初期研修インタビュー

2024-09-01

市立岸和田市民病院(大阪)指導医 宇山直樹(ウヤマ ナオキ)先生(2024年)

市立岸和田市民病院(大阪)の指導医、宇山直樹(ウヤマ ナオキ)先生に、病院の特徴や研修プログラムについてなど、様々なエピソードをお伺いしました。この内容は2024年に収録したものです。

市立岸和田市民病院

〒596-8501
大阪府岸和田市額原町1001
TEL:072-445-1000
FAX:0724-41-8812
病院URL:https://www.kishiwada-hospital.com/

宇山先生の近影
名前
宇山 直樹(ウヤマ ナオキ)先生
役職
外科・消化器外科部長
経歴
昭和42年(1967年)に大阪で生まれる。
平成5年 大阪医科大学卒業
平成5年5月 京都大学附属病院 外科 研修医
平成6年4月 兵庫県 公立豊岡病院 外科 勤務
平成10年 京都大学消化器外科 研修研究生として4年半研究
平成15年 ブリュッセル自由大学 細胞生物学教室 研究留学
平成18年 京都大学附属病院消化器外科 医員 勤務
平成19年 兵庫医科大学 肝胆膵外科 助教授
平成24年 西神戸医療センター 外科 医員
平成27年 宝塚市立病院 外科 医員
平成28年 兵庫医科大学 肝胆膵外科 勤務
令和1年 岸和田市民病院 外科 主任医長
令和3年 岸和田市民病院 外科部長
専門分野
  • 肝胆膵外科
  • 消化器外科
専門医資格
  • 外科学会  専門医・指導医
  • 消化器外科 専門医・指導医
  • 肝胆膵外科 高度技術専門医
  • 肝臓学会  専門医・指導医
  • 胆道学会  指導医
  • 膵臓学会  指導医

病院の特徴をお聞かせください

特徴は約400床の病院で、やや重度の高い病院です。研修医といって特別に専門の部屋があるわけでもなく、上級医と同じ部屋で過ごすようにしており、アットホームな雰囲気の中で仕事をしていただいているというのがうちの病院の特徴ですね。

宇山先生がいらっしゃる科の特徴もお願いします

外科の特徴としましては、現状外科はあまり人気がないということが挙げられます。そこで、外科の良い面を感じてもらうために、積極的に手術の手技を多く経験してもらうよう努めています。

初期研修で回ってきた際には、1年目にはヘルニアや虫垂炎の手術を担当してもらいます。2年目になると、胆石の手術なども行っていただき、さらに経験が豊富な方には、大腸の手術など、より高度な手術にも挑戦してもらうことができます。このように、できる範囲で様々な手術を経験してもらうことを目指しています。

積極的に手術を行ってもらうのがうちの病院の方針です。

岸和田市民病院の初期研修プログラムで学べる特徴について、ご紹介くださいますか

当院の内科は細分化されており、多様な内科分野が存在することが特徴です。例えば、リウマチ膠原病内科や血液内科など、さまざまな専門分野があります。これにより、幅広い知識を学ぶことができ、専門医から直接学べる機会があるのが、当院の大きな特徴だと思います。

プログラムの自由度についてはいかがですか

1年目は、すべて必須研修となっていますが、2年目の研修では、選択研修期間が26週あり、26の診療科から選択可能ですので、より自分の希望する研修生活を送ることが可能です。特徴としては、リウマチ・膠原病内科、腫瘍内科、緩和ケア内科、放射線科・放射線治療科などのややめずらしい診療科からも選択できることが挙げられます。

初期研修医の人数はどの何人ですか

来年は5人ですが、昨年は4人でした。次の年については、4人か5人になるかはまだ決まっていませんが、おそらく4人から5人になると思います。

最近の研修医をご覧になって、いかがですか

宇山先生の手術風景

うちの研修には、非常に優秀な先生が多く来てくれていると感じています。真面目でコツコツと努力する先生方が多い印象です。コミュニケーション能力が高い先生が多いと感じています。アットホームな雰囲気で困った時にはいつでも相談してくれるため、問題などもありません。

初期研修医の指導にあたって、心がけておられることをお聞かせください

特に問題はありませんが、よくできたことについてはしっかり褒めるようにしています。若い研修医にとって自信をつけることが重要で、自信がつけば今後に何か問題が起こった時でも乗り越えられると考えています。良いことがあった時にはしっかり褒めて伸ばすようにしています。

一方で、困っていたりコミュニケーションが取りにくい子の場合には、こちら側が積極的に声をかけるようにしています。常に気を配り、廊下で会ったときには「どうや?」と聞いてあげることが大事だと思っています。

「こんな研修医がいた」というエピソードがあれば、お聞かせください

地元出身で麻酔科医を志望している研修医がいたのですが、外科の研修に来て一生懸命に取り組み、「面白い!」と言いながら手術がどんどん上手くなっていったので、外科医として残ってくれたらいいなと思っていました。最終的には麻酔科を選び、他の病院に行ってしまったんですが、いずれは戻りたいと言っており、時々アルバイトでこちらに来てくれることもあるんです。うちの病院を非常に気に入ってくれたのが印象的です。

現在の臨床研修制度についてのご意見をお願いします

何事にも一生懸命に取り組む子にはとても良い研修システムだと思いますが、自由度が高いと、やはり楽な方を選ぶ子もいるかなと。自由度が高い環境をどう活用するかは重要で、自分の弱点を克服するために使うのか、自分の強みをさらに強化するために使うのかがポイントですね。目的意識を持って取り組む子は成長しますが、楽をしようとする子もいるのが現実ですが、これは制度の問題ではなく、個々の問題ですので制度については特に悪い意見はなく、自由度が高いことで伸びる子は伸びると思います。

ベルギーでの研究留学はいかがでしたか

別の世界が広がって面白い経験でした。

ベルギー生活1年目は無給で貧しかったので、奨学金をもらうために必死に勉強しました。

おかげでベルギーの奨学金とヨーロッパ肝臓学会の奨学金の2つをもらうことが出来ました。研究をずっとしていていたので、行き詰まった時は旅行してまた頑張るという生活でした。メリハリがある良い時間でした。

留学は若い方にもぜひ経験していただきたいと思います

この時代に賢く生き抜くためには、色々な価値観を知っていくことが重要だと思います。留学で価値観や文化が日本とは全く違う国に行って、色々な人と交流してその人の物の考え方を学ぶことも良いと思いますし、臨床だけではなく研究もすることでのちのちプラスになるのではなるんじゃないかと思います。私も今となっては若いうちにもっと積極的に研究やアメリカでの医師免許取得など色々な事に興味持って挑戦していたらまた違った人生になったのではないかと思います。

これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします

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