2021-01-31
長浜赤十字病院 part1
全国の赤十字病院の中から、滋賀県の長浜赤十字病院にお伺いしました。研修のプログラム、1日のスケジュールなど、現場の声が聞けるインタビューです。
河端 恭代先生プロフィール
-
- 1993年
- 福井医科大学(現 福井大学) 卒業
- 1993年
- 京都府立医科大学麻酔科 入局
- 1994年
- 洛和会音羽病院 勤務
- 1996年
- 京都府立医科大学大学院 入学
- 2000年
- 京都府立医科大学大学院 修了
- 2000年
- 舞鶴赤十字病院 麻酔科部長 勤務
- 2002年
- 京都府立医科大学 麻酔科助手 勤務
- 2004年
- 社会保険京都病院 麻酔科医長 勤務
-
- 2005年
- 京都府立医科大学 麻酔科研究員 勤務
- 2005年
- 長浜赤十字病院 麻酔科医長 着任
- 2008年
- 長浜赤十字病院 麻酔科副部長 就任
- 2016年
- 長浜赤十字病院 麻酔科部長 就任
資格
- 日本麻酔科学会指導医・専門医
- 日本ペインクリニック学会専門医 など
-
大森 槙子先生プロフィール
徳島県徳島市出身
- 2020年
- 滋賀医科大学 卒業
- 2020年
- 長浜赤十字病院 初期研修
-
洲崎 ゆう先生プロフィール
愛知県豊田市出身
- 2020年
- 滋賀医科大学 卒業
- 2020年
- 長浜赤十字病院 初期研修
長浜赤十字病院の魅力
長浜赤十字病院を選んだ理由を教えてください
洲崎
救急での初期対応を学びたかったので、滋賀県内で三次救急の病院を探していました。また私は産婦人科志望でもあるので、NICUと産婦人科が充実しているところも条件でした。当院には臨床実習でお世話になったことがあり、話しやすく、熱心に教えてくださる先生方が多かったので、私も是非ここで研修したいと思い、当院を選びました。
河端
洲崎先生は愛知県出身ですよね。
洲崎
大学が滋賀医科大学で、ここに研修に来たことが大きかったですが、今年、結婚する予定なんです。それで滋賀県内に住むことになったという理由もあります(笑)。
大森
私は徳島県出身ですが、大学が滋賀医科大学だったので、先輩や同級生の伝手ができたこともあり、四国に戻るよりは滋賀の病院の方が働きやすいかなと思いました。私は小児科を考えているのですが、長浜赤十字病院はNICUや産婦人科があるので、広く診られるところが魅力です。病院見学や臨床実習で来たときに初期研修医が主体で救急をしている姿に惹かれ、当院に決めました。
洲崎
見学に来たのは、5年生の春です。見学では1日しかいられないので、初対面の状態で色々と質問することになります。当時の私はあまり勉強できていなかったので、情けない質問をした可能性もあるのですが、そういった質問にも嫌な顔をせず、温かく、詳しく教えていただきました。また、できる範囲でエコーを見学させていただいたり、大学病院よりも積極的な形で病院に触れることができました。
大森
私も5年生の春です。当院の初期研修医は2学年合わせて10人ぐらいで、規模としては小さい方ですが、それが多すぎず、少なくすぎず、程よくまとまっている感じがちょうど良かったです。先生方も質問しやすそうで、良い印象を受けました。
長浜赤十字病院の救急
長浜赤十字病院の救急はいかがですか
河端
当院は何でも受けるという救急です。心臓血管外科がないので、心臓血管外科だけは受けられないのですが、それ以外はほかの病院が器材がないからと断った症例、とても珍しい症例など、何でも来ます。私は京都府立医科大学の医局に10年ほどいて、当院に来て15年ですが、そんな私でも「こんな手術、見たことない」、「こんな外傷、初めて」ということがあります。当院の手術室に空きがないときも絶対に断らず、何としてでも手術室を空けて、できるだけ迅速に受け、頑張っているというのが特徴です。色々な症例が来ますので、初期研修医として学ぶには面白い病院なのではないでしょうか。
当直回数はどのぐらいですか
大森
月に4回ぐらいです。
どんなことが勉強になりますか
洲崎
河端先生がおっしゃったように、当院の救急は断らない救急なので、重症な患者さんがいらっしゃることも多くあります。そういったときにBLSのコースや初期の評価であるABCDの方法を詳しく教えていただけるのがほかの病院よりも良いところだと思っています。
大森
救急外来では初期研修医がファーストタッチをさせていただけるので、検査も自分たちでオーダーします。それを「この検査を追加で」、「この検査はいらなかった」などのフィードバックやアドバイスをその場ですぐにいただけるのが勉強になっています。
