専門研修インタビュー

2024-02-01

大阪市立総合医療センター(大阪府) 指導医(専門研修) 関 由季(ゆき)先生 (2024年)

大阪市立総合医療センター(大阪府) の指導医、関 由季(ゆき)先生に、病院の特徴や研修プログラムについてなど、様々なエピソードをお伺いしました。この内容は2024年に収録したものです。

大阪市立総合医療センター

〒534-0021
大阪府大阪市都島区都島本通2-13-22
TEL:06-6929-1221
FAX:06-6929-1090
病院URL:https://www.osakacity-hp.or.jp/ocgh/

関先生の近影

名前 関 由季(ゆき)
大阪市立総合医療センター 消化器外科 シニアレジデント 指導医

職歴経歴 1983年に和歌山県和歌山市に生まれる。2013年に大阪市立大学(現 大阪公立大学)を卒業後、新宮市立医療センターで初期研修を行う。2015年に大阪市立大学腫瘍外科に入局し、大阪市立大学医学部附属病院(現 大阪公立大学医学部附属病院)で初期研究医となる。2016年に住友病院外科研修医、2018年に十三市民病院外科シニアレジデントを経て、2018年に大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科に入学する。2021年に行岡病院外科医員となる。2022年に大阪市立大学大学院を修了し、大阪市立総合医療センター消化器外科にシニアレジデントとして勤務する。
資格 日本外科学会専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、Certificate of da Vinci As a First Assistant (ロボット手術)など。

大阪市立総合医療センターの特徴をお聞かせください。

 大阪市立総合医療センターはJR大阪環状線の桜ノ宮駅、Osaka Metro谷町線の都島駅近くに立地しており、1063床を有する、大阪市内では最大規模の病院です。大学病院に準じる先進ハイレベルな診療を行い、救急も積極的に受け入れていますし、緊急手術やコモンディジーズにも日常的に対応しています。院内の雰囲気も良く、他科との連携が取りやすいため、複雑な病態の患者さんへの対応もスムーズです。

関先生がいらっしゃる消化器外科の特徴もお聞かせください。

 当院の消化器外科は消化器センターとして、消化器外科、消化器内科、肝胆膵外科、肝胆膵内科の4診療科が緊密に連携して、様々な消化器疾患に対し、当院全体の特徴同様に、大学病院に準じるレベルで診療にあたっています。消化器外科では食道から大腸までの消化管疾患を主に取り扱っているのですが、消化器がんに対する手術が多く、地域がん診療連携拠点病院に指定されています。全ての領域に専門医が在籍しているため、初期治療、再発時治療、緩和治療など、患者さんの状態に応じた治療を専門医が行っています。

大阪市立総合医療センターの外科専門研修プログラムの特徴をお聞かせください。

 外科専門医を取得するための症例を確実に得ることができます。他施設での研修もあり、様々な症例にあたる機会に恵まれています。

大阪市立総合医療センターの外科で専門研修をされた先生方はどのようなキャリアアップをされていますか。

 当院のプログラムでは外科の基本を学べますし、将来、進む科以外の手術への理解が深まりますので、様々なキャリアアップが可能です。

カンファレンスについて、お聞かせください。

 手術に関するカンファレンス、グループごとのカンファレンス、消化器内科や放射線科などの他科の先生方との合同カンファレンスなどがあり、症例の検討を行っています。

専攻医も発言の機会が多いですか。

 専攻医が比較的入りやすく、疑問に思ったことはすぐに聞けるような雰囲気を作っていますので、発言の機会は多いですね。

女性医師の働きやすさに関してはいかがでしょうか。

 当院は産前産後休暇や育児休暇などがしっかり保障されていますし、働きやすいと思います。特に消化器外科は医師が多く、十分にカバーし合える人数がいますので、お子さんが熱を出したというようなときでも休める体制が整っています。

先生はいつから消化器外科を目指していたのですか。

 大学5年生のときからです。腸管の手術が興味深かったですし、がんへの対応ができること、人に食事をしてもらい、排泄するという基本的な生理現象を手助けできると思い、消化器外科を選びました。

関先生の写真

新宮市立医療センターで初期研修をされたのはどうしてですか。

 地域医療を総合的に研修したかったこともありますが、初期研修医が少ないところで自分の好きなように研修したかったという気持ちもありました(笑)。

初期研修の思い出をお聞かせください。

 初期研修医が少ない病院だったので、どの科でも多くの症例にあたることができました。どの科を回っても、まずはその科の一番下の医師として働こうというスタンスで症例にあたっていました。

後期研修は色々な病院でなさったのですね。

 そうですね。後期研修の3年間は多くの症例に出会える機会が豊富です。今の消化器外科の専攻医の動きを見ていても、卒後4年目から6年目に研修をしてから大学院に入り、そこからサブスペシャリティを選んでいく人がほとんどです。私も後期研修では消化管だけでなく、肝胆膵などの色々な症例にあたらせてもらいました。そのときの経験は今も役に立っています。卒後4年目から6年目は何でもできますし、「楽しく」と言うと語弊があるかもしれませんが、様々な科の基礎を学ぶうえでの良い期間だと思います。

大学院にも進学されたのですね。

 大学院で基礎医学を学んだことで、病態に対する理解も深まりました。学会に参加すると、外科への深まり方が全く違いますし、大学院では論文の書き方やリサーチの仕方などを全て教えていただきましたので、勉強する機会としては良いものだったと思っています。

大阪市立総合医療センターにいらしてみていかがですか。

 大阪市立総合医療センターに勤務することになった経緯は医局人事なのですが、症例が多く、最先端の治療ができるので、勉強になっています。

関先生の写真

専攻医に指導する際、心がけていらっしゃることはどんなことでしょうか。

 患者さんのためになることをアドバイスするようにしています。また、専攻医がこちらに質問できないような「気のムラ」を作らないことも心がけています。

専攻医に「これだけは言いたい」ということがあれば、お聞かせください。

 まずは患者さんに対して、一生懸命にすることです。そして、分からないことや迷うことは一人で抱え込まないことですね。

今の専攻医を見て、いかがですか。

 今の専攻医はとても優秀だと思います。今は画像などの教育コンテンツが以前に比べると多く出回っていますので、そういうものをしっかり見て、勉強しやすい環境が整備されていますが、そういう点で「よく知っているな」と感じることが多くあります。一方で、ベテラン医師のコツのような、現場でしか見られないことやできないことなどは現場で一緒に経験して、怒られたりしながら勉強していくものです。そういうところはもう少しがつがつと見て、参加してもいいのかなと思います。

現在の専門医制度について、感想をお聞かせください。

 卒後6年目ぐらいの医師には色々な経験が必要です。専門医制度の流れに乗って、経験できるものは経験してほしいですね。満遍なく学びながら、自分が興味のあるところは深く勉強して、自分が何をしていきたいのかをしっかり見極める期間にしてもらえたらなと思っています。

【動画】関先生

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