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2020-02-29

横浜市立みなと赤十字病院 part2

全国の赤十字病院の中から、神奈川県の横浜市立みなと赤十字病院にお伺いしました。研修のプログラム、1日のスケジュールなど、現場の声が聞けるインタビューです。

初期研修医&牧山先生&小村先生 座談会

横浜市立みなと赤十字病院を選んだ理由は?

横浜市立みなと赤十字病院を選んだ理由は?

@大橋 美華子 Mikako Ohashi
私はここの近くの高校に通っていたので、土地に馴染みがあったのと救急ですね。見学に来たときの印象も良かったです。
@板木 春衣 Harui Itaki
私も地元が横浜で、ここの近くの高校出身です。初期研修2年間で救急をきちんとしたかったのと、そのときは行く診療科が決まっていなかったので、全科をしっかり回れるところが良くて、当院を選びました。
@鈴木 樹里 Juri Suzuki
私は実家から離れて、横浜に住んでみたかったんです(笑)。その頃から内科を考えていたので、内科の診療科が揃っている当院が良かったです。
@佐藤陽香 Haruka Sato
私は大学は浜松ですが、実家が東京なので、関東に戻りたかったのがまずあります。将来は医局に入ることを想定して、大学病院なども見学に行ったのですが、東京医科歯科大学の医局に入る可能性も考えました。当院は消化器内科と産婦人科が医科歯科なので、それも考えて、当院にしました。外様なので、色々と心配だったんです(笑)。

見学に来たのはいつですか?

見学に来たのはいつ?

@大橋 美華子 Mikako Ohashi
私は6年生のときの5月1日です。当院は年に1回しか、見学に来られないんです。
@板木 春衣 Harui Itaki
私は5年生の夏休みです。
@鈴木 樹里 Juri Suzuki
早い!私は6年生の6月です。見学会に来ました。

見学での印象はどうでしたか?

@大橋 美華子 Mikako Ohashi
大学の2つ上の先輩が当院で研修していたんです。その先輩が救急を回っているときに見学に来ました。もともと元気な方で、キャラクターは変わっていなかったのですが、色々な仕事をしっかりとされているのを見て、こんなふうになれるんだと思いました。
@鈴木 樹里 Juri Suzuki
私は周りの環境に影響を受けやすいので、周りも同じようにやる気があって、救急や研修を頑張ろうと思っている人がいる病院が良かったんです。見学でそんな雰囲気を感じられたので、当院を選んだというのもあります。

横浜市立みなと赤十字病院での初期研修について教えてください。

初期研修のプログラムについてはいかがですか。

@板木 春衣 Harui Itaki
自由度は高いと思います。大学病院のようなところは年度が始まるときに全部、決まっていて、途中で変えられないと聞いたことがありますが、当院は市中病院なので、各部長に電話一本で調整していただくことができます。割とフレキシブルに対応していただいています。
@大橋 美華子 Mikako Ohashi
産婦人科、精神科、小児科を全部回る病院なんです。これらの科が必修な病院はあまりないので、そこをメリットととるか、デメリットととるかですね。私はまだ回っていないですが、メリットだと思っています。
@佐藤陽香 Haruka Sato
2年目になると選択期間が8カ月あるので、自由度は高いですね。自分で色々と変えることもできます。私も科を決めるにあたって、ここに早く行きたいとか、ここをもう少し長く回りたいなど、時間を経るにつれて考え方も変わってくるので、それに合わせて変えていただきました。
@大橋 美華子 Mikako Ohashi
私も去年、進路の悩みがあったので、変えました。気になる科を回ることにしたんですが、変えてみて良かったですね。

病院に改善してほしいことはないですか。

@大橋 美華子 Mikako Ohashi
病棟などで電波が悪いんですよね。
@鈴木 樹里 Juri Suzuki
Wi-Fiですね。
@大橋 美華子 Mikako Ohashi
それを直してほしいです。
@佐藤陽香 Haruka Sato
携帯も繋がらないことがあるよね。
@板木 春衣 Harui Itaki
調べ物のときに困ります。
@牧山 祐希 Yuki Makiyama
場所を選びますよね。細かいところが結構、繋がらないんです。