初期研修のプログラムはいかがですか
- 内科と外科を中心にまんべんなく回ります。手技をさせていただく機会がほかの病院よりも多いと感じています。消化器内科ではカメラを触らせていただき、実際に写真を撮ることまでさせていただいたり、麻酔科ではルンバールも何度も経験しました。大学病院で研修している人に聞いてみたところ、麻酔科を回っている間にルンバールが1回しかできなかったそうです。私は外科系を志望しているので、手技の機会が多いと、こういう手技ができる、しにくいといった自分の器用さを感じ取れたり、見極められます。今後の診療科を決めるうえでも手技の機会が多いことは良いことだと思います。
- 救急外来ではファーストタッチを初期研修医がすることが多いのですが、当直帯や夜間でも指導医の先生がいらっしゃるので、積極的に経験させていただいたうえで、バックアップやフィードバックをしていただけます。とても手厚く、恵まれた環境です。
- お二人とも、十分よく頑張っています。最近の初期研修医は私たちの頃に比べたら熱心に勉強しているので、助かっています(笑)。
プログラムの自由度は高いですか
- ローテートする診療科が決まっていても、回りたい診療科があれば直前でも入ることが可能です。事務のスタッフも迅速に対応してくれます。私たちの頃よりも自由度が高く、良い環境です。
- 2年目の先生方を見ていると、1カ月前ぐらいに回る科が変わることがあるようです。大学病院だと3、4カ月前に決めたローテーションに沿って回っていく形ですが、初期研修2年目は今後の志望を決める重要な時期なので、自由に対応していただけるのは助かります。
院外の研修もありますよね
- 私たちはまだなのですが、2年目に地域医療の研修があり、近くの診療所に行くことになっています。
- 期間は1カ月間です。今はどの診療所に行くのか、悩んでいます(笑)。
初期研修にあたって、どのような姿勢を心がけていますか
- 当直や救急に入るときは患者さんの訴えていることをより細かく聞いていけるようにしたいと思っています。最近、難しさを感じているのは患者さんに分かっていただけるように説明して、その不安が何かということを理解したうえで、不安を取り除き、納得していただくことですね。言葉をチョイスしたり、難しくない言葉に置き換えたりしつつ話すことを心がけています。
- 指導医の先生に言われた「1日に何か一つでも学ぶようにすること」を意識しています。その言葉を常に思い出すようにして、今日は何を勉強したかな、学んだかなと振り返っています。
勉強になっていることはどんなことですか
- 救急外来にはある程度は調べて来られた方、全く調べてなくて、漠然とどうしたらいいだろうと来られた方などがいらっしゃいます。患者さんによって病気への関心度合いが違うので、病気に関しての話を聞いてくれるかどうかを見極めつつ、どう話していくかというのを指導医の先生から学んでいます。当直には初期研修医と指導医が入ることが多いので、自分の外来だけでなく、その指導医の先生がなさっている説明の仕方などを見て、勉強させていただいています。
- 内科を回っているときは指導医の先生と一緒に担当させていただくので、先生に相談しながら治療方針を決めたり、どうしてこういう処方をするのかなどを教えていただきながら、自分でも患者さんの良くなったり、悪くなったりという様子を見ることが勉強になっています。
指導医の先生のご指導はいかがですか
- 私に遠慮せず、何とでも言ってくださいね(笑)。
- どの先生も話しやすいです。皆さん、お忙しいのに、部長の先生でさえも一緒に担当した患者さんのことを詳しく教えてくださいます。私たちに「次はこうするから、今どうするか」、「次はこうしないといけないから、今どうしたらいいか」とまず聞いてくださり、調べて、学ぶ機会をいただけることが勉強になっています。
- 先生方との距離が近く、大学病院よりも医師数も研修医数も少ないので、質問しやすいです。指導医の先生方が初期研修医のことを気にかけてくださっていることを感じます。とても恵まれた環境だと感謝しています。
- 私は指導医の中では一番厳しいと思います(笑)。初期研修医の間で「麻酔科に厳しい先生いるよ」という前評判があるからか、皆しっかり勉強してきてくれますね。それでとても助かっています。しかし、今は「ここまでは研修医がしてもいいけど、ここから先はいけない」といった基準が以前よりも厳しくなっています。そうした制限のある中でも小児科志望の研修医には子どものセデーションなど、志望の科に合わせつつ、自主性も伸ばしてあげられるように心がけています。ただ、それも研修医が勉強してくることが前提なので、勉強してこない場合は怒るようにしています。
