落合先生と研修医の皆様
医師を目指したきっかけをお聞かせください。
落合父が医師なので、身近な存在に医師という職業がありました。それから一人で生きていくためには資格が欲しいと思っていたので、医師という資格を持ったうえで安心して働いていきたいと考え、医師を目指しました。
和田私も手に職をつけたいと思いました。「手に職を」というのは古い言い方かもしれませんが、職だけでなく知識と技術を身につけたかったです。ちょうど大学に進学する頃に母が乳がんになり、医療が身近になったということもあって医学部を選びました。
病院の特徴はどのようなものでしょうか。
和田全診療科が揃っていて、色々な疾患に対応できる病院です。病床数が511床あり病院の規模としては大きいのですが、大学病院などに比べると各科の垣根が低いのでコンサルトも診療もしやすい環境です。近年は外国人の患者さんが増えてきました。業務用の携帯電話に音声翻訳アプリが入っており、それを使って診療することもあります。
初期研修で福岡赤十字病院を選ばれたのはどうしてでしょうか。
落合住み慣れた福岡で研修病院を探していたのですが、私は内科の中で色々と迷っていたので、内科の診療科が揃っている福岡赤十字病院で研修し様々な内科を回る中で専攻する科を決めていきたいと思いました。
見学での印象はいかがでしたか。
落合大学5年生から6年生にかけてコロナ禍だったのでどの病院にも見学に行けていないんです。福岡赤十字病院はオンラインでの見学会があったので2回ほど参加させていただきました。そのときは初期研修医の先生方とお話しする機会があり、看護師さん、薬剤師さんなどの医師以外のスタッフとの垣根が低いこと、親しみやすい雰囲気があることを伺ったので安心して入職できました。
ご専門を選ばれたきっかけについて、お話しください。
和田外科系の診療科に行きたいとは考えていたのですが、産婦人科に決めたのは女性同士ということでお役に立てることがあるといいなと思ったからです。今は初期研修2年目の夏に専攻を決めないといけないようですが、当時は臨床研修必修化からまだ3年目だったこともあり、のんびり決めてもよかったので皆がゆったりしていて、私も結構ぎりぎりの時期に決めました。初期研修は母校の熊本大学医学部附属病院で行いましたが、初期研修終了後は九州大学の産婦人科医局に入局し、そこで福岡に来ました。
そこからは医局人事ですか。
和田そうです。言われた病院に勤務してきました(笑)。福岡の病院だけでなく別府医療センターに2年ほど勤務したこともあります。
福岡赤十字病院に来られたきっかけについて、お聞かせください。
和田これも医局人事です。産婦人科専門医を取得後に九州大学の大学院に進学し、形態機能病理学の研究をしました。それで学位を取ったあとで当院に赴任しました。
初期研修のプログラムの特徴はどういったことですか。
落合救急科を必修で回るローテーションが1年目に2カ月、2年目に1カ月あり、救急を学べる期間が長いのが特徴だと思います。
プログラムの自由度は高いですか。
落合とても高いです。2年目では約6カ月の選択期間があり、全診療科の中からどこでも選べるので選択肢が豊富にあります。
落合先生と研修医の皆様の集合写真
院外の研修先もありますよね。
落合地域医療研修では嘉麻赤十字病院か今津赤十字病院に2カ月間行かせていただけます。また精神科は今宿病院か河野病院を選び1カ月間の研修をします。
初期研修にあたって、どのような姿勢を心がけてきましたか。
落合初期研修ではできることが少ないのですが、色々な先生方の一番身近で吸収でき、いいとこ取りができるところにいられるのが良いところなので先生方の診療の姿勢などを一つ一つ学んでいくことを頑張りました。
初期研修で勉強になったことはどんなことですか。
落合全てですね。教科書で勉強することと実際に診療することとは違うことが多くありましたが、そういった疑問に思ったことをすぐに質問できる環境だったのは良かったです。
指導医の先生のご指導はいかがですか。
落合とても熱心に指導してくださって、困ったことや分からないことがあったときに何でも聞けるのは有り難かったです。
コメディカルの方々とのコミュニケーションはいかがですか。
落合コメディカルスタッフの方々がとても優しい病院だなというのが第一印象でした。というのも、2年間に救急を3カ月回ったのですが、救急の現場では看護師さんや他職種の方々にお世話になることが多く、採血などの本当に基本的なことから教えていただいたからです。
福岡赤十字病院の救急はいかがですか。
落合救急車で来られる方も多いですし、多国籍の患者さんも他院よりも多い印象があります。そこで患者さんの問診をしたり主訴を聞き出すのが難しいと感じています。それから子どもさんからご高齢の方まで色々な年齢層の方がウォークインに来られることも当院の特徴だと思います。
和田産婦人科に関して言うと、当院の周囲に開業医の先生方がいらっしゃるので、その先生方との風通しを良くして、色々な症例を紹介いただいたり、急患として診たりという機会が多いです。周囲の医療機関と信頼関係を築いたうえで、「断らない」診療をしていると実感しています。
当直の回数はどのぐらいですか。
和田私は子供がまだ小さいこともあり、月に2回ほど院内待機の当番に入り自宅でのオンコールでの呼び出しは外して頂いています。産婦人科は数年前までは当直制でしたが、最近は待機制に変わりました。平日は23時までは院内に1人がいて、それ以降はオンコールで呼び出しに応じるというシステムです。そのためオンコールに変わる23時までの当番を決めています。土曜日、日曜日は8時30分から12時までは院内に1人、それ以降がオンコールというシステムです。
落合初期研修1年目は月に6回ぐらいです。当院の当直は特徴的で、夜間にずっと勤務するのではなく3交代制になっており、夜間は23時までと23時以降に分かれているので、回数は多めではありますが1回の勤務時間が他院の半分ほどになり、それでトータル月6回です。2年目になると少なくなり月に2、3回です。自分が入りたいときにプラスワンという形で入らせていただきます。体制はウォークインが指導医の先生1人と初期研修医1人の計2人、救急車対応が救急科や外科系の上級医の先生1人と初期研修医2人の計3人です。
同期は何人ですか。
落合13人です。1年目はたすきがけの人たちが4人いるので17人ですが、2年目になるとたすきがけの人たちがいなくなるので13人です。研修医室もあります。研修医室があるとほっと一息つける場所があるという気がしますし、研修医同士が仲良くなるのに時間がかかりませんでした。