北九州市立八幡病院
〒805-8534
福岡県北九州市八幡東区尾倉2-6-2
TEL:093-662-6565
FAX:093-662-1796
病院URL:https://www.kitakyu-cho.jp/yahata/
名前 福島 創
出身地・出身大学 / 医師免許取得年度 福岡県北九州市・ 佐賀大学 / 2022年
医師を目指したきっかけをお聞かせください。
中学生のときに友人が亡くなったことがきっかけです。
同じキリスト教のご家庭だったのですが、葬儀に出席しました。高齢者などの葬儀は何度も見たことがありましたが、子どもの葬儀は見たことがなく、子どもの死を間近に見たことで、少し考えるものがあり、医療関係の仕事を目指し始めました。
その中で医師を選んだのは勉強するうちに手応えがあったからです。そのため、最初は精神科医や小児科医になりたいと思っていました。
学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。
私は中学から大学までバスケットボールを続けました。
バスケットボールを始めたきっかけは身長が伸びるのが早く、小学5年生のときに175cmあったことです。大学での部活動は3年生の夏の終わりから4年生の夏までが幹部学年で、私は会計係でしたが、部活動に打ち込もうとしていたときにコロナ禍が始まってしまいました。しかし、最後の大会では強豪チーム相手に勝ち進むことができましたし、いいチームメイトに恵まれました。
私は背が高いので、中学のときからセンターを務めていましたが、周りの身長の伸びに追いつけず、結果的に器用貧乏な役割となってしまいました(笑)。
大学では中高とは違って、顧問がいないので、プレーをしながらマネジメントもするのがストレスでした。それで、試合に出たい気持ちを抑えて、試合には出ずに采配をしていました。
大学卒業後、研修先を北九州市立八幡病院に決めた理由をお聞かせください。
私は小児科を視野に入れていたので、小児科が有名な当院に5年生のときに見学に来ました。その後、学生実習などを通して、整形外科を目指すようになったので、2回目の見学では整形外科を見せていただきました。
私は北九州市出身なので、北九州市近辺の病院を探していたのですが、コロナ禍で見学ができない中、将来は北九州市近辺で働きたいという話を聞いてくださったり、当院の整形外科が産業医科大学の系列で、整形外科の先生方は産業医大の医局長などをされてきた方々だという話を伺ったりしたことで、当院に決めました。
見学での印象はいかがでしたか。
建物が新しく建て変わっていて、綺麗な病院だなというのが第一印象でした。
350床中100床ほどが小児科で、入ってすぐに小児科のスペースがあり、ほかの外来や受付、会計は2階に上がったところにあるのを見て、本当に小児科に特化した病院なのだと驚きました。
北九州市立八幡病院での初期研修はイメージ通りですか。
整形外科医になると迷わずに決めてから初期研修医になったので、1年目では整形外科を一切回らず、必修科目を全て終わらせ、2年目に半年ほどかけて整形外科を回る予定でいます。
研修内容に関しては特にイメージを抱いていなかったので、その差などもありません。
当院を選ぶうえでのネックだったのは研修医の定員が2人で、先輩を入れても4人しかいないことでした。
しかし実際は中断者の受け入れに積極的な病院なので、上に4人、下に3人いて、2022年度はさらに2人増えて、結局9人います。想定していたのは2学年で4人でしたので、賑やかになり、イメージ以上になりました。
小児科が有名な病院なので、ほかの病院から小児科の研修に来てくださったり、救急の研修に来てくださる人も多く、嬉しいです。
今はどちらの診療科をローテートされているのですか。
今は外科を回っていますが、基本的にはオンコールや休日の急な呼び出しもありません。希望すれば呼んでいただくことはできますが、強制的ではありません。
外科では本当に楽しいところ、好きなところだけを研修させていただいていますが、私は整形外科に進む予定なので、手術が一番興味のある分野です。タイミングが合えば、入れそうな手術には全て入り、時には虫垂炎などの執刀をさせていただくこともあります。
外科の必修期間は1カ月ですが、やはり興味があるので、選択を減らし、外科を2カ月にしていただきました。救急を回ったときに外科の先生にお世話になったので、外科を増やしたいとお願いしたら、臨機応変に対応していただけました。
初期研修で印象に残っているのはどのようなことですか。
最近の出来事なのですが、外科で突然、虫垂炎の手術をさせていただくことになりました。
執刀医の先生、助手の先生と研修医の私で入るのですが、お二人ともベテランで、執刀医の譲り合いをされた結果、私が指名されたので驚きました。とても緊張して、手が震えてしまいましたね。見たことがある手術でしたし、流れも把握していたのですが、自分がするとなると、メスで一つ切るにしても、してみないと加減も分かりません。ベテランの先生方、麻酔科の先生、看護師さんがいらっしゃる中、本当に私がしていいものなのかと思いましたが、色々な指導も受けました。
良かったのはオペレコの書き方を教わったことです。手術後は必ずオペレコという手術記録を書きますが、文字で書いたり、絵を描いたりといった書き方を学べたので、今後すべきことに繋がる有り難い経験になりました。