コメディカルの方々とのコミュニケーションはいかがですか
- ほかの病院よりも距離が近いです。循環器内科を回るとエコーを勉強したくなるのですが、エコー室に気軽に行けます。そこで臨床検査技師さんに直接、教えていただくと勉強になります。また看護師さんにはルートを取るコツを教えていただいたこともありました。
- 私もコメディカルの皆さんとは距離の近さを感じています。エコーや採血を習ったりしやすいですね。初期研修医がメインで発表する朝のカンファレンスに薬剤師さんや管理栄養士さんが来てくださることもあって、話しやすい関係が築けているのかもしれません。病棟でお見かけしたときに薬剤師さんには薬の処方のこと、管理栄養士さんには栄養のことなどを気軽に質問させていただいています。
同期は何人ですか
6人です。男性が4人で、女性は私たち2人です。
研修医だけの部屋はありますか
- あります。1、2年目の初期研修医が合同で使っています。1つ上の先生方は4人います。研修医室ではやはり1つ上の先生方から教わる機会が多いですね。最初のうちはカルテの使い方や紹介状の書き方など、かなり密に教えていただきました。
休みはとりやすいですか
- 取りやすいです。夏休みもいただけました。新型コロナウイルスで外出できなかったのですが、その分、家でゆっくり身体を休めることができました。
お住まいは寮ですか
- 寮はありません。個人で物件を借り、家賃補助をいただく形です。
病院に改善してほしいことはありますか
- あっても言いにくいよね(笑)。
- 研修医室のことでしょうか。
- 空調が中央管理なので、暖房が切れると研修医室が寒いです(笑)。
- 最初の頃は、寒くて驚きました(笑)。今は、空調が切れると、すぐに暖房を入れています。
-
大森先生の1日のスケジュール
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洲崎先生の1日のスケジュール
今後はどちらの科に進まれる予定ですか
- 産婦人科です。
- 小児科です。
専門の科を決めた理由をお聞かせください
- 女性であることが強みになる診療科がいいなというのが最初のきっかけでした。私自身が婦人科の検査を受けたときに検診台に乗るのが恥ずかしく、女性医師の方が有り難いと思ったんです。それがきっかけで興味を持つようになり、臨床実習で帝王切開の手術に入らせていただきました。患者さんの布越しに激しい出血が分かったり、怖い状態になりえるときも冷静に判断して、手術をされている先生方の姿が印象的でした。そういった先生方と「おめでとう」と言える環境に惹かれて、志望しました。
- もともと子どもが好きで、臨床実習を経験したあとも小児科がいいかなと漠然と考えていました。その後、大学主催のキャンプやイベントに参加する機会を持つようにしていたのですが、病気を克服して元気になっている子どもを見て、遣り甲斐がありそうだと思い、それから志望しています。
河端先生、お二人にアドバイスをお願いします
- これから結婚して、子どもを産んで、仕事だけではなく、家庭もということになるのでしょうが、できるだけ長く仕事をして、キャリアを途切れさせることなく頑張っていったら、最後には子どもに「よくやったね」と言われますよ。
無理せずに、細く、長く、キャリアを続けてほしいと思っています。
麻酔科を選んだのは「初期治療ができる遣り甲斐」と「時間の調整がつきそう」なところ
- 皮膚科にも興味があったのですが、色々な科を回る中で麻酔科に行ったときに、初期治療ができ、人を助けられる科なのだと分かったからです。とても遣り甲斐がありそうでした。
それから麻酔科は内科や外科と違ってベッドフリーなので、オンオフがはっきりしています。私は結婚の予定があり、子どもも産みたいと思っていたので、仕事と家のこととの時間の調整がつきやすそうな科だったことも良かったです。
そうは言っても、仕事を始めたら面白かったし、忙しすぎたので、すぐに結婚したわけではありません(笑)。大学院を修了して、舞鶴赤十字病院に移ったときに結婚しました。そして大学に戻ってきた2002年から2004年にかけて、3年連続で出産したんです。子どもは高校3年生、2年生、1年生です。上の二人は高校の寮に入っていますので、「自由にやってください」「知らぬが仏」みたいな感じです(笑)。
