専門研修インタビュー

2024-09-01

今村総合病院(鹿児島) 専攻医 上原夕季先生・永山宗太郎先生(総合内科)(2024年)

今村総合病院(鹿児島県)の専攻医、上原夕季先生・永山宗太郎先生に、病院の特徴や研修プログラムについてなど、様々なエピソードをお伺いしました。この内容は2024年に収録したものです。

公益財団法人 慈愛会 今村総合病院

〒890-0064
鹿児島県鹿児島市鴨池新町11-23
TEL:099-251-2221
FAX:099-250-6181
病院URL:https://www.jiaikai.or.jp/imamura-general/

上原先生の近影
名前
上原 夕季(うえはら ゆき)先生
出身
鹿児島県鹿児島市
出身大学
鹿児島大学
医師免許取得年度
2020年
初期研修施設
今村総合病院
専攻医研修
内科、膠原病・リウマチ内科
永山先生の近影
名前
永山 宗太郎(ながやま そうたろう)先生
出身
鹿児島県霧島市
出身大学
鹿児島大学
医師免許取得年度
2020年
初期研修施設
今村総合病院
専攻医研修
内科

医師を目指したきっかけをお聞かせください

上原先生・永山先生の近影

上原先生:私は以前違う仕事をしていたのですが、最終的に医師を目指したのは、人を助けるという仕事に魅力を感じたからです。困っている人や苦しい状況にある人を助けて、感謝されること、それを仕事として続けられるというのが自分の人生観や職業観と合ったので、医師を目指しました。

永山先生:子供の頃に体が弱くて、よく病院に行っていました。その経験からお医者さんに憧れを持っていましたし、親の勧めもあって、医師を目指すようになりました。勉強を始めたら他の職業が考えられなくなったというのが正直なところです。

学生生活はいかがでしたか

永山先生:学生時代はフットサル部に所属していました。大会で上位に入るような強いチームだったので、練習は厳しかったですが、全員で行うイベントなども多く、充実していました。また、今でも付き合いのある友人たちと出会えました。

上原先生:私は医学部のゴルフ部に入っていて、4年生で引退するまでは活動に励み、大会にも出ていました。部活の仲間とは先輩や後輩含めプライベートでも一緒に遊ぶことが多かったです。二度目の大学生活ということで、親に申し訳ない気持ちもあり、自分なりに勉強もしっかり頑張りました。

初期研修のプログラムを今村総合病院初期研修プログラムに決めたのはなぜですか

上原先生:私は内科を志望していたので、今村総合病院の教育が充実している点に惹かれました。特に総合内科の研修がしっかりしていて、問診から診断、治療までの一連の流れを学べるのが大きな魅力でした。

永山先生:私も内科を目指していたので、県内で内科をしっかり学べる病院を探していました。見学に行ってみたら、先生方の雰囲気が良く、病院内でいろいろな経験ができる環境が魅力的でした。県外に提携病院も多いので、広い範囲で経験できるのも決め手でした。

今村総合病院での研修はいかがでしたか。(初期研修)

永山先生の近影

永山先生:初期研修医のうちから主治医として患者さんを担当することができたので責任感も増し、勉強のモチベーションも上がりました。
また、医局の垣根が低く、いろんな科の先生方とコミュニケーションをとりやすかったので、とても学びやすい環境でした。

上原先生:他の病院と比べて、初期研修からかなり主体的に動けることが多かったです。
診断から治療、転院・退院調整まで、自分で考えて全て行なわなければならない機会が多く、大変な一方で医師としての自覚が芽生えました。もちろん指導医の先生方のバックアップして下さいます。手技も沢山させて貰え、医師としての基礎を作る良い研修だったと思います。

専攻医の現在はどのような専攻医研修をなさっているのですか

上原先生: 1年目は、大体皆救急・総合内科でのローテーションでスタートします。救急をファーストで診て、当科入院となった患者さんに関してはそのまま病棟主治医として退院まで担当します。1年目のメインは病棟業務ですが、退院後の患者さんの外来フォローを行うこともあります。2年目以降では外来メインの研修をされている先生もいます。私は内科専攻医プログラムかつ膠原病リウマチ内科のプログラムにも入っているので、最初の1年は総合内科全般をやって、今年度からは、膠原病リウマチ内科の患者さんを主に持たせて貰っています。初診の外来を見たり、院内コンサルトのファーストタッチをしたり、指導医の先生に教わりながら、総合内科と膠原病リウマチ内科研修を並行してやっているという感じです。当院の場合は、現在総合内科に膠原病リウマチ内科が含まれている形になっているのでちょっと特殊な研修例だと思います。

