先生方が専門の科目を選ばれたのはどうしてですか。
金山整形外科は手術後や退院するときに「良くなった」、「歩けるようになった」みたいにプラスで終わることが多い科だからです。初期研修2年目の5月か6月ぐらいに決めました。
平井私は内科系にしようとは決めていたのですが、初期研修1年目にほぼ全ての内科を回った中で、一番「やってみよう」と思えたのが消化器内科だったんです。消化器内科をしたい、内視鏡をしたいと明確なビジョンがあったわけではありませんでしたが、分野として一番興味がありました。決めたのは締め切りとほぼ同時の6月か、7月ぐらいです(笑)。そろそろ決めないといけないというときに何度も考え、やはり消化器内科だなという感じで選びました。
金山いくつかの病院を見たのですが、自分のやりたいことが当院にありましたし、今度は難しい内容の専門分野に進むので、それ以外の環境をできるだけ変えたくなかったという思いもありました。
平井分かります(笑)。
金山やりたいことは外傷です。だから、外傷が来ない病院よりは外傷をしっかり診られる病院が良かったんです。当院は三次救急の病院ですし、勉強したいことができる環境でした。
平井当院は消化器内科がかなり盛んなので、消化器内科を専攻するのであればほかに移る必要がありませんでした。色々な内容をまんべんなくできますし、件数も多いです。雰囲気も分かっているので、消化器内科に決めた時点で、ほかの病院に見学に行ったりもしていません。環境が分かっているのは有り難かったですね。
大津赤十字病院の専攻医研修のプログラムの特徴をお聞かせください。
金山私は当院の整形外科専門研修プログラムで研修中です。特徴としては市中病院でしっかり経験を積みつつ、京都大学医学部附属病院でも研修できるということです。市中病院の連携先として、長浜赤十字病院、市立長浜病院、髙島市民病院、滋賀県立小児保健医療センター、滋賀県立総合病院、京都府の洛和会音羽病院、福井県の福井赤十字病院、林病院があります。半年ぐらいで次の病院に移らないといけない専門研修プログラムの病院もありますが、当院のプログラムだと一つの病院に長くいることができる分、深く勉強できそうです。
平井私は当院の内科専門研修プログラムです。このプログラムには2コースあり、基幹施設2年間に加え、連携施設1年間の3年間の研修期間を基本とする「サブスペシャルティ重点研修コース」と、基幹施設3年間に加え、連携施設1年間の4年間の研修期間を基本とする「内科・サブスペシャルティ混合コース」があります。どちらにしろ、1年間は外の病院に行かなくてはいけません。私は4年間の「内科・サブスペシャルティ混合コース」なので、再来年は外の病院に行くかもしれないです。このコースは同じ病院でしっかり研修できますし、地域の病院にも行けるのがいいかなと思っています。外の病院は行く数カ月前に決まるので、まだ先のことですね。私の中で候補に挙げている病院もありません(笑)。
専攻医研修の今の勤務内容をお聞かせください。
金山朝のカンファレンスはある日とない日がありますが、午前中は外来に出ていることが多いです。午後は手術ですね。空いている時間には病棟に行ったり、救急当番をしています。手術は自分が受け持っている症例が週に3、4日ありますし、ほかの先生方の手術もあるので、ほぼ毎日、手術室に入っています。
平井患者さんが多いので、早めに出勤する日もあります。基本的には出勤後に病棟に行き、午前中は内視鏡、午後も内視鏡か救急当番です。私はまだ外来を担当していないので、病棟と内視鏡がメインの勤務内容です。
専攻医研修で勉強になっていることはどんなことですか。
平井先輩方の手技を目の前で見ているので、それはもちろん勉強になっていますし、初期研修医のときも責任を持って患者さんを診ていたのですが、やはり専攻医は患者さんの全てを診ていきますので、より大きな責任を伴います。その意味で、きちんと勉強しないといけないなという思いを持って職務にあたれるようになりました。私としては一番勉強になっているのは内視鏡です。先輩方の手技を間近で見られるだけでなく、熱心に教えていただいています。消化器内科には同期がいないこともあり、「やってみる?」と声をかけていただいて、内視鏡をさせていただくことが多いです。
金山私も外来や手術など、自分でやっていけそうなことを積極的にやっていける環境なので、そういう意味でのチャレンジ精神とともに臨んでいけることが日々勉強になっています。
指導医の先生の指導はいかがですか。
平井消化器内科には一応オーベン制度があるので、担当してくださっている指導医の先生がいます。熱心に教えてくださる方なので、困ったことはすぐに聞けますし、私が間違ったことをしていると説明してくださいます。色々なことを勉強させていただいています。
金山整形外科は誰につくといった制度はありません。上の先生にも、近い学年の先生にも聞きやすいです。先生方も聞いてくださったり、教えてくださるので、皆でやっている感じです。
大津赤十字病院で実現したキャリアはどのようなものですか。
平井私は専攻医になって半年も経っていないので、実現したキャリアというものはまだありませんが、色々な手技を少しずつさせていただいて、できることが着実に増えてきたかなと実感しています。実現というほどのことはできていませんが、これからの1年でしっかり頑張っていきたいです。
金山難易度で分けるわけではないのですが、最初のうちはコモンディジーズとされるような難しくないものから始まり、最近はよりしっかりした内容に進んできましたので、準備にも力を入れています。手術をするにしても難易度的な内容も変わっていますし、手術に対しての考え方も最初は手術だけで精一杯だったのですが、最近は手術後のプラスのことまで考えられるようになってきましたし、患者さんに合わせた選び方ができるようになってきました。
専攻医研修1年目との違いはどのようなものですか。
金山外来にしろ、手術にしろ、1年目のときと仕事の流れは変わっていないですね。
今後のキャリアプランをお聞かせください。
金山整形外科内にも細かい専門があるので、それを少しずつ決めて勉強していく形でしょうか。私は慢性疾患よりも急性疾患に興味があり、中でも外傷やスポーツ関連が気になっています。そういうビジョンが見えてきたので、そこに特化できるようにしていきたいです。
平井私はまだ駆け出しなので、習わないといけない手技がてんこ盛りの状態です。とにかく、その手技を学んでいくことが目下の目標です。長期的な目標やコースなどは決めていませんが、私は4年のプログラムなので、そのプログラムを乗り切って、専門性を究めるのか、オールマイティに行くのかといった方針を決めていけたらなと思っています。