初期研修インタビュー

2024-02-01

新行橋病院(福岡県) 初期研修医 宮原拓也先生 (2024年)

新行橋病院(福岡県)の初期研修医、宮原拓也先生に、病院の特徴や研修プログラムについてなど、様々なエピソードをお伺いしました。この内容は2024年に収録したものです。

社会医療法人財団 池友会 新行橋病院

〒824-0026
福岡県行橋市道場寺1411
TEL:0930-24-8899
FAX:0930-22-0659
病院URL:http://www.shinyukuhashihospital.or.jp/

宮原先生の近影

名前 宮原 拓也 研修医
出身地・出身大学 / 医師免許取得年度 佐賀県三養基郡・福岡大学 / 2023年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

 父親が医師で、親戚にも医師が沢山いる環境で私は育ちました。なので、父親の職場にもよくあずけられたりなど、病院に触れる機会が多かったため、自然と医師を目指してみようかなとなりました。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

 学生生活は、お世辞にも真面目と言えるタイプではなかったです(笑)。部活動は、大学に入って始めたウインドサーフィンという、あまり有名ではないスポーツに打ち込みました。そのほかでは、友人らとの楽しい飲み会や、行ける範囲で旅行したことが記憶に残っています。

大学卒業後、研修先を新行橋病院に決めた理由をお聞かせください。

 5・6年生の臨床実習の際に、わたしは泌尿器科に志望を決めました。研修先は、大きくは大学病院もしくは市中病院で検討し、私は忙しくても構わないのでいろいろと経験ができて、手技をやらせてもらえるところがいいと思いました。
また、人数が多すぎるときっとだれてしまう恐れがあり、意志も弱い方なので、何かに引っ張られる環境というか、人数も10人以下程度で、少なすぎないところがいいと考えました。そんな条件に合った病院を探して、当院を実際に見学に行ったときに、雰囲気が良いと感じたので、決めました。

見学に来たときの印象はいかがでしたか。

 言語化できないほど、とても明るく職場は活気に満ちた印象でした。見学の際に、院長とお話する機会がありましたが、普通では考えられないくらいのフランクな方で、お会いしている間中、ずっと雑談しかしませんでした(笑)。こんな院長だからこその院内の雰囲気なのだろうと感じましたし、明るさがとてもいいなと感じました。

新行橋病院での初期研修はイメージ通りですか。

 そうですね。イメージした通りです。元々、ある程度忙しいのは覚悟してきた割に、最初の1・2ヶ月位までは、学生気分が抜けず、国試の勉強に机に噛り付いて、そこまで動かないままの生活から一気に、社会人としてのスケジュールになっていく中で、始まりの1ヶ月間ぐらいは本当に、ちょっと失敗したかな?!と思うほどしんどいと感じましたが、徐々に慣れるものですね。

プログラムの特徴はどんな点でしょうか。

 自由度の高さです。本当に自由にやらせて頂きます。ローテートする科目ごとに、決められた義務はほとんどありませんし、自分がしたいことを見つけてやれるような環境かなと思います。

具体的にはどんな点が自由だなと感じますか?

 例えば、患者さんのカルテを見て、その日に必要な検査を判断する際に、大学病院なら、先生についていくのが普通ですが、ここでは基本的に自分で決められます。 興味のある検査や手術があれば、主治医の先生に声をかけて、見学や参加をお願いします。先生は快く受け入れてくれますし、できることなら手伝わせてくれます。もちろん、危ないときは交代しますが、とても勉強になります。
珍しい手術など、回っている科の先生と手術をする先生の許可があれば、見に行けます。 また、救急病院なので、研修医全員に救急の連絡が入ります。空いている時間に救急車が来たら、処置室に行って、経験を積むことも可能です。

初期研修にあたって、どのような姿勢を心がけていますか。

 主体性をこころがけています。私はできるだけ手を使って何かをしたいタイプです。ただし、病棟での患者さんの管理や退院後のフォローなどは、あまり上手くできていないと思います。これは反省点です。2年目になったら、もっとそういうことにも力を入れていきたいと思います。

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

 私は指導医の先生方がとてもフランクで優しいと感じています。病院の規模が小さいからかもしれませんが、医局は診療科に分かれておらず、電子カルテのスペースも医局のすぐそばにあります。そのおかげで、普段から雑談や相談がしやすくなっています。
部長クラスの先生方も気さくに話しかけてくださり、診療の疑問点や検査の選択肢などを教えていただけます。ここで研修してそのまま勤務している先生方も多く、悩み事にも共感してくれたり、アドバイスしてくれたりします。上の先生方は本当に素晴らしいと思います。

