社会医療法人同心会 古賀総合病院
〒880-0041
宮崎県宮崎市池内町数太木1749-1
TEL:0985-39-8888
FAX:0985-39-0067
病院URL:https://www.kgh.or.jp/
名前 田代 尚己(なおき)
出身地・出身大学 / 医師免許取得年度 京都府京都市・宮崎大学 / 2022年
名前 月野 武(たける)
出身地・出身大学 / 医師免許取得年度 宮崎県都城市・宮崎大学 / 2022年
医師を目指したきっかけをお聞かせください。
月野先生
父が医師だったこともありますが、中学生のときにテレビで国境なき医師団の特集を見て、医師の仕事がより具体的になり、目指すようになりました。
田代先生
私も父が医師で、小さい頃から周りの人に「尚己くんもお医者さんになるんでしょ」と言われていたので、「はい、なります」みたいに何となく答えていたのですが、浪人したときに本当に医師になりたいのかを改めて考えてみたときに、やはり医師という職業が一番しっくり来たので、医師を目指しました。
学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。
月野先生
剣道部と室内楽部に入り、運動と音楽を両方していたので、充実していました。室内楽部ではヴァイオリンを弾いていました、ヴァイオリンは小さい頃から習っていて、中学生のときは剣道部が忙しかったので辞めたのですが、大学では合奏できるのが楽しそうだったので、再開しました。学生生活はやはり時間に余裕があるので、部活動以外の時間にはあちこち出かけていました。
田代先生
私はテニス部に入っていました。中学生のときからテニスをしていたのですが、大学では周囲のレベルが高く、なかなかレギュラーにはなれなかったんです。それでも最後は頑張って、主戦でやっていました。4年生の夏まで大会に出ていましたし、かなり打ち込んでいたと思います。でも毎年夏になると、皆で髪を派手に染めたりして、世間一般の医学部生ならぬ派手なことをしていたのがいい思い出です(笑)。
大学卒業後、研修先を古賀総合病院に決めた理由をお聞かせください。
田代先生
私は宮崎県の中で大きな病院ではなく、初期研修医が少ないところを探していました。その中で古賀総合病院は事務の方とメールをやり取りしたり、見学したときにとても雰囲気が良く、気になり始めたのがきっかけです。それから色々な先生方と食事に行ったりして、安心感があったので、古賀総合病院に決めました。
月野先生
最初は福岡の病院を探していて、いくつかの病院に見学に行ったのですが、あまりピンと来なかったんです。それで改めて地元の宮崎で探してみようと考えていたら、田代が古賀総合病院を勧めてくれて、見学を申し込んだのがきっかけです。
見学に来たときの印象はいかがでしたか。
田代先生
コロナ禍だったので、見学の日が引き伸ばしになってしまい、6年生になってから見学できたんです。マッチングの直前ではありましたが、とても印象が良かったです。
月野先生
私は見学の締切が過ぎてから、見学させていただきました(笑)。見学を申し込むメールをしたときも「いいですよ!」みたいにすごく気楽に受け入れて下さり、有り難かったです。それで見学に行くと、とても元気の良い病院で、先生方が手厚く指導されている姿を見て、古賀総合病院に決めました。
古賀総合病院での初期研修はイメージ通りですか。
月野先生
先生方も見学に来たときと全く変わらないですし、イメージ通りですね。臨床研修センターのスタッフの方々は入職してからの方が手厚いぐらいで、イメージ以上に支えてくださっています(笑)。
田代先生
私も印象は変わらないですね。イメージ通りの初期研修ができています。
プログラムの特徴はどんな点でしょうか。
月野先生
内科の中の診療科ごとの垣根が低いこともあり、例えば神経内科と肝臓内科など、2つの診療科を同時に回ることができます。そうした複数の診療科を同時に回れることに加えて、自分が研修したい診療科を2週間のように細かく刻んで回ることができるのも特徴です。
田代先生
選択の自由度が高いことです。救急科の研修プログラムでは熊本赤十字病院に3カ月、行くことができます。宮崎県内にも救急が強い病院はありますが、全国から初期研修医が集まる病院で研修できるのは大きいです。
プログラムの自由度は高いですか。
月野先生
必修科以外の8カ月が選択期間なので、高いと思います。
院外での研修先をお聞かせください。
田代先生
