女性医師連載

2021-12-31

姫路赤十字病院 | インタビューが繋ぐ全国で活躍する女性医師

インタビューが繋ぐ全国で活躍する女性医師。姫路赤十字病院でおうかがいしました。勤務内容や1日のスケジュール、家庭と仕事の両立など、女性医師ならではの声が聞けるインタビューです。

プロフィール|profile

  • 南絵里子 先生

    南 絵里子先生

    姫路赤十字病院 麻酔科

    • 兵庫県姫路市出身。
    • 2011年岡山大学卒業
    •  岡山赤十字病院 初期研修医
    • 2013年岡山赤十字病院 後期研修医
    • 2016年姫路赤十字病院勤務
    •  
    • 日本麻酔科学会麻酔科専門医、日本集中治療医学会集中治療専門医、日本呼吸療法医学会呼吸療法専門医、日本小児麻酔学会小児麻酔認定医、日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医、JB-POT認定試験合格、米国NBE Advanced PTEeXAM(周術期経食道心エコー認定試験) 合格など。
  • 山下千明先生

    山下 千明先生

    姫路赤十字病院 麻酔科

    • 兵庫県姫路市出身。
    • 2011年岡山大学卒業
    •  福山市民病院 初期研修医
    • 2013年福山市民病院 後期研修医
    • 2017年姫路赤十字病院勤務
    •  
    • 日本麻酔科学会麻酔科専門医・認定医、日本小児麻酔学会小児麻酔認定医など。

目次|contents

医師を目指したきっかけと研修病院選び・専門選び

カンファレンスでの南先生

医師を目指したきっかけから、お聞かせください。

一生かけてできる、やりがいのある仕事がしたいと思って医師を目指しました。家族や親戚には医師がいなかったのですが、小さい頃から医療系のドラマをよく見ていて興味を持ちました。

山下小学生の時、手塚治虫さんのブラックジャックを毎日読んでいました。手術と手術室が好きなのはその影響かもしれません。「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは思わんかね」という言葉がすごく印象的で、医者を志すきっかけになりました。

初期研修を振り返って、いかがですか。

2年の研修期間のうち、約1年間麻酔科を選択しました。救急医や麻酔科医を志望する同期が何人もいて、いつも誰かと一緒にローテートしていたので、和気あいあいとして楽しかったです。若手の教育に熱心な上級医ばかりで、恵まれた環境でした。

山下3次救急病院だったので、外傷系の緊急手術が非常に多かったです。できないことばかりで、できることを見つけて動くのに必死でした。多くの診療科が多発外傷患者さんの救命に携わり、診療科間、他職種間のコミュニケーションの重要性を学んだ2年間でした。

先生方が専門の科目を選ばれた理由はどのようなものですか。

救急外来やICUで活躍する麻酔科の先生の姿をみて、こんな風になりたいと思ったのが一番の理由です。もし何らかの理由で働き方に悩む時期があったとしても、麻酔を専門にしていれば、将来仕事先に困ることはないだろうとも思いました。

山下患者さんの頭元に立ち、手術全体を見渡して、刻一刻と変化する患者さんの状態に対応していく麻酔科の仕事は、自分の性格に合ってるなと思い決めました。

麻酔中の山下先生

後期研修を振り返って、いかがですか。

初めの頃は、麻酔・術前・術後診の繰り返しでした。手技の上達が遅かったので、落ち込む日が多かったです。ICU当直ではどんな患者さんが運ばれてくるんだろう、という不安が毎回ありました。麻酔標榜医を取った頃に妊娠・出産を経験し、体力的・時間的にそれまでこなせていた仕事もできなくなりました。全然活躍できなかった後期研修時代でしたが、ちゃんと一人前にならなきゃという思いが、産後も第一線で働き続ける原動力になりました。

山下後期研修中に2度の妊娠、出産を経験しました。当時麻酔科管理のICUが立ち上がったタイミングで忙しく、2人目は切迫早産で入院することになり、私も不完全燃焼の研修期間でした。ただ、出産のタイミングに正解はなく、初期後期研修中は早い、とか専門医取得後だと遅い、とかあまり悩みすぎる必要はないと思います。

病院の特徴はどのようなものですか。

播磨姫路医療圏の中核病院として120年の歴史があり、地域の皆さんからの信頼も厚い病院です。二次救急医療機関として18診療科体制で救急患者の受け入れを行い、災害拠点病院、がん診療拠点病院、総合周産期母子医療センターとさまざまな役割を果たしています。

初期研修での人気の秘密はどのようなものですか。

山下必須診療科以外の診療科が多く、研修医自身がプログラムを編成できます。高度医療、急性期医療、救急医療が集中し、専門性の高い症例が多く集まります。研修医専用棟があり、スキルラボ室が完備されています。

