女性医師連載

2021-05-31

秋田赤十字病院 | インタビューが繋ぐ全国で活躍する女性医師

インタビューが繋ぐ全国で活躍する女性医師。秋田赤十字病院でおうかがいしました。勤務内容や1日のスケジュール、家庭と仕事の両立など、女性医師ならではの声が聞けるインタビューです。

プロフィール

渡邊 理子先生秋田赤十字病院 形成外科

    • 2004年 3月秋田大学医学部卒業
    • 2004年 4月秋田赤十字病院 初期臨床医
    • 2006年 4月昭和大学形成外科入局
      昭和大学病院勤務
    • 2006年 7月山梨県立中央病院形成外科勤務
    • 2008年 7月社会保険船橋中央病院形成外科勤務
    • 2006年 7月秋田赤十字病院形成外科勤務
    • 2009年 秋田赤十字病院形成外科 常勤へ
    • 2010年 結婚
    • 2011年 1月形成外科専門医取得
    • 2011年10月出産
      (2011年9月~2012年1月 産休・育休)
    • 2017年11月秋田赤十字病院形成外科部長就任
    • 日本形成外科学会形成外科専門医
    • 領域指導医
    • 小児形成外科分野指導医
    • 日本創傷外科学会専門医
    • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了 など

目次|contents

医師を目指したきっかけと研修病院選び

医師を目指したきっかけから、お聞かせください。

渡邊得意教科が理系科目だったので、最初は工学部に進学しました。医学部は頭のいい人が行くところだと思っていたので、高校生のときは選択肢にありませんでした。工学部に入学し、機械知能工学を学んでいるうちに医療機器などが面白そうだと興味を持ち、そのときに医学部という選択肢もあったのだと気づきました。それでもう一度受験勉強をして、医学部を再受験しました。

大学卒業後は秋田赤十字病院で初期研修をなさったのですね。

渡邊大学に入学した頃はほかの科を考えていましたが、いつの頃からか形成外科に興味が絞られていきました。しかし、秋田大学には形成外科の医局がなかったため、形成外科のある秋田赤十字病院で初期研修をすることにしました。
秋田赤十字病院の形成外科で当時、部長をされていた飯田直成先生からは「形成外科に行く前に、初期研修では色々な科を回った方がいい」というアドバイスをいただきました。それで他科を回っているうちに形成外科よりも面白い科があればそちらへ進もうと思っていたのですが、形成外科よりも興味をひかれる科がなかったので、形成外科を専攻することにしました。

手技中の渡邊先生

手技中の渡邊先生

形成外科の面白さはどんなところにあったのですか。

渡邊私は算数や数学が好きなのですが、形成外科にはそういった図形的な考えを使うことがあります。そこがとても面白いと思っています。

初期研修終了後は昭和大学に入局されたのですね。

渡邊秋田赤十字病院の形成外科は昭和大学の関連病院なのです。将来、秋田に戻ってこられたらいいなと思ってはいましたが、本当に戻ってくることになるとは想像していませんでした。

秋田赤十字病院に来られたのは医局人事ですか。

渡邊そうです。卒後6年目の7月に来ました。昭和大学に入局したときの同期が卒後5年目で当院に異動したので、私にはチャンスがないのかと思っていたところ、翌年に異動の話をいただけたので、嬉しかったですね。

秋田赤十字病院でのキャリア

秋田赤十字病院での勤務内容をお聞かせください。

渡邊フルタイム勤務で、月曜日の午前は局所麻酔での手術、午後は外来です。火曜日は終日、全身麻酔での手術です。水曜日の午前は全身麻酔での手術で、午後は外来です。木曜日の午前は局所麻酔での手術で、午後はレーザー外来と院内の褥瘡回診があります。金曜日の午前は全身麻酔での手術、午後は外来です。

病棟や当直のお仕事はどのようなものがありますか。

渡邊朝、病棟を回診して、入院患者さんの処置と診察をし、夕方にまた回診しています。当院は第三次救急指定病院で、その救急当直を各科で分担しています。当直の件数は月に2、3回です。救急の仕事は正直苦手ですが、何とかやっています。救急当直では初期研修医の指導もします。