私たちは救急科の研修で熊本赤十字病院に行きましたが、東京都立墨東病院に行くこともできます。また地域医療の研修では美郷町国民健康保険西郷病院に行きました。
月野先生
熊本赤十字病院では最初はきつかったのですが、日に日に成長していることを実感でき、とても充実感がありました。熊本県以外からも初期研修医が大勢来ているので、交流することもできました。
田代先生
西郷病院はほんわかしている雰囲気でした(笑)。患者さんの年齢層が高い病院で、私は夏に行ったのですが、アナフィラキシーショックが多かったんです。地域特有の疾患や背景のある患者さんを診る研修ができて、いい刺激になりました。
古賀総合病院での初期研修で勉強になっていることはどんなことでしょう。
田代先生
医局の垣根が低く、指導医の先生方が同じ医局にいらっしゃるので、困ったことはすぐに相談できる環境です。そのため、どういうふうに相談にもっていけばいいのかや、プレゼンの仕方などを学ぶ機会が多いのかなと感じています。
月野先生
初期研修医の数が少ないので、手技を学ぶ機会が豊富です。CVを入れるときなどは他科を回っていても先生からお声をかけて頂けることも多いので、希望すれば、その手技を経験できます。
失敗談はありますか。
月野先生
救急科を回っていたときに、患者さんが搬送されてきて、血圧を測ったら70ぐらいでとても低く、ショックを疑ったのですが、周りの人たちがそんなに焦っていなかったので、初期対応後に指導医の先生に伝えたところ、「それはショックだろう。なぜ伝えなかったの」と注意されました。周りの雰囲気に飲まれず、自分がそうだと思ったら、すぐに報告し、できないことはできないと伝えなくてはいけないなと反省しました。
田代先生
医療以外の失敗として、最近あったことなのですが、当院の当直室は病棟の病室だった1室を使っています。ある日、お風呂に入ったときにトイレの横の壁にあったナースコールを押したようなんです。シャワーを止めて、お風呂から上がったら、看護師さんが「大丈夫ですか」と叫びながら、ドアをがんがん叩いていました(笑)。それで服を着る間もなく「大丈夫です」と叫び返しました。何かのきっかけで押してしまったのですが、使っていないはずの部屋からナースコールがあれば、看護師さんからすれば驚きますよね。
初期研修にあたって、どのような姿勢を心がけていますか。
月野先生
2年目になると、将来の診療科も決まってきますし、この手技は使わないかもなと思うこともありますが、そういうときでも将来に何か繋がるはずなので、積極的に取り組んでいく姿勢を大事にしています。
田代先生
初期研修が終わると専攻医になり、自分一人で患者さんをしっかり診ないといけません。そのためにも初期研修中に色々な先生方を見て、「この先生のこんなところがいいな」「こういうところを真似したいな」「こうなりたいな」など、指導医の先生ごとに真似をしたいところを意識して研修するようにしています。
当直の体制をお聞かせください。
月野先生
月に0回から4回で好きな回数入れます。
自分が入りたいときに入る形になっているので、外科などで忙しい月には入らない人もいます。
田代先生
体制は指導医の先生が内科1人、外科1人で、そこに初期研修医が1人つくかどうかです。
当直で勉強になっていることはどのようなことですか。
田代先生
まずは初期対応の仕方などの基礎的なことです。当院は三次救急には対応できないので、どこまでを当院でできるのかを意識しながら診療しています。
月野先生
救急車自体もそこまで多くなく、2台、3台と同時に来ることもあまりありません。その分、1台の救急車の患者さんに対して、最初から帰られるまでの診療をどういう組み立てにするのかを考えることが勉強になっています。
指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。
田代先生
とても的確なご指導をいただいています。
月野先生
当直に入る際も、どの指導医の先生と一緒に入るのかを初期研修医が選べるので、自分に合った指導スタイルの先生のもとで学べます。指導医の先生によっては最初から全てを初期研修医に任せてくださる方もいるので、そこも特徴かなと思っています。
カンファレンスの雰囲気はいかがですか。
月野先生
私は今、血液内科にいます。血液内科には指導医の先生が2人おられますが、週に1回のカンファレンスがあります。電子カルテの前に集まり、自分が診た患者さんをプレゼンして、自分の考えや疑問点を先生方に相談します。先生方も厳しくなく、指導的な目で見てくださっています。