姫路赤十字病院でのキャリア

勤務中の南先生

姫路赤十字病院で勤務することになったのはなぜですか。

山下後期研修3年目の夏に大学の医局長の先生との面談があり、異動の際は地元である姫路周辺が希望です、と伝えました。いくつか選択肢を出していただき、あまり経験できていなかった小児麻酔、産科麻酔件数が多い姫路赤十字病院を選ばせて頂きました。

現在の勤務内容はどのようなものですか。

手術麻酔以外に集中治療やペインクリニック、無痛分娩も担当しています。今年の夏からは栄養サポートチーム(NST)の病棟回診に参加しています。緩和ケアの研修のため、チームラウンドに参加させていただくこともあります。

姫路赤十字病院で実現したキャリアはどのようなものですか。

幅広い勤務を経験させていただき、サブスペシャリティの専門医資格も取得することができました。自分の出産をきっかけに興味を持っていた、無痛分娩診療にも責任者の一人として参加しています。

山下まだまだ手がかかる2人の子育てをしながら専門医試験を受験することに不安でいっぱいでした。上司が口頭試問、実技試験対策をしてくださり、直前は勤務内容にも融通を利かせてくださり、皆さんのおかげで合格できたと思っています。

 

今後のキャリアプランをお聞かせください。

専門医を取った各分野の知識を日々ブラッシュアップしながら、若手の教育をしていくことが目標です。この分野なら何でも聞いて!と言えるような得意分野も持ちたいです。院内の役割的には、無痛分娩と栄養になりそうです。

山下麻酔医は手術室の司令塔と言われることがありますが、まさにそれが今後の目標です。自分の担当麻酔症例のことだけでなく、安全と効率を両立して手術室運営がスムーズにいくよう、その手助けをしていけたらなと思います。

お二人の診療方針

勤務中の山下先生

ご自身の診療方針はどういったものですか。

患者さんとのコミュニケーションは麻酔科でも大事だと思います。術前診察やペインクリニックの診療では、できる限り時間をとってお話を聞くことを心がけています。ICUでは人工呼吸中で会話ができない患者さんもおられますが、診察や検査をした後に声をかけて診察内容を伝えることで、不安を和らげてあげることが大事だと上級医から教わりました。

山下麻酔科医として何年も働いていると、日々の麻酔担当症例が多くのうちの一つという位置づけになってしまいがちです。でも患者さんにとってはオンリーワンの経験だと思って、不安に寄り添い丁寧な仕事をするよう心がけるようにしています。

若手への指導にあたって、心がけていることはありますか。

本人の興味の有無に関わらず、若いうちに手術麻酔以外にも集中治療やペインクリニック、無痛分娩などを幅広く経験すること、勉強することが麻酔科医としてのレベルアップにつながると思っています。後期研修医にはできるだけ多くの経験をさせてあげたいと思っています。

山下毎月少なくとも1人は初期研修医の先生が回ってきてくれます。麻酔科志望でない先生だとしても、今後自分の科に進んだ時に少しでも麻酔科研修が役に立つよう、気管挿管やルート確保といった基本的な手技を身につけてほしいという思いで指導にあたっています。

仕事とプライベートの両立

先生方はワーク・ライフ・バランスをどのように実現していらっしゃいますか。

もともと麻酔科はオンオフの切り替えがはっきりしている科なので、バランスはとりやすいかもしれません。自慢できる趣味がないのですが、コロナ禍で職場の仲間と食事したり、学会に行ったりする機会が減ってしまったことは、自分にとってはストレスだったようです。自分のための時間も大事だとわかりました。

山下平日は帰宅後、家事に追われて時間が取れない分、休みの日は子どもに費やす時間をたくさん作るようにしています。ただ、家事育児に少し疲れてしまうこともあり、一人の時間が欲しい時は、よくピアノを弾いています。

育児との両立についてもお聞かせください。

当直明けは早めに帰宅できるので、こどもの学校行事に合わせて当直を入れてもらうことがあります。普段は私の仕事が終わるまで、親が小学生の息子をみてくれます。仕事の時間も子供と過ごす時間も大事なので、省略できる部分として、家事は頑張りすぎないことにしました。夫は私より家事をしてくれますし、便利な最新家電も揃えています。食材の宅配サービスも便利です。

山下病院のそばに私の両親が住んでいるので、子どもの迎え、勉強の面倒、ご飯のおすそわけをしてくれます。子どもが家に帰ってきたときに「おかえり」と出迎えてあげたいなと思うこともありますが、子どもたちは逆に私を助けてくれます。小2の息子はお皿洗いが上手で、年長さんの娘は率先して料理の助手をしてくれます。

