先生方が専門の科目を選ばれた理由はどのようなものですか。
長野私は学生の頃から手術ができる外科系を選択したいと思っていました。初期研修では整形外科や産婦人科など、色々な外科系の科を回って考えたのですが、全身管理を学べる一般外科を選びました。一般外科の場合は消化器外科や乳腺外科などのサブスペシャリティを決めることができますが、まずは一般外科で代表的な手術を学んだあとでサブスペシャリティを決めるつもりです。
後藤私は初期研修を始める時点では何科に行くかを決めかねていたのですが、初期研修でローテートするうちに外科系がいいなと思うようになりました。そして、長く続けていけるような科を考えた時にいくつかの診療科が選択肢に上がりましたがその中でも呼吸器外科は大血管に触れるといった手術の奥深さに魅力を感じました。また、外科の中では夜中の呼び出しが少ない方だという現実的な理由も少しありました。
後期研修で名古屋赤十字病院を選ばれた理由はどのようなものですか。
長野私が初期研修をした津島市民病院は規模が大きくないので、病院独自の外科専門医プログラムがありません。そのため、津島市民病院で専攻医研修を続けるには基幹病院である当院か、名古屋大学医学部附属病院のどちらかのプログラムを選択する必要があります。そこで手術をより多く経験させていただけて、臨床の機会を積める当院のプログラムを選びました。そして津島市民病院で専攻医研修を始め、当院には2021年の10月に来ました。
後藤私は初期研修でローテートしたときに当院の呼吸器外科の雰囲気や先生方の手術の技術に惹かれて外科医になることを選択したので、専攻医研修も当院で行いたいと思いました。
名古屋赤十字病院のプログラムの特徴をお聞かせください。
長野以前いた病院よりも専門的な手術や大きな手術が多いです。小さな病院では行われていないロボット手術や、肝臓や膵臓の長時間の手術を当院で経験できて、良かったです。また、手術の数自体が多いので、手術を数多く経験させていただけるのが有り難いです。
後藤呼吸器外科の手術数も東海3県の病院の中では有数です。ロボット手術や胸腔鏡手術など、色々な手術を経験させていただけるのが魅力ですね。恵まれた環境で研修できていると思います。
専攻医研修の今の勤務内容はどのようなものですか。
長野朝7時30分に出勤して、回診します。8時からカンファレンスがあり、自分の症例や手術についてのプレゼンをして、9時から手術か、外来といった業務をします。手術は自分が執刀するものと助手に入るものがありますが、ほぼ毎日あります。午前中で終わるものもあれば、夕方までかかるものもあります。手術のあとは自分が執刀したものは手術記録を書いて復習したり、病棟に入院されている患者さんの回診をしたりしています。また、火曜日と木曜日にはカンファレンスがあるので、それに出席します。業務が終わってすぐに帰ればいいのでしょうが、大体何かをしているので、21時に退勤することが多いです(笑)。
後藤スケジュールは長野さんと同じような感じで、私も7時ぐらいに出勤しています。呼吸器外科は毎朝8時からカンファレンスがあるので、そこで手術症例の振り返りや、今後手術を予定している患者さんの手術適応や術式を全員で検討しています。手術は基本的には1日2件で、午前は9時から、午後はだいたい13時頃から始まります。手術に入っていない時間は処置やIC(患者さんへの説明)、救急での対応などを行っています。何事もなければ、定時には業務が終わっていることが多いです。
専攻医研修で勉強になっていることはどんなことですか。
長野以前いた病院よりも専門的な手術や大きな手術が多いです。小さな病院では行われていないロボット手術や、肝臓や膵臓の長時間の手術を当院で経験できて、良かったです。また、手術の数自体が多いので、手術を数多く経験させていただけるのが有り難いです。
後藤呼吸器外科の手術数も東海3県の病院の中では有数です。ロボット手術や胸腔鏡手術など、色々な手術を経験させていただけるのが魅力ですね。恵まれた環境で研修できていると思います。
指導医の先生の指導はいかがですか。
長野優しくもあり、たまに厳しくもありといった感じです(笑)。いつも温かく見守って指導してくださっています。
後藤呼吸器外科も同様ですね。優しい先生方ばかりです。
名古屋赤十字病院で実現したキャリアはどのようなものですか?
長野私はまだ専門医を取得できる年次に達しておらず、今年度一杯でプログラムを終了し、来年度に受験資格をいただけるという状況です。当院に来て、外科専門医のための足りない症例を集めることができて、とても有り難く思っています。心臓血管外科や後藤さんのいる呼吸器外科の症例は地方の小さい病院にはなかなかなく、症例を集められないこともあるのですが、当院でそういった症例を集めることができ、勉強させていただいたことが実現したキャリアなのかなと思います。
後藤私も長野さんと年次が同じなので、来年専門医が受験できます。私たちは外科の新専門医制度に乗っています。専門医取得には一定の手術件数が必要ですが、これは初期研修医で経験した手術も経験数として数えることができます。私は日赤で研修したため手術経験数が充分あり、外科医を目指すうえで当院で研修する強みの一つが症例数だと思います。
今後のキャリアプランをお聞かせください。
長野外科専門医を取ったあとはサブスペシャリティとして、何を専門にしていくのかを決めていくのですが、私の場合は一般消化器外科医としてやってきたので、乳腺と大腸などの消化管で悩んでいるところです。働きやすさや女性としての需要を考えると、乳腺外科は魅力ですね。たまに手術のICで「先生、女性ですけど、先生が手術するんですか」と聞かれることがあるのですが、乳腺外科の場合は女性であることが求められることもありますし、それが強みにもなります。比較的若い患者さんが多い科でもあるので、何とかしてさしあげたいという気持ちも強くあり、乳腺外科に傾いているところです。
後藤私も同様で、来年まず外科専門医を取得することが目標です。外科専門医試験に出る問題の多くは専門外なので、しっかりと勉強しなくてはいけません(笑)。そのうえに呼吸器外科専門医という資格があるので、いずれはその2つを取得することが目標です。その先は胸腔鏡手術やロボット手術など段階的に手術の手技を上達させていくことと、学術活動などのバランスをとって長く働き続けられたらいいなと考えています。