救急について教えてください。

横浜市立みなと赤十字病院の救急はいかがですか。

@大橋 美華子 Mikako Ohashi
ほかの病院を知らないので分からないのですが、当院の件数が多いのは間違いないと思います。
@鈴木 樹里 Juri Suzuki
ファーストタッチして、オーダー出して、アセスメントするところまで、上の先生がある程度、研修医に任せてくださいます。結構忙して、回転も早くしないといけないのですが、自分で考えてすることはできるのかなと思います。
@佐藤陽香 Haruka Sato
勉強になったとは思いますが、2カ月半だったので意外に短いんです。

当直回数はどのぐらいですか。

@鈴木 樹里 Juri Suzuki
月に5回ぐらいです。日中だと上の先生がいますが、夜はウォークインの患者さんだったら、自分で呼ばない限りは上の先生の目はありません。責任が重いですが、最後には上の先生の目も入るので、安全な野に放たれつつ、最後の目が行き届くようになっているのは良い点です。とても勉強になります。
@板木 春衣 Harui Itaki
歩いてくる人でも脳梗塞や急性心筋梗塞の人がいるので、先入観を持って診療せずに、症候から病態を考えることや豊富な疾患の中から緊急性のある疾患を見極めることが大事だと思っています。
@牧山 祐希 Yuki Makiyama
私は子どもが生まれてからは科から救急外来を免除してもらっているので、外科系の日直が当たるときの救急ぐらいで、前線はあまりありません。研修医の先生に呼ばれたら行きますが、日によりますね(笑)。

先生は北見赤十字病院などにもいらしたんですよね。

@牧山 祐希 Yuki Makiyama
医師が少ない病院はかなり忙しかったです。当院は当直医が多くて、相談できるのがいいですね。北海道での勤務医時代は救急車もウォークインも3人ぐらいで診ていたこともあります。自家用車で来て、ご家族が「具合がすごく悪そうなんです」と、患者さんを車から降ろしたら、心停止で、「あ、止まってる!」ということもありました。すぐに心カテ室に運ばれて救命されていましたよ。

すごいですね。

@牧山 祐希 Yuki Makiyama
救急は色々なドラマがありますね。そういうのを見ると、ウォークインだからって、侮れないと思います。
@鈴木 樹里 Juri Suzuki
最近は1年目の初期研修医と救急外来で一緒に働くこともあります。自分がこういうふうに教えてもらいたかったなとか、去年はこういうことで困ったから、一緒に考えて教えられたらいいなと思っています。でも一緒に学ぼうという姿勢を持つようにしています。
@板木 春衣 Harui Itaki
今の時期は始まって2カ月ぐらいしか経っていないので、もう少し時間が経てばと思いますね。患者さんが大勢いらっしゃると、1年目の人にお任せしないといけない部分が増えますが、どこかで一度、「大丈夫?」と目を通して、聞きに行くようにしています(笑)。

自分のこともしつつ、「大丈夫?」と言いに行くのもしつつだなんて、偉いですね。

@大橋 美華子 Mikako Ohashi
大丈夫じゃないよね(笑)。
@板木 春衣 Harui Itaki
ときどきありますね(笑)。大丈夫じゃないときはどうするかな。
@鈴木 樹里 Juri Suzuki
「ここ、こうしようか」とか、「これ、やっとくね」とかかな。