何か失敗談はありますか。

 救急医療の現場では、検査や手技を自分で判断して行うことが多いですが、それには必ず理由があります。必要な検査かどうか、どんな病気を疑っているのか、考えなくていいことは何か、といったことを常に教えてもらっています。それでも、やらせてもらうときは、先生にお願いしてやらせてもらっています。
救急の先生方は、僕たちに自由にさせるわけではなく、しっかりと見守ってくれています。もし何か問題があれば、すぐに対応してくれます。だから、今のところ大きなミスはなく済んでいます。
可愛いミスというと、ある先生がエコーを使おうとしたときのことです。エコーのコードがどこかに引っかかっていたのですが、先生は気づかずに引っ張っていました。そこで、電源を切ってあげようと思って、コードを根元から切ってしまいました。すると、普段は穏やかな先生が、「はぁぁl!」と叫んで、「電源を切らないでコードを切るなんて、壊れちゃうじゃないか!」と怒られました(笑)

当直の体制をお聞かせください。

 当直では、上級医の先生が2人と研修医が1人ですね。3人体制で行います。

当直では、どんなことが勉強になっていますか。

 自分の専門外の患者さんに対する対応は、医師としての判断力を鍛えるのに役立ちます。その場に専門の先生がいないとき、入院させるか帰宅させるか、夜間の対応はどうするかなど、様々な判断を迫られます。特に、うちにない診療科の患者さんは、他の病院に搬送するときのタイミングや検査の必要性など、難しい問題が多いです。そういうときに、上の先生の対応を見て学ぶことで、3年目以降の自分にも必要なスキルと感じますし、とても勉強になっています。

宮原先生の写真

病院に改善を望みたいことはありますか。

 特にありませんが、先日、当院にて研修期間中に行う海外のカンボジア研修の日程に関して事務の方から「行くの来月だからね」との連絡がありまして。 「来月?!」とまぁ多少…急な告知で(笑)。特段準備することがあるわけでもないですが…、強いて言えば、私の心の準備が整うには、もう少し前に教えて頂けると(笑) その程度です!

コメディカルの方たちとのコミュニケーションはいかがですか。

 そうですね。例えば、救急車対応のときには、放射線技師の方がすぐに駆けつけて、検査のオーダーや、電子カルテに入力などサポート頂けます。その検査の合間などで、気さくに話すこともあります。皆さん、若くてフレンドリーな人が多いので、話しやすいです。
また、当直帯のときには、放射線技師の方の知識や経験に頼ることもあります。私は大学で、典型的な画像しか見てこなかったので、実際の患者の画像を見るときには、不安になることがあります。しかし、放射線技師の方は、たくさんの画像を見てきているので、骨折や異常などを見逃しません。だから、私は心配なときには、放射線技師の方に確認してから、上の先生に報告します。そうすると、自信を持って診断や治療を提案できます。
絶えず、診療のサポートや勉強の助けになってくれますし、皆さんには、とても感謝しています。

研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

 仲良くやっています。医局の机も研修医で固まって働いていますし、寮も同じなので、一緒に食事や飲み会も楽しんでいます。同期は7人いるので、みんなで集まるのも簡単です。とても満足しています。

お住まいは寮ですが。

 はい。寮で生活しています。

今後のご予定をお聞かせください。

 次の2年目には、病棟管理での入院患者さんの経過をしっかり診ていくこと、そして診療科ローテートについては、1年目よりも自由に設定が可能です。いまのところいくつか迷っている診療科を廻りつつ、最後の方は決めた診療科を3・4ヵ月じっくりと廻って、3年目に備えます。3年目については、大学病院へ戻るのか、当院での継続かの2択となります。どちらがわたしにとって有益なのか、メリットデメリットを考え見学を通じて決めたいと思います。

ご趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。

 休みの日は、実家が近いので実家の犬とよく遊びます。その他は、昼過ぎまで休んでから、おいしいものを食べて、夜は友人と飲みに行きます。

現在の臨床研修制度に関して、ご意見をお願いします。

 現在、研修期間中に様々な診療科を経験する中で、医療の幅広さや魅力を感じることが出来ています。また、2年目には自分の関心のある診療科に集中して学ぶこともできるので、3年目以降の進路選択に役立つと考えています。制度としては、とてもいいと思います。

最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

 人それぞれ病院を選ぶ上で大切にしたい部分など、いろいろあるとは思いますが、わたしが実際に研修してみて一番大事だと思ったことは、興味のある病院に実際行ってみて、雰囲気やそこで働いている研修医に話を聞いて、研修のイメージができるかどうか、自分が働いているところをイメージできるかどうか、働いてみたいと思えるかどうかだと思います。
新行橋病院は、沢山の手技をいろいろやらせてもらえますし、自由に研修が組めることができるところが魅力だと思います。あまり有名な病院ではないと思いますが、実際に見に来ていただければ、魅力を感じていただけるのではないかと思います。 ぜひ一度見学に来てください。宜しくお願いします。

【動画】宮原先生

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