札幌医科大学附属病院
〒060-8543
北海道札幌市中央区南1条西16-291
TEL:011-688-9486
FAX:011-621-8059
病院URL:http://web.sapmed.ac.jp/byoin/
名前 麥倉(ムギクラ) 一樹(カズキ)
出身 北海道 札幌市
出身大学 埼玉医科大学
医師免許取得年 2024年
医師を目指したきっかけをお聞かせください。
父親が医師であるっていうところから、高校卒業から2浪まで受験で医学部受験に挑戦しましたが、願い叶わず、別の道を選択して大学院に進学しました。
一時は研究者になろうと思っていたのですが、当時所属の研究室に医師の方が研究しに来られることがよくあり、その際に、先生方とお話する機会や飲みの場などの付き合いを重ねていく中で、やはり将来の職業としては”医師になりたい”という思いが再度沸いてきました。
ただ、私はすでに結婚もして妻も子供もおりましたので、家族にも相談する中、『1年半なら受験を頑張ってもいいよ』と言ってくれて挑戦しました。結果、何とか埼玉医大に合格して医学部に入学することができました。
学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。
家庭の事情もあり、部活動には参加しませんでした。そのため、同級生とは講義の際に一緒に勉強し、授業の合間にお話しする時間が私にとってとても楽しいものでした。しかし、私たちの世代は2020年に新型コロナウイルスの影響を受け、オンライン授業に移行しました。その結果、同級生と直接話す機会が失われたのは非常に残念でした。また、自宅での家事、育児、そして勉強の3つを両立する難しさを感じ続けた4年間も印象に残っています。
大学卒業後、研修先を札幌医科大学附属病院に決めた理由をお聞かせください。
研修先を決める際、総合診療科に興味があり、地元の札幌で総合診療科の研修が行える大学病院として当院を見つけ、興味を持って病院見学に行きました。その際、研修医が気軽に使用できる研修医室や、ゆったりとリラックスできるレジデントルームなど、研修医が利用できる部屋が整っていることに惹かれ、研修先を当院に決めました。
実際に札幌医科大学附属病院での研修はイメージ通りですか。
大学病院では、難しい症例や貴重な症例に触れる機会が多く、研修を通じて患者さん一人ひとりについてじっくり学ぶことができると感じていましたが、その点については期待通りでした。また、医学部時代の大学では見られなかったような手技や治療方法を経験できるのも、大学病院ならではの特徴だと思います。
札幌医科大学附属病院の研修プログラムの特徴をお聞かせください。
研修コースは、大学病院と市中病院でのたすき掛け研修を経験できるAコースとBコース、そして大学病院でじっくり2年間研修できるCコースの3つに分かれています。大学病院での研修は、必修診療科については、ローテーションする順番や期間をある程度自由に選択できることが特徴です。また、札幌の3次救急医療を担う当院ならではの特徴として、3次救急や集中治療で重症患者についての研修を4週間以上行うことが必修となっています。わたしは、Cコースで研修を行っております。
実際に研修をされている中で、一番勉強になっている点やすごく良かった点はどのようなところでしょうか。
大学病院での研修で、自分が主治医を任されるとは思っていませんでした。しかし、先生方のサポートのもとで主治医を任され、主体的に診療に参加することで、疾患や病棟の業務について深く学んでいます。この経験が特に良いと感じています。
主治医としての研修医の裁量についてですが、最初は多くのことができないため、1人の患者さんを担当させていただく形で、先生方が調整してくださいます。そのため、オーバーワークにならないように配慮していただいています。
反対に、難しかった事や苦労した事は御座いますか。
主治医として患者さんを担当する中で、検査を進めるうちに気になる点があり、他の科にコンサルテーションをお願いしたところ、本来の入院目的とは異なる検査が増えてしまい、患者さんに負担をかけてしまう可能性がありました。そのような状況で、治療の優先順位を考えることの難しさを感じました。また、私が誤った方向に進みそうになった際には、チームの先生方が方向修正をしてくださり、チーム医療の重要性を学ぶことができました。このような経験から、治療の優先順位を考えることの難しさを痛感しました。
指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。
どの診療科の先生方も熱心にご指導くださいます。研修医のやる気に応じて、これまでその診療科で行っていなかった看護実習をさせていただいたり、外来のお手伝いをさせていただいたり、今後自分に必要と思われることを共有してくださいます。総合診療科に興味があると伝えると、「総合診療ではこういうことが必要だよね」といったことを共有してくださる先生方もいらっしゃるので、本当に勉強になります。
カンファレンスではどのような事をされていますか。
患者さんの病気の診断や治療だけでなく、患者さんの今後の生活環境についても、医師だけでなく看護師やリハビリの先生方とも話し合っています。カンファレンスでは、研修医としてプレゼンテーションを行うこともあり、自分のプレゼン技術の向上の機会にもなっています。
現在、総合診療科で研修を行っており、他の大学との遠隔カンファレンスをZoomで実施しています。自分の経験した症例をプレゼンし、様々な場所の先生方からフィードバックをいただくことができます。遠隔カンファレンスでは、滋賀医科大学や北海道の浦川や赤平などの病院の先生方と一緒にカンファレンスを行い、プレゼンの評価や症例についての相談をする機会となっています。
趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。また、ONとOFFの切り替えはしっかりできておられますか。
そうですね。僕は結婚して2人の子供がいて、どうしてもオンオフをつけざる得ないので、休日には自然とオンオフがはっきりとしますね。子供と公園に行ったり、子供が最近プールを始めたので、プールの送り迎えをしたりして基本休日は全部家族と一緒に過ごしています。夜に子供が寝てからの時間が自分の時間です。YouTubeを見たり、スポーツを見たりしています。また、次の日に備えて予習をしたり、何か教科書を読んだりと夜の時間を使って、休日から仕事の切り替えをしています。
今後のキャリアについて、初期臨床研修を終えた後、どのようなキャリアを積んでいきたいですか。
現時点では、総合診療に進むかどうかはまだ決めかねていますが、現在は総合診療に興味があります。そのため、当院で総合診療専門研修を受け、札幌近郊の中小規模の病院で総合医として働きながら、地方や僻地での経験も積みたいと考えています。最終的には家庭医の道に進みたいと思っています。
また、飛行機などの公共の場で「この中にお医者さんはいらっしゃいますか?」と尋ねられた際に、自信を持って手を挙げられるような救急診療能力も身につけたいと考えています。