成長を実感しますか。

@佐藤陽香 Haruka Sato
だといいですね(笑)。
@牧山 祐希 Yuki Makiyama
去年の自分は別人でしょ。当直していても、2年目の先生たちは全部できています。お任せですし、こちらが聞くこともあります。1年目の今の時期なら、全部やってあげないと難しいでしょう。1年で大きく変わります。2年目の先生たちがいないと、回りませんよ。
@小村理恵 Rie Komura
麻酔科は1年目の先生たちは必修なんです。2年目になって選択で回ってくれる先生がいると、随分と成長していて、頼もしく、有り難い存在です。「取ってください」みたいな(笑)。
@牧山 祐希 Yuki Makiyama
耳鼻咽喉科の手術だと、麻酔科医は2年目の先生だけいたりしますが、頼もしいので、お任せしています。
@小村理恵 Rie Komura
1年目でも4月と3月では顔が全く違っていますね。自信があるというか。
@牧山 祐希 Yuki Makiyama
最初は何を聞いたらいいのかも分からないところから、「このときは何をすればいいですか」みたいに、分からないところが分かっているというふうに成長していますよね。「先生、ちゃんとカルテを書いてください」と言われたこともあります(笑)。今、麻酔科にいる先生が2年目のときのことですが、「先生、書いておきました」って。
@小村理恵 Rie Komura
失礼しました(笑)。
@牧山 祐希 Yuki Makiyama
救急にいらした患者さんを研修医が診たときやその科を回っている研修医が当直したときのレポートを、指導医という立場で承認するのですが、研修医がしっかり書いてくれるから、200件を承認したり、承認するだけで30分かかったりすることがあります。
@小村理恵 Rie Komura
研修医が夜、しっかり働いているんだなと実感しますね。「お疲れ様。眠いよね」と思いながら、承認しています(笑)。

研修医室について教えてください。

同期は何人ですか。

@鈴木 樹里 Juri Suzuki
13人です。女子が5人で、男子が8人です。

皆さん、仲良くしていますか。

@板木 春衣 Harui Itaki
仲はいいですね。

研修医だけの部屋はありますか。

@大橋 美華子 Mikako Ohashi
あります。1、2年目が一緒の部屋なのですが、一部、3年目から5年目の先生方もいらっしゃいます。

良い雰囲気なんですね。

@大橋 美華子 Mikako Ohashi
日々の業務に関係ない話も色々としています。
@板木 春衣 Harui Itaki
色々とね(笑)。
@大橋 美華子 Mikako Ohashi
かなりうるさいと思います(笑)。

働き方改革について教えてください。

働き方改革で取り組んでいることは?

@小村理恵 Rie Komura
麻酔科に関して言えば、残っている症例があったら、誰がこれを引き継ぐというのは明確になってきました。次の日のこともあるので、個人的な勉強などがなければ、早く帰れるようにはなっています。でも実際には症例も残っているので、なかなか帰れないですね。当番でなければ、帰るようにはなりました。

先生方は何時頃に退勤されるのですか。

@小村理恵 Rie Komura
私は遅いときで18時半です。保育園に19時までに迎えに行きたいですね。今後は小1の壁があるんだろうなと思いますが、まだ保育園なので18時半には帰るようにしています。科の中では私が一番早く、ほかの先生方はもう少し働いています。ただ、最近はだらだらしないようにしようという意識になってきました。
@牧山 祐希 Yuki Makiyama
もう少し早く帰りたいという気持ちはあります(笑)。でもやはり終わらないことがあるんですよね。早く終われる日は皆で16時に病棟ラウンドしよう、17時に出よう、今日は早く回るぞということもあります。それが毎日だといいんですけどね(笑)。手術日は週に3回ありますが、手術より外来の方が辛いですね。これは好き嫌いなのかもしれませんが、外来が終わらない、カルテを書き切れないといったことに追われています。
@小村理恵 Rie Komura
忙しいですよね。日々、追われています。
@牧山 祐希 Yuki Makiyama
今月も終わりかという感じで過ぎていきますね。看護師さんや看護スタッフが増えたらいいなと思います。
@大橋 美華子 Mikako Ohashi
私たちの忙しさは回る科によりますね。外科系は忙しいかなと思いますが、私は回った科が全部、楽しかったです。
@牧山 祐希 Yuki Makiyama
いいことだね。そういう先生は何をしても大丈夫だよ。
@大橋 美華子 Mikako Ohashi
ずっと研修医がいいです(笑)。
@小村理恵 Rie Komura
ずっと研修医(笑)。
@大橋 美華子 Mikako Ohashi
ずっと研修医がいいのですが、今は進路のことしか頭にないです(笑)。

寮について教えてください。

皆さん、お住まいは寮ですか。

@板木 春衣 Harui Itaki
皆、寮に住んでいます。

寮住まいが必須なのですか。

@板木 春衣 Harui Itaki
必須ではないのですが、世帯を持っていない限りは寮に住んでいますね。
@大橋 美華子 Mikako Ohashi
道路を挟んで向かい側なので、通勤が楽です。住み心地もいいですよ。

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