先生のご専門についても、お聞かせください。

渡邊まだ専門というものを決めるほどのキャリアではないです。秋田県には形成外科のある病院は非常に少なく、専門医の数も恐らく日本で一番少ない都道府県だと思います。
そうすると、特定の疾患が集中するということはなく、外傷、先天奇形、難治性潰瘍、皮膚腫瘍など、様々な分野の症例が集まります。そうして集まってくる症例をできる範囲で診ていこうと考えています。

形成外科には専攻医もいらっしゃいますよね。

渡邊卒後4~6年目の専攻医が昭和大学から来ています。若い先生方に自分のやり方を押し付けることは極力避けたいと思っていますが、本人のやり方に理屈や理由がみられないときには、私の考えを述べた上で指導するようにしています。

渡邊先生の診療上心がけていること
「患者さんとスタッフの時間を浪費しない」

渡邊先生とスタッフ

時間に関しての感覚は個人差があると思いますが、私は自分の時間を無駄に消費されることが好きではありません。それは患者さんも一緒に働いているスタッフもそうでしょう。

コロナ禍でのこの一年を見ていても感じることですが、終わりが見えない時間制限というのは、非常にストレスの高いことなのだと思います。患者さんに「入院です」と言うと、ほとんどの方が「はい」と承諾してくれますが、その際に「いつまで入院するのか」「社会生活に戻れるのはいつか」なども伝えるようにしています。形成外科の患者さんは他科と比べると元気な方が多いので、社会に戻るタイミングは重要です。

そして手術も、予定した時間内に終われるようにします。
時間を守ろうとすると、看護師さんたちも協力してくれますし、結果スムーズに診療することができるのだと思います。

秋田赤十字病院で実現した仕事やキャリアはどういったものですか。

渡邊私はキャリアを積み重ねようと思いながら今に至ったということが実はありません。部長に就任したことにしても、前任の飯田先生がご出身地の関東に戻られることになり、そこで空いたポストに入ったにすぎないので、自分で獲得したとか、努力して勝ち得たという実感があまりないです。
ただ与えられた仕事やポストに関しては一生懸命に取り組んできました。当院は色々な症例がバランスよく集まる病院であり、若手医師が経験を積むには最適な環境です。指導医として、そうした先生方の成長もサポートしたいと考えています。

部長職ならではのお仕事もなさっていますか。

渡邊会議や委員会への出席、書類関係の雑務など、思っていた以上に診療以外の仕事が多いです。

先生以外に女性の部長はいらっしゃいますか。

渡邊小児科、乳腺外科、麻酔科は女性の部長です。女性医師の割合が大きい病院ではありますが、私よりも若い先生方が多いので、部長職は少ないのですが、副部長ポストに就いている女性医師は何人かいます。

仕事とプライベートの両立

日本赤十字社での女性医師の働き方について、お聞かせください。

渡邊日本赤十字社全体のことはよく分かりませんが、秋田赤十字病院での勤務について言うと、私自身は女性だから大変だったとか、女性だから得をしたということがありません。自分が女性であることを意識した場面にあまり直面してこなかったので、そういった意味ではとても働きやすい病院なのだと思います。
また各科の垣根がとても低く、何か困ったときには相談しやすいです。お互いが親身になって、お互いの診療をサポートできているのが当院のいいところだと思います。

ご出産後はどのようなタイミングで復帰されたのですか。

渡邊小学4年生の長女がいます。出産後は4カ月で復帰しました。育児短時間勤務制度は利用せず、フルタイムで復帰したのですが、しばらくの間は救急当直を免除していただきました。

保育所はすぐに見つかりましたか。

渡邊最初は難しいのかなと思っていたのですが、運良く希望の保育園に入れました。秋田ですと、自宅からの距離の問題はありますがどこにも入れないということはないですし、待機児童になることはまずありません。
子どもも今は大きくなっていますので学童保育には行かず、放課後は自宅に帰ってきています。自宅の隣が夫の実家なので、おじいちゃん、おばあちゃんと過ごしていることもあります。

