専門研修インタビュー

2023-07-01

和歌山県立医科大学附属病院(和歌山県) 専攻医 高橋京香先生(産科・婦人科) (2023年)

和歌山県立医科大学附属病院(和歌山県) の専攻医、高橋京香先生(産科・婦人科)に、病院の特徴や研修プログラムについてなど、様々なエピソードをお伺いしました。この内容は2023年に収録したものです。

和歌山県立医科大学附属病院

〒641-8510
和歌山県和歌山市紀三井寺811-1
TEL:073-447-2300
FAX:073-441-0713
病院URL:https://www.wakayama-med.ac.jp/hospital/

高橋先生の写真

名前 高橋 京香(きょうか) 専攻医
出身 和歌山県有田郡湯浅町
出身大学 関西医科大学
医師免許取得年度 2021年
初期研修施設 和歌山県立医科大学附属病院
専攻医研修 産科・婦人科

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

 大層な理由はありません(笑)。私の地元である有田で産婦人科医が減ってきたという話から、親が「誰かに産婦人科医になってほしいなあ」と言っていたので、それなら私がなろうと思い、医師を目指しました。

学生生活はいかがでしたか。

 水泳部に入っていました。小さいときから水泳をしていて、高校でもスイミングスクールに通っていたので、大学もその延長で水泳部に入部したんです。練習シーズンは年に3、4カ月しかないので、シーズンでないときは同期と旅行に行ったり、遊びに行ったりしていました。

初期研修先を和歌山県立医科大学附属病院に決めたのはなぜですか。

 和歌山県出身なので、地元の医大はどのような病院なのだろうと見学に行ったことがきっかけです。母校の関西医科大学の附属病院は5、6年生のときのポリクリで回っていて、雰囲気を分かっていたのですが、地元の医大も気になり、見学に行ってみると、とても良かったので、和歌山県立医科大学附属病院に決めました。

専攻を産婦人科に決められたのはいつですか。

 医師を目指したきっかけは産婦人科医になることでもありましたが、初期研修の間に興味のある科があれば、その科でもいいなとは思っていました。産婦人科に決めたのは初期研修2年目になってからです。産婦人科は産科もあれば、婦人科もあり、手術や病棟、化学療法などもあるので、その幅広さに惹かれました。

初期研修を振り返って、いかがですか。

 当院の初期研修では最大で1年ほど外の病院を回ることができます。私も橋本市民病院や海南市民病院、新宮市立医療センターなどの総合診療科や産婦人科に行きましたし、地域医療研修では奄美大島の大島郡医師会病院にも行くことができました。大島郡医師会病院ではリハビリを中心に、訪問診療なども含めて学ぶことができ、楽しかったです。2年目で産婦人科を専攻すると決めてからは当院の麻酔科やNICU、那賀病院の外科など、産婦人科に関連する診療科を回らせていただき、有意義な2年間だったと思います。

専攻医研修先を和歌山県立医科大学附属病院に決められたのはどうしてですか。

 母校の大学病院や初期研修での候補でもあった大阪の市中病院とも迷ったのですが、当院に決めたのは症例の豊富さが魅力的だったからです。大学病院は市中病院にはあまりないような珍しい症例が来ますし、市中病院は重症の患者さんを大学病院に送ったりしますが、大学病院は送られてくる側なので、産科であれば最後の分娩などまで診ることができます。婦人科でも当院の外来でフォローしたり、最後まで長く診られるのがいいなと思い、当院を選びました。

専攻医1年目の現在はどのような専攻医研修をなさっているのですか。

 月曜日と木曜日は手術に入っています。火曜日は病棟にいますが、救急の患者さんがいらしたらファーストタッチをして、どういう検査をするといいのかなどを上の先生と一緒に考えます。また病棟で妊婦さんの身体所見やバイタルに変化があったら、何を考えて、どんな検査や、治療をするのか、どういう原因が考えられるのかなどを検討するような業務をしています。水曜日は他院からの紹介患者さんの問診です。経緯などを伺ったあとで、指導医の先生がエコーをされるのを見学しています。金曜日は教授の外来を見学し、カルテ業務などをお手伝いしています。