指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。
医学的なことも詳しく、優しく教えていただいています。
中断者を多く受け入れている病院だからか、研修医に対しても配慮がある病院だなと感じています。仲良くなった先生から私なら大丈夫だと思われたときは強く、厳しいご指導をいただけることもあります。中断者に対しては強い言い方のあとで配慮された言い方をされているので、手厚さがありますし、研修をしやすい環境です。
北九州市立八幡病院での初期研修で勉強になっていることはどんなことでしょう。
私は入職後の4月からの3カ月、救急を回りました。この3カ月間に救急科だけでなく、外科や内科の先生方と話す機会があり、仲良くしていただいて、面倒を見ていただきながら、ファーストタッチを学べたことが大きかったです。
最初に救急を回ったお蔭で、どの科を回っても顔見知りで、話したことのある先生方ばかりなので、どの科にも入りやすく、分からないことやコンサルトの際も相談しやすいです。研修医が少ない分、経験させていだけることが多くあり、ほかの人と分担せずに一人でできるのはいいですね。
逆に難しいことはどのようなことですか。
1つの科を2人の研修医で回ることはないので、ほかの研修医がどんなことをしているのか、どう動いているのかが分からないことです。
大学病院のように数十人の研修医がいるところであれば、それぞれが比較し合って切磋琢磨できますが、当院では自分と同じレベルの人と仕事をする機会がないので、研修医の平均と比べ、どの程度の仕事ができているのかという評価ができないことに難しさを感じます。
当院は良くも悪くもやる気を出さないと、何もしないまま2年間を終えてしまう病院だと思います。でも友人と話してみると、強制的なシステムの中で研修している人でも自分がどうしたいのかが分からず、漠然とした不安がある人もいるようです。
当直の体制について、お聞かせください。
基本的には上の先生につくことが多いです。
慣れてきて、先生と顔見知りになってきたら、頼まれることが増えてきます。とても相談しやすい環境ですね。
例えば、救急の入電を受けても、入院させていいのかなどの確認を病院内で取ってから対応するので、先生方が事前に認知している状態ですから、相談なども気が楽です。受けるか、受けないかの判断も上の先生の判断を仰げるので、仕事しやすいです。
カンファレンスの雰囲気はいかがですか。
科によりますが、救急科は毎週木曜日に1週間で一番印象に残った仕事に関して、救急科で今後どのように対応していくかを自分で勉強する勉強会があります。内科は受け持った新規患者さんの発表をするカンファレンスが週に1回あります。どこの科もほぼ週1回の発表をしていますが、小児科は毎日朝と夕方にカンファレンスをしています。
研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。
研修室があるので、上の先生を気にせず、話せる環境です。上の先生には話しにくい内容も話せますし、完全に個室なのが大きいです。
仲のいい人とはプライベートで食事に行ったりします。研修医全体では何かするのは数回あるくらいで、学年ごとの雰囲気によると思います。
今後のご予定をお聞かせください。
これから内科2カ月と地域医療1カ月の必修科目が残っています。
2年目は9カ月ほど選択できるので、整形外科医になることを前提に、整形外科の先生と相談のうえ、整形外科を半年回り、形成外科を3カ月、神経の勉強のために麻酔科を2カ月回る予定です。
3年目以降、整形外科のどういう分野を専門にしていきたいのかなどはまだ分からないのですが、歩きたいけれども歩けない人を歩けるようにしたり、動けるようになりたいけれども怪我の影響で動けない人を治すことに協力するといった、元気になりたい方の手伝いをすることにモチベーションを高めていきたいと思っています。
オンオフはしっかり切り替えられていますか。
当直は17時から朝の8時まであります。
定員が4人で、研修医は1人いる状態にすると回っていかないのですが、基本的には当直の回数は自由で、最低で2回、最大5回までです。
私は4回から5回で、自由に入らせてもらえます。研修医は1日につき1回までしか入ることができず、空いた日に話し合って決めています。毎月絶対に土日に入らないといけないなどの決まりはなく、帰る時間なども決めることができます。オンコールもあまりないので、オフの日はしっかりと休むことができています。
最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。
病院や診療科の雰囲気、専攻医の先生方は医局人事などにより、1年や2年のスパンで変わってしまいます。初期研修が始まったときに目当ての先生がいるとは限りません。6年生で見学するとなると、自分が初期研修をするときに絶対にいるのは1年目の初期研修医だけです。5年生で見学しても、本当に行きたい病院なら6年生のときにもう一度見学に行くことをお勧めします。そこに仮に入職すれば、1年目の初期研修医がすぐ上の先輩になり、一緒に働くことになるので、その人たちを見に行くというのはとても大切です。どこの病院にも一長一短ありますし、絶対に変わらないであろう人たちを見ておきましょう。