小児への興味と豊富な症例を求めて入局した京都府立医科大学
- 実家がこの長浜市にあり、福井医科大学に進学したのですが、入局を京都府立医科大学にしたのは小児に興味があったからです。
京都府立医科大学には小児医療センターが併設されており、小児神経などの小児の先天性の疾患を学んだり、小児救急にも携わってみたいと思っていました。また小児以外でも都会である京都の方が症例が豊富です。それに結婚相手の職場が大阪にあったという理由もありました。
休職を止められ長浜赤十字病院へ
- 長浜赤十字病院は府立医大の関連病院ではないので、医局人事ではありませんが、府立医大での当時の上司は助教授でいらした細川豊史先生が、長浜赤十字病院の麻酔科部長だった益子進也先生がお知り合いで、紹介していただいたんです。
3人目が産まれたものの、私は産前産後休暇しか取らずに仕事に復帰しました。でも3人いると、誰かが熱を出したりします。これでは実家の近くに住み、私の母の助けがないと働けないと思いました。本当は休職しようと考えたこともあります。でも、細川先生から「休職なんて似合わないから止めとけ」と言われたんです(笑)。「お前は働き続ける方がいい」と言われたので、「先生、3人も年子で産んだから、もうアップアップなんです」と答えると、「どうしたら働けるのか」と聞かれました。そこで「実家の近くなら働けます」と言ったら、「長浜にいい先生がいるから紹介してやる」と長浜赤十字病院を紹介していただきました。
手術室の効率化は病院にとって良いこと
- 週に5日の勤務があり、月に1回の土曜日と日曜日がオンコールです。平日の夜は週に1回から2回のオンコールがあります。麻酔科は9時から仕事なのですが、「早く早く」と言って、何としても17時に終わらせるようにしています(笑)。手術が多いので、麻酔科も大変です。でも自分が帰りたいからと言って手術を制限するのはいけません。
そこで、効率よく終わらせるために、外科の先生たちに手術室をうまく空けてもらって、18時には手術が終わるようにしています。病院にしても、残業がない方が色々な意味で良いことなので、効率性は大事ですね。
河端先生の1日のスケジュール
印象に残っている出来事を教えてください
- 府立医大時代に子どもの神経を診ていたのですが、人工心肺装置が立ち上がらないほどの重症の子どもさんを診たのが印象に残っています。そういうときに親御さんが泣かれる姿を見るのが辛かったですね。子どもさんを助けるために、何かしてさしあげられることはなかったのか、ほかの選択肢はなかったのかと考え込んでしまいました。
医師として影響を受けた人はどなたですか?
- 「診療に迷ったときは患者さんを自分の親だと思うと間違いがない」と教えてくださったのが私に当院を紹介してくださった細川先生です。現在は洛和会丸太町病院の院長を務めていらっしゃいますが、私が府立医大で助手をしていたときはペインクリニックの部長でいらしたんです。当時は私も麻酔科の中のペインクリニックに所属していました。
細川先生は患者さん第一で、全ての患者さんを大切にされていたので、患者さんからの信頼がとても高いんです。あるとき、私が「先生、どうしてそんなに患者さんに人気があるんですか」と尋ねたら、「患者さんを自分の親だと思って診療していたら、自然に信頼が集まる」とおっしゃったので、私も納得しました。私はできているか分からないですが、普段からできるだけ意識しています。
長浜赤十字病院で実現したキャリアを教えてください
- 私が当院に来たときは医師として10年目でしたので、当院で新しい手技をマスターしたなどはないですね。ただ、子どもが3人いますので、仕事をなるべく効率良く回すことは努力してきました。これは上級医として働くうえでも大切なことです。
当院に来た当初は外科医の都合などで、手術室に抜けがあるなど、効率が悪かったんです。そこで、効率良く、しかも患者さんをお待たせすることなく、手術ができるように、手術の枠を増やしたりしました。一方で、私の麻酔も工夫し、全身麻酔でなくても、局所麻酔でできるものは局所麻酔にしたり、その間に違う麻酔をしたりなど、外来も含めて短時間で効果を得られるようにしました。大学病院時代はのんびりしていましたが、当院では私が早く帰りたくても手術が次々に入るので、その手術を時間内に効率良くできるスキルが身につきました。
管理職として取り組んでいることはありますか?
