指導医インタビュー

国家公務員共済組合連合会

枚方公済病院

大阪府枚方市藤阪東町1-2-1

名前
守上 裕子(ゆうこ)先生
枚方公済病院循環器科 指導医
職歴経歴
佐賀県唐津市出身。2008年に金沢医科大学を卒業後、京都大学医学部附属病院のたすきがけプログラムにより、2008年は京都大学医学部附属病院、2009年は島根県出雲市の病院、隠岐広域連合立隠岐島前病院、隠岐広域連合立隠岐病院で研修を行う。2010年に京都大学医学部附属病院循環器内科に勤務する。2011年に枚方公済病院循環器科に勤務する。
学会等
日本内科学会認定医、日本循環器学会循環器専門医など。

枚方公済病院の特徴をお聞かせください。

313床の急性期病院で、臨床研修には程よいサイズ感です。地域のセーフティーネットとして、救急外来を中心に、各科の医師が努力しています。地域の病院ですので、消化器、循環器をはじめ、様々な患者さんがいらっしゃり、2次から2.5次までの救急を診ています。ただし、多発外傷、内科疾患に紛れた重症、産婦人科救急、脳神経外科救急などは受けていません。当院が窓口としてお受けしますが、近隣の関西医科大学附属病院、宇治徳洲会病院、京都岡本記念病院、脳神経外科に関しては星ヶ丘医療センターなどと連携し、救急車の中で患者さんが待つことがないように、医師から医師に繋ぐ形を取っています。スタッフの特徴としては、ほかでは5、6年目の医師が中堅を担うことが一般的なのですが、当院は11年目、12年目の医師が揃っているので、救急外来でもベテランがついた状態で、初期研修医に多くの手技を経験させることができます。初期研修医と指導医の距離が近く、初期研修医が一人きりになることがありません。どこかに誰かがいて、皆で楽しく診療している病院です。

守上先生がいらっしゃる循環器科についてはいかがですか。

私は循環器の専門医ではあるのですが、救急外来メインで働いています。救急外来で窓口業務を担い、循環器の患者さんや総合内科的な患者さんであれば、私がそのまま診て、そのほかの患者さんは各科の医師にお願いします。外科や麻酔科にお願いすることが多いですが、初期研修医のローテート先でもあるので、私自身も麻酔科でのトレーニングを実行しています。そして、救急外来を入口として、患者さんや各科の医師が負担のないよう、皆がハッピーでいられるようなコーディネーターであることを目指しています。私だけでなく、循環器科のほかの医師も各科の医師も皆が広く診ることを心がけています。

枚方公済病院の初期研修の特徴もお願いします。

最大の特徴はフレキシブルに研修プログラムが組めることです。1年間のプログラムが決まっている状態でスタートする臨床研修病院が多いのですが、当院はきちんとしたプログラムを作っておらず、その月が終わるごとに指導医と話し合い、プログラムを決めていきます。初期研修医にどのようなことが不足しているのか、もう少し磨いていきたいことは何かなどを話し合い、次のローテート先が決まったら、私たちが各科の医師に到達度を報告し、初期研修医と一緒に挨拶に行って、お願いしています。

ほかの特徴として、どういったことが挙げられますか。

当院は都心部から離れているからなのか、医師とコメディカルの仲が良い病院であり、コメディカルから見た医療を大切に考えています。そこで初期研修医の1年目の4月はコメディカルローテートに当てています。リハビリテーション科の心大血管疾患リハビリテーション部門、そのほかのリハビリテーション部門、栄養科、放射線科、救急看護といった部署を体験したり、クイズ形式で勉強して、コメディカル側の視点を学びます。そうすることで、患者さんがお困りのときに誰とディスカッションすれば、患者さんにより良い医療を提供できるのか考えることができるようになります。

初期研修医の人数はどのくらいですか。

2学年で10人です。当院は基幹型病院だけでなく、京都大学医学部附属病院や徳島大学病院の協力型病院でもあり、たすきがけの初期研修医も受け入れています。基幹型が1学年2人で、そのほかがたすきがけです。たすきがけの初期研修医は途中で入ったり、出たりがありますが、柔軟に受け入れを行っています。皆がフレンドリーに接していますし、人間的にいい人ばかりで有り難いですね。近年の自然災害で実家が被災した人がいたのですが、同期が励ましていました。当院は地域に密着していて、ベテラン医師が揃っているので、初期研修医一人あたりの症例が豊富です。それを狙って来ている初期研修医が多いので、骨太の人が多いなという印象があります(笑)。

指導される立場として心がけていらっしゃることを教えてください。

初期研修医も立派な大人ですから、一人一人の初期研修医の個性を大事にしたいと考えています。全ての初期研修医が同じガイドラインに沿って、ロボットのように走り抜けていくことがないように、そして到達できないことがあっても、ほかの初期研修医と比較することなく、オーダーメイドの初期研修を行いたいです。初期研修医それぞれに得意なこと、苦手なことがあるのは当然ですし、バリエーションに富んだ医師が世の中に出ていくことが理想です。10年も経てば、私などを簡単に超えていく存在になっていく人たちだと思います(笑)。