先生ご自身はワーク・ライフ・バランスをどのように実現していらっしゃいますか。

渡邊私が当院に赴任したとき、前部長の飯田先生が「5時になったときに僕が(部長が)残っていても、自分の仕事が終わっていたら帰っていいからね」と言ってくださいました。それが私にはとても有り難かったので、私も下の先生には同じように伝えています。可能な仕事は日中に終え、なるべく5時までに仕事を終わらせて退勤しています。
もちろん、残業があるときは残りますし、臨時の手術が入ることもあります。でも、特に用が無いのに何時に帰れるか分からないと思うと、だらだらと仕事をしてしまうのではないでしょうか。
夕食の支度があるので、5時からが第2ラウンドです。帰宅時は、病院から自宅まで車で15分ほどの距離を、何をどの順で作るのか考えながら運転しています。

家事とどのように両立されているのですか。

渡邊家事はそんなに真面目にやっていません(笑)。衣食住のうち、自分にとって一番大事なのは食なので、食事はきちんと作っています。

  • 17時までのスケジュール
  • 17時以降のスケジュール

秋田赤十字病院の福利厚生

24時間対応が評判の院内保育所

24時間対応が評判の院内保育所

秋田赤十字病院の福利厚生などはいかがですか。

渡邊院内保育所もありますが、長女が保育所を卒園する頃にできたので、私は利用できませんでした。今、周りの女性医師や看護師さんが使っていますが、24時間対応ですし、評判はいいですよ。
また、有給休暇も取りやすいです。全て消化することは難しいですが、夏休みは長めに取っていますし、下の先生にも長めに取るように言っています。
年に1回は海外に行きたいと思っていますが、コロナ禍になってからは難しいですね。

直撃! Q&A

医師として、影響や刺激を受けた人はいますか?

渡邊先生 9年近く一緒に働いた飯田先生です。一言で言うと、要領のいい先生なんですよ。要領よく見える裏ですごく努力もされています。持ち前の資質に加えて、努力で得たものもあり、手術も素晴らしいですし、多くの論文もお書きになっています。かと言って、仕事人間というわけでもなく、プライベートでも色々なことをされていました。ご一緒できて、楽しかったです。

これまでのキャリアの中で、一番印象に残っている出来事はありますか?

渡邊先生 一つのエピソードというわけではないのですが、飯田先生がお辞めになると伺ったのがかなり急なタイミングでした。「寝耳に水」というのはこういうときに使う言葉なのだなと思ったぐらいです(笑)。お辞めになると伺ってから退職されるまで、数カ月はありましたが、飯田先生が担っていた範囲がとても広かっただけに、大丈夫なのかという不安がありました。それまでの自分がいかに飯田先生に頼っていたのか、改めて認識しましたね。それからの1年は初めて経験する手術も数多くあり、本当に大変でしたが、その都度、勉強していきました。

趣味など、プライベートの楽しみについて、お聞かせください。

渡邊先生 旅行が好きなのですが、コロナ禍では全く行けないので、去年からキャンプを始めました。秋田県内のキャンプ場をいくつか回りましたが、空いているところに行っています。オーブンを買ったので、家族でバーベキューをして楽しんでいます。

座右の銘などはありますか。

渡邊先生 私は「運も実力の内」という言葉が好きです。私は運がいいとか、悩みがなさそうだとよく言われるんです(笑)。運がいいという自覚はそんなにないのですが、振り返ってみると運が良かったなと思えることはあります。運だけでやってきたわけではありませんが、どのように努力してきたのかは分からないですね。

メッセージ動画

病院アピール

概要

  • 病院外観
  • 名称秋田赤十字病院
    所在地〒010-1495 秋田市上北手猿田字苗代沢222番地1
    電話番号018-829-5000(代)
    開設年月大正3年7月
    院長小棚木 均
    休診日土曜、日曜日、祝日、創立記念日(7月1日)
    年末年始(12月29日~1月3日)
    病床数480床