休みの日は何をされていますか。

こどもの習い事やイベントに付き合うことが多いです。親や親戚が近くに住んでいるので、集まって食事をすることもあります。外出しにくい日が続きましたが、自宅のリビングに新しく購入したプロジェクターでテレビや映画をみると、映画館に行った気分で休日を満喫できます。

山下習い事に連れて行ったり、一緒に買い物に行ったりします。あとは、今マイホーム建築中なので、工事の様子を見ながら、大工さんの仕事ってほんまにすごいね!と子どもたちも興味津々です。

姫路赤十字病院の働きやすさ・福利厚生

姫路赤十字病院の働きやすさはいかがですか。

山下娘が未就学児なので、常勤の育児短時間勤務制度を利用しています。マンパワーが充実しているので、急な子どもの発熱の際に快く仕事を代わってくださり、同僚の先生方にはいつも感謝しています。

姫路赤十字病院の福利厚生などはいかがですか。

院内保育園と病児保育があり、息子が小さい頃に預かっていただきました。保育園の先生たちは、大勢の子どもを預かっていてすごく大変なのに、私たちにも優しい声掛けをしてくださって、仕事で疲れているときには励まされました。
他の福利厚生としては、職員食堂がおいしいことが自慢です。麻酔科スタッフも休憩時間によく食べに行っています。コロナ前は、職員旅行や医局関連の食事会も多く開催されていましたので、再開される日を楽しみにしています。

 

当直回数はどのぐらいありますか。

その年のスタッフの人数にもよりますが、今は当直とオンコール合わせて月に5回程度です。私が家にいない時間は、家族が協力して息子をみてくれているのでありがたいです。

直撃! Q&A

医師として、影響や刺激を受けた人はいますか?

南先生 研修医時代を過ごした病院の麻酔科の先生方です。こんな風になりたいと思える女医さんにもたくさん出会えて、人生の目標になりました。姫路に赴任してからも素晴らしい上級医や後輩たちに出会えて、良い刺激を受けています。

山下先生 姫路赤十字病院に来て、憧れのブラックジャックのような外科医に出会いました。こんな華麗な手術に見合うような麻酔をかけられるように、と日々思っています。

これまでのキャリアの中で、一番印象に残っている出来事はありますか?

南先生 脳死臓器移植のドナーの麻酔を担当させていただいたことです。臓器移植には多くのスタッフが関わっており、手術が始まってからは分刻みのスケジュールでした。すべての手術が終わって、お見送りをした時、ドナーになった方の人生の分もがんばろう、と気持ちを新たにすることができました。

山下先生 息子の麻酔を担当したことです。仕事のモットーとして、担当患者さんは自分の家族のように思い、責任感と優しさを持つことにしているのですが、いざ息子の時は一切の私情を挟まず、淡々と導入した記憶があります。泣きもせず穏やかに覚醒してくれて、2度目の全身麻酔を乗り越えてくれた息子を誇りに思い私が泣きました。

メッセージ動画

病院アピール

概要

  • 病院外観
  • 名称姫路赤十字病院
    所在地〒670-8540 兵庫県姫路市下手野1-12-1
    電話番号079-294-2251 (代)
    開設年月明治41年4月
    院長佐藤 四三
    休診日土・日・祝日
    病床数560床 一般病床:554床 感染症病床:6床

診療体制

診療科目・部門

内科/消化器内科/血液・腫瘍内科/肝臓内科/腎臓内科/糖尿病内科/呼吸器内科/循環器内科/小児科/小児外科/外科/乳腺外科/消化器外科/呼吸器外科/心臓血管外科/整形外科/形成外科/脳神経外科/皮膚科/泌尿器科/産婦人科/眼科/耳鼻咽喉科/放射線診断科/放射線治療科/リハビリテーション科/麻酔科/緩和ケア内科/歯科/歯科口腔外科/病理診断科/臨床検査科/化学療法内科

認定・指定一覧

    • 健康保険法保険医療機関
    • 国民健康保険法療養取扱機関
    • 労災保険法指定医療機関
    • 障害者自立支援法指定自立支援医療機関
      (育成医療・更生医療)(精神通院医療)
    • 生活保護法指定医療機関
    • 結核予防法指定医療機関
    • 母子保健法指定養育医療機関
    • 指定小児慢性特定疾病医療機関
    • 難病指定医療機関
    • 兵庫県難病医療専門協力病院
    • 戦傷病者特別援護法指定医療機関
    • 原子爆弾被爆者医療指定医療機関
    • 原子爆弾被爆者一般疾病指定医療機関
    • 第二種感染症指定医療機関施設
    • 母体保護法指定医在籍の医療機関・医師研修機関
    • 地域医療支援病院
    • 災害拠点病院
    • 兵庫DMAT指定病院
    • 臨床研修指定病院
    • 歯科医師臨床研修指定病院
    • 特定行為研修指定研修機関
    • 地域がん診療連携拠点病院(高度型)
    • エイズ診療協力病院
    • 肝疾患専門医療機関
    • DPC対象病院
    • 総合周産期母子医療センター
    • 日本医療機能評価機構認定病院
    • 日本医療機能評価機構産科医療補償制度加入機関
    • 救急告示医療機関
    • 第二次救急医療施設(輪番制病院)
    • 臓器提供病院
    • ISO 15189認定

