医師を目指したきっかけから、お聞かせください。
渡邊得意教科が理系科目だったので、最初は工学部に進学しました。医学部は頭のいい人が行くところだと思っていたので、高校生のときは選択肢にありませんでした。工学部に入学し、機械知能工学を学んでいるうちに医療機器などが面白そうだと興味を持ち、そのときに医学部という選択肢もあったのだと気づきました。それでもう一度受験勉強をして、医学部を再受験しました。
大学卒業後は秋田赤十字病院で初期研修をなさったのですね。
渡邊大学に入学した頃はほかの科を考えていましたが、いつの頃からか形成外科に興味が絞られていきました。しかし、秋田大学には形成外科の医局がなかったため、形成外科のある秋田赤十字病院で初期研修をすることにしました。
秋田赤十字病院の形成外科で当時、部長をされていた飯田直成先生からは「形成外科に行く前に、初期研修では色々な科を回った方がいい」というアドバイスをいただきました。それで他科を回っているうちに形成外科よりも面白い科があればそちらへ進もうと思っていたのですが、形成外科よりも興味をひかれる科がなかったので、形成外科を専攻することにしました。
手技中の渡邊先生
形成外科の面白さはどんなところにあったのですか。
渡邊私は算数や数学が好きなのですが、形成外科にはそういった図形的な考えを使うことがあります。そこがとても面白いと思っています。
初期研修終了後は昭和大学に入局されたのですね。
渡邊秋田赤十字病院の形成外科は昭和大学の関連病院なのです。将来、秋田に戻ってこられたらいいなと思ってはいましたが、本当に戻ってくることになるとは想像していませんでした。
秋田赤十字病院に来られたのは医局人事ですか。
渡邊そうです。卒後6年目の7月に来ました。昭和大学に入局したときの同期が卒後5年目で当院に異動したので、私にはチャンスがないのかと思っていたところ、翌年に異動の話をいただけたので、嬉しかったですね。