専門研修インタビュー

2022-11-01

千葉県がんセンター(千葉県) 専攻医 關口光太郎先生(放射線科) (2022年)

千葉県がんセンター(千葉県)の専攻医、關口光太郎先生(放射線科)に、病院の特徴や研修プログラムについてなど、様々なエピソードをお伺いしました。この内容は2022年に収録したものです。

千葉県がんセンター

〒260-8717
千葉県千葉市中央区仁戸名町666-2
TEL:043-264-5431
FAX:043-262-8680
病院URL:https://www.pref.chiba.lg.jp/gan/index.html

關口先生の近影

名前 關口 光太郎 専攻医
出身 千葉県大網白里市
出身大学 岐阜大学
医師免許取得年度 2017年
初期研修施設 千葉県立病院群
専攻医研修 放射線科

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

ほかの先生方のような立派な動機はなく、高校で理系のクラスにいたこと、将来は人のためになる仕事に就きたいと思っていたことがきっかけで、医学部を目指し始めました。

学生生活はいかがでしたか。

初めての一人暮らしでしたが、家事などは1カ月で慣れました。千葉も自然豊かですが、岐阜も同様で、とても良いところでしたね。大学3年生まで塾講師のアルバイトをして、そこで貯めたお金でロードバイクを買ったんです。それで色々なところに出かけるようになり、自転車のレースに出たり、長い休みにはツーリングに行ったりして、のめり込んでいました(笑)。

初期研修の病院を千葉県立病院群に決めたのはなぜですか。

千葉県出身なので、千葉県内の病院で探していました。千葉県立病院群は出身大学に関係なく採用していましたし、千葉県がんセンターだけでなく、千葉県循環器病センターや千葉県立佐原病院など、色々な病院を回れることが魅力的だったので選びました。

放射線科をいつから志望されていたのですか。

初期研修2年目の中頃です。私は急変対応が多い診療科よりも、自分で答えを考えて出す科の方が向いているのかなと思っていました。そこで放射線診断を専門にしていこうと決めました。

初期研修が始まってからはイメージ通りでしたか。

イメージ通りでしたし、色々な経験が今も役に立っていると思います。

初期研修を振り返って、いかがですか。

本当に勉強になりました。千葉県救急医療センターは三次救急で、時間の経過が早く、早く動かないといけないので、私にとっては辛い面もありましたが、それも良い経験になりました。また千葉県立佐原病院には2カ月ほど回ったのですが、主治医になることができました。ほかの病院では主治医になることがなかったので、佐原病院で主治医として仕事をさせていただいて、自分で色々なことを決めることができたので、今に繋がる経験ができました。

専攻医研修先として、千葉県がんセンターを選ばれたのはどうしてですか。

初期研修2年目に画像診断部をローテートさせていただいたので、3年目以降の専攻医研修をイメージしやすかったことが大きいです。顔見知りの先輩の先生方もいらっしゃいましたので、千葉県がんセンターに決めました。

現在はどのような専攻医研修をなさっているのですか。

画像診断、読影業務、血管造影の処置などをしています。主に行っているのがCVポート作成です。

専攻医研修で特に勉強になっていることを教えてください。

毎日が勉強です(笑)。診断のレポートを書いたり、手技に参加して経験を積んでいますが、上級医に実際に見ていただくことで、自分で気づかなかった問題点や課題を見つけられますので、さらに勉強するべきことが増えていく毎日です。

専攻医研修で遣り甲斐を感じるのはどのようなときですか。

以前と比べると、手技にしても自分一人で完遂することができるようになりましたし、診断のレポートにしても、どういうことを書くべきか、ポイントを絞って書けるようになったことに成長したなと実感しています。

専攻医研修で辛いことはどのようなことですか。

私の学年から新専門医制度が始まり、専門研修が日本専門医機構認定に変わりました。私は当院では初めての専攻医なんです。そのため、専門医試験を受験するにあたり、求められる疾患、検査、処置の症例数が先輩方とは異なっており、論文の執筆も必須になったので、システムの違いに戸惑いがあったことが辛かったです。でも部長の先生をはじめ、上級医の先生方にご指導いただき、何とか受験資格を得られて、専門医試験に合格することができました。

既に専門医をお持ちなのですね。

放射線科専門医を取得しています。放射線科の場合は放射線科専門医を取得したあとに、放射線診断専門医と放射線治療専門医というサブスペシャリティがあり、私は放射線診断専門医を目指しています。放射線診断専門医は最短で2年後に試験があります。放射線科の場合はサブスペシャリティまで含めると、最短で5年間が必要なので、来年度も当院で研修を続けます。

サブスペシャリティに放射線診断を選ばれたのはどうしてですか。

放射線科を選んだ段階で、自分で考えて答えを出すことに惹かれていたので、そのときから放射線診断にしようと思っていました。私の学年からサブスペシャリティも日本専門医機構の認定になりますので、先輩方とは論文執筆などの学術活動に違いがあります。私の場合、最初の基本領域である放射線科専門医取得の際に色々なものがぎりぎりになったので、今は最後に焦らないように着実に進めるための準備をしています。

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

丁寧にご指導いただいています。指導医というよりも、5年から8年ぐらい上の先輩の先生方に実践的にご指導いただく機会が多いです。

カンファレンスはいかがですか。

私は食道カンファレンスを担当させていただいています。主に食道がんの診断や治療に関わるカンファレンスですが、提示された症例の画像を読んで、診断や所見について、簡潔かつ的確に述べないといけません。治療方針に関わる業務なので、緊張感がありますね。慣れるまでは部長の先生についていただいていましたが、今は一人で担当しています。

初期研修医の指導はどのようにしていらっしゃいますか。

初期研修医には実際の症例を読んでもらっています。過去の症例を読んで、勉強してもらい、それについての質問があったときに答えています。

コメディカルのスタッフとのコミュニケーションはいかがですか。

検査科の看護師さんや診療放射線技師さんと関わることが多いです。仕事をお願いしやすいですし、コミュニケーションは良好でスムーズです。

今後のご予定をお聞かせください。

今は放射線診断専門医の取得が目標です。ただ、専門医を取得しても、そこで一人前というわけではないので、これからも当院で画像診断やIVR、血管造影の研鑽を続けていきたいと考えています。

専門医制度についてのご意見をお願いします。

アナウンスをもう少し明確にしてほしかったです。この制度が始まった当初は経験すべき症例や学術活動に関して、そこまで強くアナウンスされておらず、専門医機構のサイトを見ても分からない点が多かったんです。最初だから仕方なかったのかもしれないですし、大きな混乱もなかったと思いますが、当面は戸惑いが続きそうな気がしています。

専攻医研修の病院を選ぶ初期研修医にメッセージをお願いします。

文字だけでは伝わらない部分もありますので、是非、見学にいらしてください。見学は随時、お受けしています。最近はよく初期研修医の方に来ていただいていますが、来ていただかないと言えないような裏事情などをお話ししています(笑)。

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