やり甲斐を感じたところはどんな時ですか

上原先生の近影

上原先生:自分の持っている患者さんが治療をして良くなっていくのを見たときやそれで患者さんやその家族から感謝されたときにやりがいを感じます。以前、長期入院をされていて、結果的に亡くなってしまった患者さんがいたのですが、ご家族の方が後日わざわざ病院まで会いに来て下さり、「先生で良かったです。これからも患者さんに寄り添ってくれる先生でいて下さい。ありがとうございました。」と仰ってくれたことがあり、印象に残っています。できる治療を尽くして結果的に亡くなってしまうようなことがあっても、自分なりに一生懸命患者さんやご家族に向き合っていたら、死は人生で一番悲しく辛い出来事ですが、良い印象を持っていただけるのだなと感じました。

専攻医研修で特に勉強になっていることを教えてください

永山先生:自分の責任で入院してもらったり、家に帰って頂いたりの判断をすることが増えてきたので、その様な状況でしか学べないことがあるなと思います。
また、初期研修医の先生と一緒に患者さんを診る場面も多いので、当直などでファーストタッチをしてもらう時、研修医の先生たちがどのように考えているのか、必要な知識をどのように伝えたらわかってもらえるのかなどを考えることも、自分自身の成長になっていると感じます。自分の中で曖昧だと全然教えられなかったりするので、そういう気づきも含めてとても勉強になります。

専攻医研修で辛いことはどのようなことですか

上原先生:治療に関してできることを精一杯していても、患者さんの転帰が必ずしも良くなることばかりではないので、そういうときにはつらいなと感じます。

永山先生:上原先生と同じになりますが、やはり自分だけではなくチームのみんなでベストを尽くして治療を行っても結果としてなかなかうまくいかず、状態が悪いということも多々あります。その様な場合にご本人やご家族に説明をする状況がやはりつらいですね。自分の場合は、亡くなるときより、もう良くなりそうにないっていう話をするときの方がつらさを感じますね。

当直の体制をお聞かせください

永山先生:基本的に週に1回決まった曜日に当直を行います。その翌々日が休みで、それ以外にもう1日休みがあります。明けの日を0.5日換算すると週に2.5日の休みがあります。

指導医の先生方のご指導はいかがですか

上原先生・永山先生の近影

上原先生: 皆さんここの病院を起点にそれぞれ総合内科をはじめ感染症、膠原病、呼吸器内科などの専門の勉強を県外などでされてきて、戻ってこられた先生方が集結しています。1人1人が唯一無二で、偉大な先生方ですが、それを感じさせないくらい気軽に相談ができるし日々の診療の中で多くのことを学ばせて貰えます。皆さん話しかけやすくて親しみやすい先生ばかりで、とても有難い環境だと思っています。

永山先生:すごいの一言ですよね。空いてる時間に指導医の先生方は皆さん、自身で勉強もされていらっしゃいますし、朝の勉強会でも色々な症例の勉強になるエッセンスを分けてくださいます。全国的に有名な先生方もいらっしゃいますが、そういう先生方であっても、すごく気軽に相談できるのでその様な環境で研修をさせていただけてとてもありがたいと感じています。

カンファレンスはいかがですか

上原先生:毎朝、飲み物を片手に膝を寄せ合いながら、ミニカンファレンスをしています。担当患者に関して主治医がプレゼンをして、指導医の先生のコメントをもらいながら治療方針を考えていきます。上の先生だけでなく、私達専攻医や研修医なども後ろから気軽に発言できるような、フランクな感じのカンファレンスで、皆がディスカッションできる場です。ICUにいる患者さんに関してはチームの枠を超えて毎日カンファレンスをやっています。

コメディカルのスタッフとのコミュニケーションはいかがですか

上原先生:コメディカルスタッフ皆さんそれぞれの持ち場ですごく一生懸命勉強している人が多いので、向こうからどうですかと提言されることもあったり、相互にディスカッションしたりして患者さんへの診療に生かされています。コメディカルスタッフと気軽に日常会話をすることも多く、全体的にとても雰囲気が良いと思います。

永山先生:僕らの持っている知識や経験とはまた違った種類のものを皆さん持っていると思っています。日頃の診療において僕らの視点では気づけないようなことを教えてくださったり、指摘をしてくださるのでいつも色々な方々に助けられていると感じています。

今後のご予定をお聞かせください

上原先生:私はまず内科専門医をとり、サブスペシャリティとして膠原病リウマチ内科専門医もとりたいと思っています。当院を基盤としながら、他の病院に研修に行き、また戻ってきて当院の膠原病リウマチ内科を支えるメンバーの一人として頑張っていけたらなと思っています。

永山先生:僕は元々救急に興味があり、内科的にも色々な経験ができるという意味もあって本プログラムに籍を置いています。今後は救急科への入局も考えていて、内科にも強みをもつ救急医になれたらなと考えています。

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