田代先生
総合診療内科を回っているのですが、総合診療内科では毎日、朝と夕方に30分ずつの簡単なブリーフィングのようなカンファレンスをしています。そこで、全員が自分が持っている患者さんのプレゼンをして、朝はその日の予定、夕方はその日に何をしたのか、何があったのかを共有します。それぞれの先生方が意見を出し合う場になっていますね。
コメディカルスタッフの方々とのコミュニケーションはいかがですか。
月野先生
看護師さんをはじめ、検査技師の方でもどなたでも病院で会うと必ず挨拶をしてくださいますので、私からも挨拶することを心がけています。当院は部活動が盛んで、私もバドミントン部に入っていますが、そういう院外での活動でも皆で楽しく過ごしているので、病院の雰囲気の良さに繋がっているのかなと思っています。
田代先生
フレンドリーな方、仲良くしてくださる方が多いですね。院内でのコミュニケーションを活発にしようというプロジェクトがあり、月に1回、院内のレストランに自由参加で集合して、コミュニケーションを取っています。そういうスタッフ同士が仲良くなれる機会が多いのも当院の良いところだと思います。
病院に改善を望みたいことはありますか。
月野先生
研修医室が欲しいです。医局の中に研修医のためのブースがあるのですが、やはり指導医の先生方のことは話しにくいです。逆に先生方の話も聞こえてきますが、そこで面白い話を聞ける楽しみはあります(笑)。
田代先生
同感です。研修医だけのプライベートな空間があった方が精神的なストレスも多少の軽減になりそうです。でも精神的なストレスがあるわけではないです(笑)。
研修医同士のコミュニケーションはいかがですか。
月野先生
人数が少ないこともありますし、結婚している人もいるので、皆で何かをするという機会はあまりなく、適度な距離感で過ごしています。そのため、どの研修医にとっても居やすい環境なのかなと感じています。
お住まいは寮ですか。
月野先生
私は寮に住んでいます。寮は宮崎駅前にあり、歩いて飲みに行ける立地です(笑)。寮は家具付きで、住み心地も悪くありません。
田代先生
私は結婚しているので、アパートを借りています。
今後のご予定をお聞かせください。
月野先生
私は小児科を専攻し、宮崎大学に入局して、宮崎大学医学部附属病院などで専攻医研修をする予定です。大学時代から小児科に興味がありましたが、当院には小児科がないので、宮崎大学医学部附属病院と宮崎生協病院で1カ月ずつ小児科の研修をしました。熊本赤十字病院でも小児救急や小児整形外科の患者さんを診る機会があり、子どものためなら働くきつさがなく、楽しかったんです。それで小児科が向いているのかなと考えるようになりました。
田代先生
私は泌尿器科を専攻します。私も宮崎大学に入局し、大学病院などで専攻医研修をする予定です。泌尿器科に決めたのはかなり遅い時期で、2年目の12月の二次募集直前でした。泌尿器科は手技が幅広いんです。前立腺などで腹腔鏡やロボットの手術もあれば、膀胱鏡検査もあるし、ステントを入れたり、結石を割ったりといった道具を使った手技の多さに惹かれ、泌尿器科を選びました。
ご趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。
月野先生
当院には色々な部活動やサークル活動があり、私もそれをきっかけにバドミントンを始めたので、バドミントンの練習をしたりしています。また古賀総合病院のグループ全体でバレーボールやボーリングの大会があるので、それに向けての練習もしています。
田代先生
私は大学までの部活動でしていたテニスを今も続けています。当院の先生方とすることもありますし、宮崎県内にいる大学の同期とすることもあります。でも自宅でアニメをのんびり見ていることも多いです(笑)。
現在の臨床研修制度についてのご意見をお願いします。
月野先生
2年間の初期研修という縛りがあるからこそ、その後に絶対に触れないであろう診療科のことを学べます。専門の科に進んだあとで、自分の患者さんのことを他科に相談したいというときに、他科の先生がどういったスタンスで診療されているのかを少しでも知っているというのは良いことだと思います。
田代先生
現在の必修を16カ月、選択を8カ月というバランスはちょうどいいですね。私の場合は3年目以降に一人で当直する可能性があるので、初期研修では救急をしっかり研修しておきたいと思っていました。そういう希望に沿える対応を臨床研修病院がしてくれるのであれば、良いプログラムだと思います。