指導医インタビュー

昭和大学病院

東京都品川区旗の台1−5−8

名前
相良博典 昭和大学病院 副院長、内科学講座主任、呼吸器センター長、呼吸器・アレルギー内科教授、昭和大学病院研修管理委員長、研修プログラム責任者、指導医
職歴経歴
1959年に福岡県久留米市で生まれ、中学、高校時代は宮崎市で過ごす。1987年に獨協医科大学を卒業後、獨協医科大学病院アレルギー科(現 呼吸器・アレルギー内科)で研修を行う。1993年に獨協医科大学大学院を修了する。1993年に順天堂大学免疫学講座に勤務する。1995年にサザンプトン大学に留学する。2001年に獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科講師に就任する。2007年に獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科准教授に就任する。2009年に獨協医科大学越谷病院呼吸器内科主任教授に就任する。2013年に昭和大学呼吸器・アレルギー内科教授に就任する。2016年に昭和大学病院呼吸器センター長を兼任する。2017年に昭和大学病院内科学講座主任、副院長を兼任する。
学会等
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・内科指導医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医・指導医、日本感染症学会ICD(Infection Control Doctor)、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了、日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医・登録医、日本老年医学会老年医学専門医、日本医師会認定産業医・認定健康スポーツ医、日本禁煙学会禁煙専門医、日本静脈経腸栄養学会TNT(Total Nutritional Therapy)認定医、難病指定医など。

昭和大学病院の特徴をお聞かせください。

大学病院ですから全ての診療科がありますが、各科の壁が高くなく、良い連携が保たれています。大学病院と言うと診療科の垣根が高いイメージがありますが、当院は非常に風通しの良い組織となっています。「断らない救急」を掲げており、総合診療科や救命救急センターがトリアージした患者さんのフォローアップを各科が行っています。最近では総合診療科や救命救急センターのスタッフも増え、充実してきました。
地域の医師会の先生方との連携も良好で、合同の研究会なども開催しています。当院が大学病院として、どのようなことに取り組んでいるのかをオープンにし、医師会の先生方にご理解をいただいています。医師会の先生方からは疾患の診断をつけてもらうための紹介や治療方針を立ててもらうための紹介などをいただきますが、こうした交流を通じて、ご自身が紹介する患者さんの主治医がどういう医師なのかが分かりますし、当院も紹介された患者さんの逆紹介に努めていますので、紹介率、逆紹介率ともに向上しています。
 当院は土曜日も8時30分から17時までの外来を始めました。そのうち日曜日の終日化も目指します。一方で、医師の働き方改革が進み、シフト制を導入して、きちんと休める体制を作っています。ただ、大学病院の使命には診療のみならず、教育と研究もありますので、それらを分けることが難しく、まだ課題もありますね。

昭和大学病院の初期研修の特徴もお聞かせください。

今回は小児科や産婦人科などが増えたり、色々な変化がありますが、フレキシビリティが高いことが特徴です。2年目は選択期間が長いので、好きな科を選び、その科での臨床を体験できます。臨床研修センターの面倒見も良いので、働きやすい環境です。センターのスタッフが初期研修医と面談を行い、きちんと研修できているか、足りていないことはないかなど、チェックするようにしています。

現在、初期研修医は何人いらっしゃいますか。

1学年36人います。昭和大学の卒業生が6割、他大学が4割といったところでしょうか。毎年フルマッチしており、有り難いのですが、私としてはもう少し多くてもいいかなと感じています。当院の初期研修医はドロップアウトしないんですよ。各科の指導医も当院を選んでくれた初期研修医にはきちんと教育したいとの思いから、それぞれのバックグラウンドを把握したうえで、うまく話を聞きながら指導しています。

指導される立場として心がけていらっしゃることを教えてください。

初期研修医が何が分かっていて、何を分かっていないことを把握し、その人が持っている素質を伸ばしたいと考えています。初期研修の間は偏らず、幅広く診て、経験を積んでほしいので、風呂敷を広げるような感じで、まずは総論から話すようにしています。

最近の研修医をご覧になって、どう思われますか。

よく勉強していますね。初期研修では短い期間に各科を回り、色々なものを習得していかなくてはいけません。どの科でも興味を持ってほしいと思っています。お客様になってしまうと、ある意味で危ないし、取り組み方によっては得るものが少なくなります。私たちの時代は多少のローテートはありましたが、ほとんどは専門の診療科での研修でしたから、今とは全く違いますが、興味のないところで「これはいいや」と思ってしまうと、何も身につきません。様々な方面からの知識を学び、自分の武器にしていってほしいですね。

先生はどのような研修医時代を過ごされましたか。

休みはなく、病院に寝泊まりしていました(笑)。色々な先輩方の処方を見て盗み、それを自分のノートにしていったのです。そうしてできた自分だけの参考書は10何冊あり、今でも持っています。とにかく、先輩方にぴったりとくっつき、知識やテクニックを盗んでいました。

先生はなぜ呼吸器内科を選ばれたのですか。

大学時代に当時のアレルギー科の牧野荘平教授の授業を受け、牧野教授のスタンスに惹かれたのがきっかけです。ただ、細かい学問ですので、学問的には好きではありませんでした(笑)。華やかな循環器科がいいなと思っていましたね。でも、牧野教授が世界を相手に研究されているところを見て、興味が出てきたんです。大学院時代にアレルギー学会が長崎であり、牧野教授と飲んでいたのですが、喘息の治療方針がないという話になりました。私が「では先生が作ってくださいよ」と言ったところ、牧野教授はお箸が入っていた御手許と書いてある紙の裏に字を書き始めたのです。そうしてできたのが日本で初めてのアレルギー喘息のガイドラインでした(笑)。

研修医に「これだけは言いたい」ということがあれば、お聞かせください。

せっかく2年という期間があるのだから、何にでも興味を持って、自分のものに活かしていくべきです。与えられた経験を自身の枝葉として、幹にまで育ててほしいですね。

新専門医制度についてのご意見をお願いします。

私もプログラムを作りましたが、初期研修での症例が80例まで使うことができるようになりました。そのため、初期研修で経験を積むことがより重要です。内科の専攻医は広く、深い勉強が求められます。色々な縛りもあり、きついですが、将来の医師像のためには必要です。一生懸命やる人にはいい制度ですが、そうでない人にとってもいい制度ですよ(笑)。なぜなら、課されたことが多いために色々な経験ができるからです。この制度で専門医が取れれば、真の専門医として活躍できることでしょう。

昭和大学病院はどのような形で新専門医制度を始められるのですか。

当院では1年型、2年型、大学院型などの多彩なプログラムを用意し、2018年度からスタートします。1、2年目でサマリーを書くことができるかどうかで、1年か2年かを選べますが、私としては4カ月ごとにローテートできる1年型がいいのではと思います。疾患は色々な観点から診ることが大事なので、専門医制度をうまく利用し、幅広く活躍できる内科医になってほしいです。

これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

病院見学の機会を持ち、プログラムをどういう形で活かしているのか、病院の特徴を捉えましょう。病院の名前ではなく、教育が自分に合っているかどうか、自分の目で見て、確かめてください。プログラムが自分の将来像を思い描けるものになっているかどうかを見てみましょう。その点、昭和大学病院は全ての環境が用意されています(笑)。大学院に入学できるプログラムもありますので、是非、見学に来てください。

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