田中先生
初期研修で成田赤十字病院を選ばれた理由をお聞かせください。
田中私は大学5年生のときから血液内科を志望していました。理由は大学での臨床実習が楽しかったからです(笑)。それで初期研修では血液内科が強く、造血幹細胞移植まで扱っている病院を希望していました。当時千葉県内にはそのような病院は千葉大学医学部附属病院、千葉市立青葉病院、成田赤十字病院しかありませんでした。大学病院には臨床実習で行っていたこともあり、外部の病院に行きたいと思って、成田赤十字病院を選びました。成田赤十字病院は空港から近い病院なので、中国の方を含む外国の方が受診した際にはコミュニケーションを取れるということを面接での強みにしました(笑)。
見学にいらしたのはいつですか。
田中5年生の夏です。色々な症例があり、指導医の先生方が研修医たちに丁寧に指導されているところが印象に残りました。
実際に研修が始まってみると、イメージ通りでしたか。
田中どんなに些細な質問をしても、指導医の先生方はもちろんですが、後期研修医や1年上の初期研修医の先生方が親身に教えてくださったのはイメージ以上でした。
初期研修のプログラムについてはいかがですか。
田中私のときは現在のプログラムと少し違いました。1年目は内科半年に加え、外科と救急を3カ月ずつ研修するプログラムでした。内科は1つの科を2カ月ずつ研修します。これがほかの病院とは違う特徴であり、魅力だと思います。各科を1カ月ずつ研修する病院が多く、それは多くの科を経験できる利点はありますが、私が志望していた血液内科には経過が長い患者さんが多く、1カ月だと途中で終わってしまうのが残念なだけに、2カ月回れたのは良かったです。
2年目の選択期間はどの診療科を回られたのですか。
田中当時は全身管理を学びたかったので、救急科、麻酔科を2カ月ずつ研修し、血液腫瘍科でも3カ月研修しました。それから皮膚科や感染症科、小児科です。成田赤十字病院は千葉県内では珍しく、小児血液腫瘍科も標榜している病院です。20代前半までの若い患者さんは小児科レジメンで治療した方が成績が良いので、初期研修で小児科の考え方を学べたのは有り難かったです。
院外の研修はありましたか。
田中地域医療の研修では国保多古中央病院に行きました。楽しかったです。
田中先生
研修医室はありましたか。
田中ありました。コロナ禍になる前でしたので、同期とは飲み会やキャンプ、旅行などによく一緒に行っていました。同期は16人に加え、千葉大学医学部附属病院からのたすきがけが1人来ていました。
その同期のお一人と結婚されたのですね。
田中夫は大学の同級生でもあり、軟式テニス部でも一緒だったのですが、夫も血液内科志望だったので、初期研修先に同じ成田赤十字病院を選んだんです。そこから仲良くなり、初期研修の終わり頃に結婚しました。ちょうどコロナ禍のため、結婚式は延期し、去年5月に挙式しました。
病院の特徴はどのようなものでしょうか。
田中成田国際空港から非常に近いので、外国人の患者さんが多いことと感染症科が強いことで有名な病院です。初期研修医や専攻医が輸入感染症の患者さんを1st対応することはあまりありませんが、ほかの病院にはなかなか来ないマラリアなどの症例も来ます。
初期研修での人気の秘密はどのようなものでしょうか。
田中同期は多いのですが、それよりも多くて、かつ多彩な症例があるので、症例に困ることや症例を同期間で奪い合うこともありません。指導医の先生方がカテーテルなどの手技も経験させてくださるし、救急外来での手技は初期研修医が主体的に取り組めます。