変化の時代... 今、地域社会で求められていること
時代は大きく動きはじめました。国民の健康を取り巻く情勢は確実に変化し続け、その足は私たちの日常生活にも忍び寄ってきました。
医療費の増大と国の財政危機、医療のリソース不足と地域偏在、いわゆる「がん難民」の問題、生と死や看取り、高度医療と生命倫理といった医療に関する問題だけではなく、
核家族化と独居高齢者や認知症のケア、格差社会と貧困など、価値観の多様化や関係性の希薄化といった社会構造と複雑に関連した問題が溢れ出ています。
20世紀型の高度専門医療の追求に偏った医療制度はその限界を迎えています。
私たちは、まさにそのような社会に生き、所々の問題に立ち向かおうとしているのです。
総合診療医とは
generality1 患者を多角的に診る
多くの人が健康上の不安や課題、特性をいくつも抱えながら生きるこの時代。
患者を360°診られる幅広い知識と視野が必要です。
ひとつの臓器にとどまらず、それぞれが影響する関係や原因を推論できる高い診断力と、他の診療科との連携を見極める力が求められます。
generality2 背景や家族も診る
病いには、背景があります。日常生活における心理的な悩みを抱える人も増えるなか、家族の関係性や職場の環境など、
病いの根っこにアプローチする医療が求められています。
患者個人の治療はもちろん、その生活を支える家族もまるごとケア。
良き伴走者として医療・福祉専門職だけでなく、学校、職場とも連携し、
患者の暮らし方に合わせコーディネートします。
generality3 地域全体を診る
慢性疾患を抱えながら一生を終えるひとが6割ともいわれる今、
病いや障害とともに生き抜く時代がきています。
医療の守備範囲は、保健や福祉、介護にとどまらず、
住宅環境や働き方、まち全体の行政計画にまで広がっているのです。
そこで求められるのが住民の医療ニーズを把握し、それを地域に反映する力。
まち全体を俯瞰する視点をもって病気の予防を働きかけたり、社会や人との関わりを紡ぐ医師に期待が高まっています。
このような能力を備えた19番目の専門医が「総合診療医」です。
新たな日本の医療の扉を開くジェネラリストの道に一歩を踏み出してみませんか!多くの志、技術、行動をともにできる仲間が求められています。
所在地 東京都千代田区丸の内2-2-1 岸本ビルヂング6階
URL https://www.primary-care.or.jp/
TEL 06-6449-7760(事務局担当係)
MAIL office@primary-care.or.jp
設立年 2010年
会員数 11,743名(2018年1月末日現在)
年会費 医師 15,000円、他医療職 10,000円、学生 2,000円
機関誌 和文誌:日本プライマリ・ケア連合学会誌
英文誌:Journal of General and Family Medicine (https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jgfm/-char/ja)
実践誌:プライマリ・ケア
最新情報
初期研修医のための総合診療ポータルサイト
(https://jpca-jrst.jimdo.com)
総合診療医という選択
(http://sogoshinryo.jp)
夏期セミナー
(https://familymedicine-kakiseminar.jimdo.com)→ 学生、研修医たちを対象としたセミナーです.
特派員リポート
(http://www.primary-care.or.jp/gmeeting/semreport.html)→ 学術大会、セミナー参加者たちの声をお聞き下さい.
「メディカル・ジェネラリズム なぜ全人的医療の専門性が重要なのか」
(http://www.primary-care.or.jp/imp_news/pdf/20160721.pdf)
ガイドとなるテキスト『総合診療専門医の6つのコアコンピテンシー推薦図書』
(http://www.primary-care.or.jp/book/index.html)→ プライマリ・ケア領域にはもちろん、その他の領域でも大変参考になります.
日本プライマリ・ケア連合学会の変遷
(http://www.primary-care.or.jp/about/index.html)
動画/写真
資格取得に向けて
総合診療医を育てるプログラム
(http://sogoshinryo.jp/career/)
専門医としての総合診療医は、大病院、中小病院、診療所など、どのセッティングでも活躍できる能力を身につけることが求められています。
そのため、専門研修では診療所・中小病院での研修(総合診療専門研修Ⅰ)と、病院での研修(総合診療専門研修Ⅱ)の両方を、
それぞれ半年以上、合計で18か月研修する必要があります。
その他、必須領域別研修として内科12ヶ月、小児科3ヶ月、救急科3ヶ月が含まれます。研修目標達成のために整形外科や皮膚科、精神科など選択研修を含めることも可能で、
全体の研修期間はプログラムによって異なり、主に3〜4年が一般的です。
総合診療Ⅰ 診療所あるいは地域の中小病院にて小児を含めた外来診療、訪問診療及び地域包括ケアについて学ぶ
総合診療Ⅱ 総合診療部門を有する病院において、臓器別ではない一般病床、救急、初診患者の外来などを中心に学ぶ
内科研修 において認定を受けている施設において主に内科領域を学ぶ
小児科 小児科専門医の指導のもと、外来・救急・病棟で研修
救急科 救急搬送1000件/年以上の施設での研修
尚、研修修了後、総合診療専門医を取得した後も、引き続き現場の中で総合診療医としての力量を維持していくことが求められます。専門研修期間に、経験を振り返り成長の糧にする力、生涯に渡って学び続けることができる学び方そのものを身につけることを重視しています。