学会認定

    • 日本外科学会外科専門医制度修練施設
    • 日本眼科学会専門医制度研修施設
    • 日本整形外科学会認定医制度研修施設
    • 日本消化器外科学会専門医修練施設
    • 日本消化器内視鏡学会専門医制度指導施設
    • 日本消化器病学会専門医制度認定施設
    • 日本小児科学会専門医制度研修施設・研修支援施設
    • 日本小児外科学会専門医制度認定施設
    • 日本小児神経学会小児神経専門医制度研修施設
    • 日本泌尿器科学会専門医教育施設
    • 日本産科婦人科学会専門医制度専攻医指導施設
    • 日本形成外科学会認定医研修施設
    • 日本内科学会認定医制度教育病院
    • 日本超音波医学会超音波専門医研修基幹施設
    • 日本循環器学会循環器専門医研修施設
    • 日本呼吸器学会関連施設
    • 呼吸器外科専門医合同委員会専門医制度専門研修連携施設
    • 日本麻酔科学会麻酔科認定病院
    • 日本医学放射線学会専門医制度放射線科専門医総合修練機関
    • 日本リウマチ学会教育施設
    • 日本病理学会専門医制度研修認定施設(B)
    • 日本肝臓学会認定施設
    • 日本ペインクリニック学会指定研修施設
    • 日本集中治療医学会専門医研修施設
    • 日本周産期・新生児医学会周産期専門医制度(新生児)(母体・胎児)暫定認定施設
    • 日本リハビリテーション医学会研修施設
    • 日本がん治療認定医機構認定研修施設
    • 日本緩和医療学会認定研修施設
    • 日本肝胆膵外科学会専門医制度肝胆膵外科高度技能専門医修練施設A
    • 日本心血管インターベンション治療学会研修関連施設
    • (3学会)構成心臓血管外科専門医認定機構 関連施設
    • 日本心臓血管麻酔学会心臓血管麻酔専門医基幹施設
    • 日本インターベンショナルラジオ学会専門医修練施設
    • 日本急性血液浄化学会認定指定施設
    • 日本臨床腫瘍学会研修施設
    • 日本気管食道科学会専門医研修施設(外科食道系)
    • 日本気管食道科学会気管食道科専門医研修施設(咽喉系)
    • 日本血液学会血液研修施設
    • 日本口腔外科学会専門医制度研修施設
    • 日本口腔腫瘍学会口腔がん専門医制度研修施設
    • 日本腎臓学会研修施設
    • 日本頭頚部外科学会頭頚部がん専門医研修準認定施設
    • 日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科専門医基幹研修施設
    • 日本脊椎脊髄病学会椎間板酵素注入療法実施可能施設
    • 日本内分泌外科学会専門医制度関連施設(耳鼻咽喉科)
    • 日本脳卒中学会専門医制度研修教育施設
    • 日本脳卒中学会一次脳卒中センター(PSC)認定施設
    • 日本東洋医学会研修施設
    • 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構遺伝性乳癌卵巣癌総合診療協力施設
    • 日本糖尿病学会教育関連施設
    • 日本糖尿病学会教育施設Ⅰ
    • 日本てんかん学会専門医制度研修施設
    • 日本不整脈心電学会不整脈専門医研修施設
    • 日本乳房オンコロプラスティックサージャリー学会エキスパンダー・インプラント実施施設
    • 日本ステントグラフト実施基準管理委員会腹部・胸部ステントグラフト実施施設
    • 日本乳がん検診精度管理中央機構マンモグラフィ検診施設
    • 婦人科悪性腫瘍研究機構 (登録参加施設)
    • 成人白血病治療共同研究機構(施設会員)
    • 日本医療薬学会薬剤師制度研修施設
    • 日本検査血液学会骨髄検査技師制度骨髄検査技師研修施設
    • 日本臨床細胞学会施設認定
    • 日本臨床栄養代謝学会NST専門療法士認定規程教育施設
    • 日本臨床栄養代謝学会NST稼働施設
    • 日本静脈経腸栄養学会NST稼動施設
    • 日本栄養療法推進協議会NST稼働施設
    • 日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍研修施設
    • 日本臨床腫瘍薬学会がん診療病院連携研修施設