指導医インタビュー

学校法人自治医科大学

自治医科大学附属病院

栃木県下野市薬師寺3311-1

名前
山岸 裕和 先生
病院助教、指導医
職歴経歴
1983年に北海道札幌市で生まれる。2009年に札幌医科大学を卒業後、自治医科大学附属病院で初期研修医となる。2011年に自治医科大学附属病院小児科で後期研修医となる。2013年に国際医療福祉大学病院で小児科医員として勤務する。2015年に自治医科大学附属病院小児科に病院助教として勤務する。2017年に国際医療福祉大学リハビリテーションセンターなす療育園に小児科医員として勤務する。2019年に自治医科大学附属病院に小児科助教として勤務する。
学会等
日本小児科学会専門医など。

自治医科大学附属病院の特徴をお聞かせください。

栃木県にある大学病院として、地域に根ざした医療を行っています。栃木県のみならず、茨城県、群馬県、埼玉県からも患者さんがいらっしゃるため、症例も豊富です。1100の病床を持ち、1日に2500人の外来患者さん、8台から9台の救急車が来ます。

山岸先生がいらっしゃる小児科についてはいかがですか。

大学病院に併設されているとちぎ子ども医療センターにある小児科です。大学病院だとどうしても症例に偏りが出ますが、子ども医療センターだと満遍なく、偏りのない症例が集まります。子ども医療センターの中に外科、整形外科などもあり、連携を取りながら他科の疾患を診ることができます。小児科は循環器、神経などの班に分かれており、専門性が高い内容になっています。専門性が高いのに、垣根が低いといいますか、むしろ垣根がないですね(笑)。コンサルトに際しても書類は不要で、電話や会って話すだけで大丈夫です。新規患者さんのカンファレンスや教授回診には皆が参加し、情報を共有できています。

自治医科大学附属病院小児科の専攻医研修プログラムで学べる特徴について、ご紹介くださいますか。

最初の1年は大学病院で特徴的な症例などの基礎を指導医から指導を受けながら学びます。2年目は外部の病院で、喘息や気管支炎といったプライマリケアを学び、3年目は大学病院に戻って、専門性の高い疾患を学びます。3年目になると専門医試験が近づいてきますので、臨床をしつつ、論文も書かなくてはいけません。私は後期研修1年目から論文を書き始めましたが、2、3年目で書く人が多いですね。論文に関しても、指導医からの指導がありますので、ほとんど直されていきます(笑)。私もアセスメントの仕方から訂正されましたよ。横に座って指導してくれる先生が1人いて、前には教授もいてと、2人がかりで最終調整をしますので、かなり手厚い指導となっているのが特徴です。

自治医科大学附属病院小児科での専攻医研修で、どのようなキャリアアップが望めますか。

専門医試験についてはほぼ全員が受験し、取得するという流れができています。専門医試験を受けるにあたっては症例のサマリーが必要ですが、過去の受験者の蓄積を参考にできますし、試験や面接についても記録が残っていますので、準備しやすいです。専攻医研修終了後、論文が和文でも英文でも1本あれば、病院助教としてのポストがありますので、したい研究ができます。その後も症例報告をまとめて論文発表を重ねれば、助教から講師へと上がっていけます。研究志向の人にとっても、研究の資材は豊富ですし、研究費も潤沢にあるので、良い環境です。

カンファレンスについて、お聞かせください。

昔は厳しい雰囲気でしたが、最近はそうでもありません(笑)。ただ、教育的な質問が来ますし、しっかりした内容です。論文を読む機会になっていますし、いい勉強ができますね。新患カンファレンスが週3回、専門班に分かれたカンファレンスが週1回、教授回診が週1回あります。新患カンファレンスでは自分の担当患者さんについての相談事項があれば、専門班でプレゼンすることもあります。

女性医師の働きやすさに関してはいかがでしょうか。

時短制度や当直免除などが整備されています。小児科は女性医師が多いので、助け合い精神を持って、負担が偏らないようにしています。今、6人ほどのスタッフが産休や育休を取得中です。その中に専攻医も2人います。

先生が小児科を専攻されたのはどうしてですか。

子どもに限定はされますが、臓器に限定されず、ヒト全体を診られることに惹かれたからです。大人を診るとなると臓器が特定されますから、視野が狭くなるかもしれないと考えました。初期研修で自治医科大学附属病院を選んだのは研修医が色々なところから集まっているのがいいなと思ったのが理由です。ちょうど子ども医療センターができた頃で、大学病院に併設されている環境も良かったです。

先生の研修医時代はいかがでしたか。

50人以上の同期がいたので、楽しかったですね。後期研修にも8割の同期が残りました。今は科はばらばらになりましたが、近所に住んでいる人も多いので、家族ぐるみの付き合いをしています。

研修医に指導する際、心がけていらっしゃることはどんなことでしょうか。

当院の研修医はすぐに地域に出ますので、早く一人前になり、一人で診られるように、こういう患者さんにはどう考えるのか、どういう検査をすべきか、危険な状態をどう鑑別するのかといったことを教える気風があります。私も病態から考えるべきものはどのようなものがあるのかを伝えることを心がけています。

研修医に対し、「これだけは言いたい」ということはどんなことでしょうか。

仕事を続けていくと慣れてくるので、ルーティンになります。そうすると、何も考えずに仕事をすることになってしまい、異常事態に間に合わなくなる恐れがあります。ルーティンに流されず、常に病態を考えようと言いたいです。

現在の専門医制度について、感想をお聞かせください。

小児科は大きな変更はありませんでしたので、現場の混乱もありません。今回の制度で論文が必修になりましたが、自治医大はもともと論文を書いて助教になる土壌がありましたので、論文に関しても変化はなかったです。

これから後期研修の病院を選ぶ初期研修医にメッセージをお願いします。

専攻したい科を選ぶにあたっては、医師として何をしたいのかを考えたり、初期研修で印象に残った科はどこだったのかという観点を大事にしましょう。仕事がルーティンワークになってしまうとつまらなくなるので、あまり考えなくてもよさそうな科や病院は若いうちに行かず、経験を積んでからの方がいいと思います。若いうちは頭でしっかり考えることができる科や病院で学んでください。

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