診療体制

診療科目・部門

内科、腎臓内科、代謝内科、血液内科、神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、腫瘍内科、精神科、小児科、消化器外科、乳腺外科、呼吸器外科、心臓血管外科、小児外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、麻酔科、リハビリテーション科、救急科、緩和ケア内科、病理診断科

資格・認定施設一覧

機関指定

  • 機関指定
  • 救命救急センター(第三次救急指定病院)
  • 救急告示病院
  • 臨床研修指定病院
  • 総合周産期母子医療センター
  • 外国医師臨床修練指定病院
  • 地域災害拠点病院(地域災害医療センター)
  • 秋田県難病診療分野別拠点病院(神経・筋疾患)
  • 臓器提供病院
  • エイズ治療拠点病院
  • 地域がん診療連携拠点病院(特例型)
  • (財)救急振興財団救急救命士実習施設
  • 秋田県立衛生看護学院助産科実習施設
  • 日本赤十字秋田看護大学看護学科実習施設
  • 秋田DMAT指定病院
  • 秋田県ドクターヘリ基地病院
  • 日本医療機能評価機構認定病院
  • 卒後臨床研修評価認定病院
  • 地域医療支援病院
  • 人間ドック健診施設機能評価認定病院
  • 看護師特定行為研修指定研修機関

専門医研修施設等の認定

    • 日本内科学会認定医制度教育病院
    • 日本透析医学会認定医制度教育関連施設
    • 日本腎臓学会認定研修施設
    • 日本糖尿病学会認定教育施設
    • 日本神経学会専門医制度教育施設
    • 日本呼吸器学会認定施設
    • 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医教育研修施設
    • 日本超音波医学会認定超音波専門医制度研修基幹施設
    • 日本消化器内視鏡学会認定専門医制度指導施設
    • 日本消化器病学会専門医制度認定施設
    • 日本循環器学会認定循環器専門医研修施設
    • 日本小児科学会小児科専門医研修施設
    • 日本周産期・新生児医学会新生児認定施設
    • 日本周産期・新生児医学会母体・胎児認定施設
    • 日本消化器外科学会専門医制度修練施設
    • 日本外科学会外科専門医制度修練施設
    • 日本大腸肛門病学会認定施設
    • 日本乳癌学会認定施設
    • 日本整形外科学会専門医研修施設
    • 日本脊椎脊髄病学会椎間板酵素注入療法実施可能施設
    • 日本肝臓学会認定施設
    • 日本リウマチ学会教育施設
    • 日本航空医療学会認定指定施設
    • 日本形成外科学会専門医制度認定施設
    • 日本リハビリテーション医学会研修施設
    • 日本脳神経外科学会専門研修連携施設
    • 呼吸器外科専門医合同委員会認定専門研修連携施設
    • 日本泌尿器科学会専門医教育施設
    • 日本産科婦人科学会専門研修連携施設
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定専門医研修施設
    • 日本医学放射線学会放射線科専門医修練機関
    • 日本麻酔科学会認定病院
    • 日本病理学会研修認定施設(B)
    • 日本臨床細胞学会認定施設
    • 日本脳卒中学会認定研修教育施設
    • 日本脳卒中学会認定一次脳卒中センター
    • マンモグラフィ(乳房エックス線写真)検診施設
    • 日本精神神経学会精神科専門研修連携施設
    • 日本臨床腫瘍学会認定研修施設
    • 日本静脈経腸栄養学会認定NST稼働施設
    • 日本がん治療認定医機構認定研修施設
    • 日本急性血液浄化学会認定施設
    • 日本消化管学会胃腸科指導施設
    • 日本皮膚科学会認定専門医研修施設
    • 日本女性医学学会専門医制度認定研修施設
    • 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会インプラント実施施設
    • 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会エキスパンダー実施施設