専攻医研修で特に勉強になっていることを教えてください。

 勉強になっていることしかありません(笑)。一つや二つに絞ることは難しいですね。今は妊婦さんが受診にいらしたときにどのような検査をするのか、お腹が張ったり、血圧が上がってくるなどの変化があったらどうするのかといった初歩的なことを一から教わっている状況です。

専攻医研修で遣り甲斐を感じるのはどのようなときですか。

 手術で、最初は助手だったのが前立ちになったり、お腹を開けさせていただいたりと、少しずつレベルアップしていることが楽しいし、遣り甲斐になっています。妊婦さんの診察を指導医の先生と一緒にさせていただいたあとでエコー検査をして、「これなら順調に進んでいるな」と分かるようになったことも嬉しいのですが、それを妊婦さんに伝えると喜んでくださるし、安心していただけることも遣り甲斐を感じますし、達成感もあります。

専攻医研修で辛いことはどのようなことですか。

 自分の目の前で急変した患者さんに対し、何もできないと辛いです

高橋先生の写真

当直の体制をお聞かせください。

 月に6、7回ほどです。体制は指導医と専攻医の2人で、帝王切開などになると、さらに待機の先生を呼びます。

当直で勉強になっているのはどのようなことですか。

 普段は自分の患者さんを診ることがメインなので、夜間などに状態が変わるとどうするべきか、救急外来にいらした患者さんにどういう鑑別を挙げて、どういう検査をして、どう治療していくかを考えることは勉強になっています。

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

 とても丁寧で、知らないことだらけの私に優しく一から教えてくださっています。

カンファレンスはいかがですか。

 産科、婦人科、手術など、カンファレンスの数は多いです。専攻医が自分の患者さんについて、また手術前、手術後の患者さんについて発表しますが、雰囲気は和やかです。これで完璧かなと思いながら発表しても、上の先生方が気になったことを「これはどうなったの」などと質問してくださるので、「そこも大事なポイントだったんだな」と学ぶことも多くあります。

初期研修医の指導はどのようにしていらっしゃいますか。

 専攻医になって、まだ2カ月ですので、まだ私の下に初期研修医がつくという経験をしていないです。

病院に改善を望みたいことはありますか。

 今は特に思いつくことはありません。

コメディカルのスタッフとのコミュニケーションはいかがですか。

 個人的にはかなりコミュニケーションを取っていると思います。私だけでなく、周りの先生方もコメディカルスタッフの方々とよく楽しそうにお話をされていますね。

専攻医同士のコミュニケーションはいかがですか。

 同期は4人いて、当院内には私を含めて2人います。同期と院内で会ったときには「こういう仕事をしているよ」「こんなことができるようになったよ」という話もしますし、「今、当直明けでしんどいわ」という話もするので、癒やしにもなるし、高め合えています。「そっちはそんなことができているんだ」「こんな本がいいんだね」と、いい刺激になっています。

今後のご予定をお聞かせください。

 産科に進むのか、婦人科に進むのかなどもまだ考えていません。専門医を取ることが現時点での目標ですが、この1年の目標としては市中病院で一人当直になったときに困らないような判断や診察ができるようになること、帝王切開の手術ができるようになることです。

専門医制度についてのご意見をお願いします。

 私が初期研修医になったときから新しい専門医制度に乗ることは分かっていたので、この制度についての不満はありません。

専攻医研修の病院を選ぶ初期研修医にメッセージをお願いします。

 当院は大学病院ですので、市中病院で管理が難しい症例を診たり、当院にいらした患者さんを最後まで診ることができることが良いところだと思います。当院は和歌山県で唯一の大学病院ですので、症例も集まってきます。皆さんが当院の産婦人科で専攻医研修をされることを楽しみに待っています。宜しくお願いします。

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