上原先生の写真

当直の体制について、お聞かせください。

月に2回から4回あります。当直はウォークインと救急車に分かれていて、初期研修医は基本的にはウォークインに入ります。ウォークインに初期研修医1人、救急車に指導医1人という体制で、救急車を対応する指導医は初期研修医の相談役でもあります。初期研修2年目からは希望すれば、上の先生がいる形での救急車対応も可能です。1年目でも希望すればウォークインを対応しながら救急車対応もさせていただけますが、上の先生が必ずバックアップしてくださいます。2年目の初期研修医が救急車対応をしていることもあるので、そういう場合は3人体制となります。

当直では、どんなことが勉強になっていますか。

ウォークイン対応を一人でするので、緊張もしますし、大変なところもあります。まだ2年目に入ったところですので、ウォークイン中心ですが、症状が悪くなりきっていない方や微妙な不定愁訴がおありの方など、そういう方々を含めて、本当に異常がある方をきちんと見極める能力を培っていきたいと思っています。

カンファレンスの雰囲気はいかがですか。

呼吸器科では木曜日の午前中から午後に差しかかるぐらいまでの時間を使って、カンファレンスをしています。初期研修医の患者さんについてのカンファレンスなので、私たちの勉強のためだけに時間を使って開いてくださっているような感じです。そこで、どういう治療方針にするのかをしっかり質問されるので、とても勉強になりました。

コメディカルの方たちとのコミュニケーションはいかがですか。

中規模の病院なので、コメディカルスタッフとの距離が近いです。コメディカルスタッフの方々の意見を聞いたり、教えていただきながら仕事ができています。コメディカルスタッフの方々から意見を言われることも多いですし、こちらからも質問しやすいので、円滑なコミュニケーションが取れていると実感しています。

研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

仲良くやっていますし、良好です。でも忙しいので、皆で時間を合わせることが難しいですね(笑)。同期は男性5人、女性2人の7人です。研修医室もあり、初期研修医全員と一部の若手医師が使っています。

寮もありますか。

寮はありません。病院から呼ばれることもあるので、皆が病院に近いところに物件を借りて住んでいます。物件も病院が提示してくださった中から選んだので、物件探しにこまることはありませんでした。家賃補助もあります。

今後のご予定をお聞かせください。

まだ決まっておらず、内科か外科で迷っている状況です(笑)。専攻する科を決めてから、専攻医研修をする病院を決めることになりますね。2年目は産婦人科、救急、小児科、外科、精神科などの必修とされている残りの科を中心に回りますが、必修での外科に加えて、選択期間も外科を選択しようかなと考えています。

ご趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。

コロナ禍で外出できないので、趣味と言えばネットフリックスなどのサブスクリプションで映画を見るぐらいです。映画はもともと好きで、大学生の頃もよく見ていました。最近では「スパイダーマン」の新作が面白かったです。

現在の臨床研修制度に関して、ご意見をお願いします。

私が初期研修を始めるにあたって、将来の診療科がはっきり決まっていたわけではありませんでしたので、色々な科をローテートしながら、それぞれの科の何となくの雰囲気をつかめたのは医師として良い経験になりました。

最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

どの病院でも色々な良い話を聞けるので、医学生の皆さんは迷ってしまうこともあるかと思いますが、しっかり見学に行って、自分がいいと感じた病院できちんと研修できれば、必ず力がつくはずです。そのあたりは何も心配しなくても大丈夫です。良ければ、当院に来てください(笑)。春休みは大勢の方が見学に来てくださいました。今後は新型コロナウイルスの感染状況次第になりますが、状況が許す限りは見学を受け付けていますので、皆さんの見学をお待ちしています。

上原先生の写真

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