指導医インタビュー

国家公務員共済組合連合会

熊本中央病院

熊本県熊本市南区田井島一丁目5番1号

名前
松下 芳雄 先生
救急総合診療科部長
職歴経歴
1965年に熊本県本渡市(現 天草市)に生まれる。1991年に熊本大学を卒業する。1995年虎の門病院腎センター内科、2000年熊本中央病院腎臓科。2013年に熊本中央病院健診センター所長に就任する。2017年に熊本中央病院救急総合診療科部長を兼任する。
学会等
日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会指導医・専門医、日本透析医学会指導医・専門医など。

熊本中央病院の特徴をお聞かせください。

熊本市の南部にある地域の基幹病院の1つで、病床数は361床です。救急に力を入れており、一次から三次までの救急を診ています。

松下先生がいらっしゃる救急総合診療科の特徴をお聞かせください。

救急総合診療科の特徴は当院の特徴でもあります。当院は早い段階から専門科に分かれていたので、総合診療科のようなところはなかったんです。しかし、最近は高齢の患者さんが多く来院され、主訴がどの科にふさわしいのかがなかなか分からない方もいらっしゃいますので、ほかの医療機関からご紹介いただくときの受け皿として、3年前に救急総合診療科を立ち上げました。私は今年の4月から引き継いでいます。

熊本中央病院の初期研修の特徴もお願いします。

今、1年目の初期研修医が7人、2年目が7人います。当院は救急も診ますので、初期研修医が救急をしっかり経験できるように、1年目の2カ月間と2年目の1カ月間の救急は済生会熊本病院で研修します。また、当院には精神科がありませんので、精神科の1カ月間もほかの病院での研修となります。地域医療も郡部の病院や熊本市内の開業医等で1カ月の研修があります。当院だけに閉じこもるのではなく、ほかの病院との連携により、色々な経験ができます。救急車は年間2000台で、夜間のウォークインの患者さんが1000人余りいらっしゃいますが、日中の救急患者の一部と夜間のウォークインは初期研修医がファーストタッチで診療にあたります。診断、その後の治療、入院であれば専門科への引き継ぎまでを指導医とともに診ますが、救急を中心にやっている病院と比べますと、ゆっくりと時間をかけて患者さんを診察する余裕があることも当院の特徴ですね。

指導される立場として心がけていらっしゃることを教えてください。

どちらかと言うと、こちらが教える一方ではなくて、初期研修医が自分から意見を出してくるように意識しています。国試では疾患ごとの知識が問われますが、実臨床では症候からアプローチすることが求められるため、研修医は初診の患者さんを目の前にすると戸惑ってしまいます。このため様々な症候に対するアプローチの仕方を学ぶための勉強会を毎週開催し、月末には症例検討会も行っています。

最近の研修医をご覧になって、どう思われますか。

総じて、スマートでおとなしくてお行儀がいいなという感じがします。素直な人が多いですね。

「こんな研修医がいた」というエピソードがあれば、お聞かせください。

病院での勤務は皆、真面目にやってくれているし、大きくはみ出して、悪いことをした研修医の記憶はないです。この病院の中の野球チームで野球をやっているんですが、病院の中で会うと割とおとなしい研修医も野球を始めると違う一面も見ることができるんですね。そういう部活動は病院内の新たな関係性を作るうえでも良い役割を果たしてくれているのではないかと思います。

研修医に「これだけは言いたい」ということがあれば、お聞かせください。

主役はあくまでも患者さんであるということ、その患者さんの後ろにご家族がいらっしゃるということ、その方々から研修医として、そして医師として見られているということは忘れないでほしいです。患者さんからの目線では研修医も指導医も医師なので、それを意識してほしいですね。患者さんの話を聞かなかったり、身体診察を行わないまま、すぐに検査に飛びついたりする傾向がどうしてもありますので、まずはしっかりと問診や身体診察をしたうえで、検査に行く前にどういう結果が出るのかを予測してからオーダーするといった考え方を身につけてほしいと思っています。

先生の研修医時代はどのようにお過ごしでしたか。

私は大学病院の血液内科に入局したんですが、同期が14、15人ぐらいいるような大所帯だったんですね。今と比べると教育体制もそんなにしっかりしたものではなくて、同級生や1年上の先生方とで日常の診療をやっていました。待遇も日雇いですから給料にも恵まれず、夜は当直のアルバイトに行ったりしていました。今の初期研修医は当直のアルバイトの必要がないので、病院での診療に集中できるし、オフの時間もしっかり確保されているという意味では恵まれていますね。

現在の臨床研修制度と新専門医制度についてのご意見をお願いします。

私自身は今の臨床研修制度も新専門医制度もそういう流れを経験していないので、感覚があまりないのですが、この臨床研修制度が始まったときは将来どんな専門科に進むにしても、医師としての初めの5年間を広く、色々な症例を学べるのはいいなと思いました。最初は小児科や産婦人科が必修だったのに、途中から必修ではなくなったりして、制度が少しずれてきたのは残念ですね。しかし、我々のように初めに医局に入局して専門を学んでいくよりも今の方が良いシステムです。新専門医制度はどのように機能するのか、特に内科の場合は複雑ですから、私もよく理解できていません。選んだ病院のプログラムによって内容にばらつきも出るでしょうから、走り出してみないと分からないことも多いですね。

これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

今はメディアが発達しているので、色々な情報を集めようと思えば集められますが、興味を持った病院には行ってみて、空気や雰囲気を感じてくるのが大事です。規模が大きく、有名な研修病院や人気病院がありますが、初期研修でどのぐらいの患者さんを受け持てるのかというと、大病院であれば患者さんの数は多い一方で、症例数が限られることもあります。個人がじっくり経験できる症例数が本当に多いのかどうかを考えましょう。患者さんを自分でしっかり診て、それをアセスメントして勉強できる環境がある意味では熊本中央病院は受け持ちの患者さんの数も適切ですし、患者さんと向き合う時間もあります。指導医も優しく温厚で、教え好きな人が多いですよ。熊本中央病院を選んでいただければ、ご期待に沿えるはずです。外科や整形外科、循環器科はよその病院には怖い先生もいらっしゃいますが、当院はそんなことはありません。紳士的で穏やかでアットホームですから、女性はもちろん、草食系のおとなしい男性も大丈夫です(笑)。ワーク・ライフ・バランスも整っていて、プライベートの時間も取れますので、結婚している女性や子育て中の方も働きやすい病院です。

熊本中央病院のPRをお願いします。

当院は特徴のある診療科が揃っています。もともと循環器科が強く、心臓外科や血管外科が充実しています。整形外科は外傷は少ないのですが、脊椎を中心に難易度の高い手術を行っています。呼吸器科に関しても肺がんは熊本県でトップクラスですから、スタッフも揃っています。小児科の小児腎臓や内分泌疾患は地域の中心的な存在です。泌尿器科は前立腺がんの手術は国内でのトップクラスの症例を持っています。放射線科の行うCT、MRI検査は世界最先端の水準です。もちろん、そこに連なるコメディカルスタッフのレベルも高く、かなり高レベルの研修が可能です。医局の雰囲気も非常にフランクで、緩いぐらいの感じですから、外からも入りやすい病院です。

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