枚方公済病院を巣立っていく研修医をご覧になって、どう思われますか。

よく育ってくれたなと実感しています。それぞれがこれから各地の病院、あるいはセンター病院などに分かれていきますが、どこに行っても恥ずかしくない基礎を身につけることができました。経験や知識はこれからも増えていきますが、10年後、20年後も医師という仕事を楽しいと思ってほしいです。そのための土台を当院で築けたのではないでしょうか。

「こんな研修医がいた」というエピソードがあれば、お聞かせください。

私は救急外来で初期研修医にべったりついて指導をしているのですが、一人一人のキャラクターが濃いので、それぞれにエピソードがあります。救急外来での1カ月の研修が終わったら、ご褒美があるんです。初期研修医それぞれに隠れた趣味や特技がありますので、それぞれの希望を聞いて、バーベキューをしたり、プチ旅行をしたりします。当院は京都にも大阪にも出やすい場所にあるので、京都の美術館に行ったり、町家を貸し切って飲み会をしたこともあります。また、私の実家がある佐賀県唐津市に行き、台風の中で音楽フェスに参加したこともありました。私が皆を連れていくようで、実は皆に連れていってもらっているんですね(笑)。

研修医に「これだけは言いたい」ということがあれば、お聞かせください。

上司からの受け売りなのですが、伸び伸びと育ってほしいということです。これから先、色々な病院に行くわけですが、地域が違えば文化も違いますし、病院での「お作法」もそれぞれ違います。でも、どこに行っても、自分にできることは必ずありますので、できることを謙虚に頑張ってほしいですね。学年が上がっても「勉強になりました」と、人に頭を下げなくてはいけません。医師同士だけでなく、患者さんにも同様です。80歳や90歳の患者さんは人生の大先輩なのですから、そうした患者さんから常に情報をいただき続ける必要があります。私自身も患者さんから多くのことを教えていただいてきました。

先生の研修医時代はどのようにお過ごしでしたか。

私は京都大学医学部附属病院のたすきがけプログラムを選択しました。1年目は大学病院で過ごし、大学病院ならではのアカデミックな内容を手取り足取り教えていただきました。大学病院は同期が多いので、今でもお付き合いのある仲間ができ、かけがえのない経験をしました。2年目は島根県に行き、出雲市と隠岐島の病院で研修したんです。隠岐島の隠岐島前病院にはプライマリケアで有名な白石吉彦院長先生がいらっしゃり、白石先生の患者さんへのマインド、地域の方と一緒に暮らしているかのように医療をされる姿は今も忘れられません。研修医時代に誰と出会ったのか、どんなマインドを持った人のもとで育ったのかは大切なことだと思います。

新専門医制度についてのご意見をお願いします。

学生教育では外部研修や臨床実習が充実してきた一方で、新専門医制度により、私たちの時代よりも時間と労力がかかることになるなど、両面性があります。この制度は男性も大変ですが、様々なことをこなしていかなくてはいけない女性が専門医を取得するのは特に大変ですし、女性に優しくない制度ですね。初期研修医が医師を続けていくにあたり、先が長いだけに、いつまで経ったら独り立ちできるのか、一人前になるのか、不安が尽きないことと思います。そんなときは逆の見方をしてみましょう。私は12年目ですが、12年やっても、医師の世界には先輩が大勢います。先輩方を頼りましょう。

女性医師にメッセージをお願いします。

焦らなくていいというメッセージを贈りたいです。確かに女性は苦労しますが、辞めずに続けていれば、必ずいいことがあります。周囲に流されずに頑張ってほしいです。選択科についてはご自身のプランに合わせるべきです。私自身は循環器や救急にいますが、それらを勧める気も、またはハイボリュームセンターを勧める気もありません。世の中に必要な先生方ばかりなのですから、働き方のプランも色々ありますし、私が存じ上げない道もあるかもしれません。様々な先輩と知り合って、広い視野からご自身のプランを立てていただければと思います。

これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

臨床研修病院を選ぶにあたって、間違いは存在しません。どの病院を選んでも、それがお一人お一人の正解なのです。私も医師人生の半分もいっていません。長い長い医師人生の中で無駄なことはなく、あらゆる経験がプラスになります。目の前にあることをいかに習得するのか、自分が患者さんに何を返せるのか、常に考える初期研修を行いましょう。

最後に枚方公済病院のPRをお願いします。

当院は京都大学の関連病院ではありますが、学閥は全くなく、初期研修医の地元や出身大学もばらばらです。それぞれの個性を大切にして、多様性を認めているのが大きな魅力だと思います。一度、見学にいらしてください。そして当院のマインドを気に入ってくださったら、応募していただけたらと思います。楽しいことは間違いない初期研修ができるはずです。

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