指導医インタビュー

東京都立駒込病院

東京都文京区本駒込三丁目18番22号

名前
脊山 泰治(せやま やすじ)先生
肝胆膵外科医長、指導医
職歴経歴
1969年にボストンで生まれ、東京で育つ。1995年に名古屋大学を卒業し、東京大学医学部第二外科で研修医となる。1997年に竹田綜合病院に勤務する。1999年に東京大学医学部肝胆膵外科医員となる。2003年に国保旭中央病院に外科主任医員として勤務する。2004年に東京大学医学部肝胆膵外科助教に就任する。2010年に東京都立墨東病院に外科医長として勤務する。2017年に東京医師アカデミー外科プログラム責任者を兼任する。2018年に東京都立駒込病院に肝胆膵外科医長として着任する。
学会等
日本外科学会認定医・外科専門医・指導医、日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医、日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医・暫定教育医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本肝臓学会認定肝臓専門医、日本肝胆膵外科学会高度技能指導医、日本胆道学会認定指導医、日本膵臓学会認定指導医、日本消化器病学会評議員、日本消化器病学会関東支部評議員、日本臨床外科学会評議員、
日本肝胆膵外科学会評議員、日本胆道学会評議員、ICD(インフェクションコントロールドクター)など。

都立駒込病院の特徴をお聞かせください。

古い歴史を持ち、がんや感染症に特化した、明るく、落ち着いた雰囲気の病院です。
がんセンターに近い存在で、最新のがん診療を行っています。一方で、救急は少なく、ERや三次救急はありません。文京区内で環境が良く、空きがあれば借り上げの寮も入れます。都心なのに、格安で住めるんですよ(笑)。

都立駒込病院での専攻医研修の特徴をお聞かせください。

当院は東京医師アカデミーの一角を占める病院です。東京医師アカデミーは都立病院、公社病院が一体となって提供する、専門医取得のための組織的な研修システムのことで、新専門医制度にも対応しています。都税で作られた病院で育った研修医が都民にいい医療を還元でき、先の資格も取っていけるようにという狙いがあります。外科専門医の取得には独立した6領域の症例が必要ですが、当院はロボット手術もいち早く取り入れましたし、遺伝子治療の設備もあり、最先端の研究もできる環境です。
当院は救急が少ないですが、プログラム内で救急医療、小児外科や胸部外科などの弱い部分を補えるようになりました。そのため、当院の様ながん専門病院でも外科専門医を取得するのは問題なくなりました。

脊山先生がいらっしゃる肝胆膵外科についてはいかがですか。

外科専門医の取得には独立した6領域の症例が必要ですが、当院はロボット手術もいち早く取り入れましたし、遺伝子治療の設備もあり、最先端の研究もできる環境です。肝切除、膵切除、胆道手術など多くの症例をこなしています。腹腔鏡で肝臓を切ったり、ICGで光らせて腫瘍を同定したり、バーチャルリアリティーでナビデーションをしたり、先進的なことをしています。膵切除も腹腔鏡で行うことが多くなっています。

都立駒込病院の専攻医プログラムで学べる特徴について、ご紹介くださいますか。

3つあります。1つ目は、外科医として基本的な手技が身につくこと、2つ目は腹腔鏡下手術、ロボット支援手術なので最先端のがん手術が学べること、3つ目は学会発表、論文作成などの学術活動です。これらを3年かけて学んでいきます。3つ目の学術活動は外科医としてのたしなみですね。病院も臨床研究費をサポートしてくれます。当院はがん治療の最前線であり、最新のがん治療を学べます。当院では腹腔鏡下胆のう摘出術、結腸切除、肺部分切除、胃切除や乳腺の手術など、できるものは術者としてやってもらいますので、120例を余裕でクリアできます。胸部外科や小児外科は他院で経験します。

都立駒込病院での後期研修で、どのようなキャリアアップが望めますか。

当院でサブスペシャリティに進む人、大学医局に行く人、がんセンターレジデントに行く人など、多彩な進路があり、さらに整備しているところです。もちろん当院で臨床しながら専門医や技術認定医、肝胆膵の高度技能医を目指す人もいます。スタッフには駒込病院で育った先生も多くいます。

カンファレンスについて、お聞かせください。

外科全体のカンファレンスとして術前、術後のカンファレンスのほか、ミニレクチャーがあります。病院としては全科がキャンサーボードを行っています。それから腹腔鏡下手術に備えて、動物や臓器立体モデルを使った実習もあります。

女性医師の働きやすさに関してはいかがでしょうか。

院内保育所もありますし、お子さんがいても仕事と両立できるように、比較的寛容だと思います。外科も女性が増えていますね。女性医師は以前は1割でしたが、今は2割から3割います。

先生が肝胆膵外科を専攻されたのはどうしてですか。

『白い巨塔』などで外科医に憧れ、医師を目指したんです。若い頃に幕内雅敏先生の教えを受けたことも大きかったですね。手術が長く、複雑で、専門性が高いことに面白さを感じました。

先生の研修医時代はいかがでしたか。

東京大学医学部附属病院で研修をしましたが、家には週末に帰るだけでした。医師としての基本姿勢や手技など、最初から良いものに出会えたのは有り難かったです。後期研修では地方の病院に行き、毎日のように手術をしていました。

研修医に指導する際、心がけていらっしゃることはどんなことでしょうか。

2つあります。1つはできる手技はさせるということ、もう1つは結果の責任を研修医に取らせず、指導医が取ることです。1つ目に関してはレクチャーしたうえで実践させています。実践すると難しさが分かります。でも若手の外科医は習得が早いですね。

新専門医制度についてのご意見をお願いします。

外科は6割の専攻医が大学病院を選ぶようになり、大学は連携病院に振ってきますし、医局制度の復活なのかと思ってしまいます。当院としては専攻医に良い研修を提供していきたいと考えています。

これから後期研修の病院を選ぶ初期研修医にメッセージをお願いします。

初期研修では色々な経験をして視野を広げましょう。内科に行く人が外科手術に入ったり、外科に行く人が血液内科の患者さんを診ることは大切です。専門に関してはしたいこと、楽しいと思えることでないと続かないです。ポリクリのときとは違う楽しみを見つけてください。後期研修先に求めることとして、勤務時間、給料、休みといった条件は変化しますし、働き方改革が進んでも仕事は変わらないのです。だからこそ、この道に進みたいという熱意が必要です。AIの専門家の話ではAIには手術はまだ無理だそうです。手術や手技が好きな人、当院の外科にお越しください。3人に1人ががんになる時代ですが、がん治療は手術だけではありません。遺伝子治療や緩和ケアまで、がんに関する全ての最前線の内容が学べる当院での後期研修をお勧めします。

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