- 手術を効率良く入れて、その時間内はみっちり働いてもらいますが、それ以外ではスタッフが休みたいと希望した日にできるだけ自由に休んでもらったり、有給休暇もしっかり取ってもらいます。
また、スタッフに呼ばれても、「えー」と言わず、心の中で「えー」と思ったとしても、「大丈夫大丈夫」と言っています。私が慌ててしまったら、示しがつかないからです。
私の座右の銘は「神色自若」です。どんな状況でも、落ち着いて行動できるように意識していますが、できているかどうかは分かりませんね(笑)。
家庭との両立はいかがですか?
- 当院に来て15年目ですが、3人の子どもも何とか育ちました。家庭との両立にあたっては外科から不満を言われないように、時間内にきちんと仕事をしないといけないと思います。9時から17時までは効率良く仕事をして、17時に「さよなら」と帰ります(笑)。
子どもはある程度は犠牲になった部分があったかもしれません。ただ、手をかけた方がいいわけでもないでしょう。以前、仕事を辞めようと考えていたときに、彦根市立病院の麻酔科部長でいらした橋田敏子先生に「先生、一生懸命に働いていれば、その親の姿を見て、子どもは育つんだから、何とかなるわよ」と言われました。橋田先生のところはお子さんが既に医師になっていらっしゃるのですが、お子さんが大きくなったときに「ママが働いていてくれて、本当に良かった」と言われたらしいんです。だから「先生も働きなさい」と言ってくださったんですね。
私が忙しいときは子どもにとって十分な母親ではないかもしれませんが、私の両親を含めた皆に助けられて、両立してきました。
これまでのキャリアを振り返って、いかがですか?
- 一時的に仕事を辞めようとか、セーブしようとか思ったことが何回もありますが、途切れずに仕事してきて、本当に良かったです。子どもも昔は「ママが仕事をしていて良かった」と言うことはありませんでしたが、今は言ってくれるようになりました。当院も私が来てから症例が増えてきましたし、当院が私をどう評価しているのかはともかく(笑)、私は当院に来て仕事ができて、良かったです。
河端先生の治療方針
「自分の親ならどうする?」と考えて選択するように
患者さんが麻酔や手術をするとき、患者さんの治療方針を決めるときに、自分の親ならどうするのかと考えて、選択するようにしています。自分の親だと思うと、できるだけ痛みがないようにしようなど、一生懸命になるものです。外科医がオーバーインディケーションになったときも、この患者さんは自分の親だと思うと「やりすぎだから止めて」と言えるわけです。
一方で、当院には救命救急センターがあるので、どうしようと焦ってしまうような局面があります。そのようなときに、部長の私が慌ててしまえば、それがほかのスタッフにも移ってしまいます。そうならないよう、心の中ではどうしようと焦っていても、絶対に慌てず、常に落ち着いて、平常心で治療ができるように心がけています。
長浜赤十字病院とは
働きやすい環境が整っていると思います
河端
私自身は育児休暇などは全く使っていないのですが、子どもが3才になるまでは育児短時間勤務制度がありますし、保育所への優先入所などもあり、大学病院よりは働きやすい環境が整っていると思います。また、当院には女性医師専用の「ラウンジ」という休憩室があります。当直明けの疲れているときや休みたいときに休めます。
洲崎
色々な制度が整えられていると感じます。
勤務体系を臨機応変に選べるのがいいですね
河端
スタッフには有給休暇の消化を勧めています。勤務体系も大学病院とは異なり、週に3日勤務の非常勤の医師や、週に3日で9時から17時まで、残業なしで働いている医師もいます。そうした勤務体系を臨機応変に選べるのがいいですね。
休日の過ごし方
河端
趣味はスポーツ観戦です。子どもが3人ともスポーツをしていますので、子どもが自宅にいた頃は子どものスポーツの観戦に行っていました。
夫はスポーツ関係の大学教員をしていますので、スポーツに詳しく、チケットも手に入りやすい環境にあるので、コロナ禍になる前はプロや日本代表の試合を観に行ったりもしていました。
最近は飼っている犬と近くの公園に散歩に行ったり、できるだけ羽根を伸ばすようにしています。
洲崎
旅行が好きなのですが、今は行けないのが残念です。そのかわり、映画を観たり、スマートフォンでアマゾンプライムを楽しんだりしています。
人と話すことも好きなので、大森先生の家に行って、ご飯を食べることもあります(笑)。
大森
私も似たような感じです(笑)。あまり外出できないし、外食にも行けないから、洲崎先生と2人で作って食べたり、家でのんびり過ごしています。
洲崎
遠くの病院で研修している友達とオンラインで話すこともありますね。