指導医インタビュー

社会福祉法人 聖隷福祉事業団

総合病院 聖隷浜松病院

静岡県浜松市中区住吉2-12-12

名前
鳥羽 好恵(とば よしえ)先生
聖隷浜松病院院長補佐、麻酔科部長、手術センターセンター長、指導医
医師免許
1994年取得
職歴経歴
1968年に大阪府で生まれる。1994年に徳島大学を卒業後、徳島大学麻酔科教室に入局し、高知市立市民病院(現 高知医療センター)で研修を行う。1997年に高松市民病院に勤務する。2000年に倉敷中央病院に勤務する。2002年に高松市民病院に勤務する。2006年に聖隷浜松病院に勤務する。2013年に聖隷浜松病院麻酔科部長に就任する。2020年に聖隷浜松病院院長補佐、手術センターセンター長を兼任する。
学会等
日本麻酔科学会麻酔科専門医・指導医、日本小児麻酔学会小児麻酔認定医、聖隷クリストファー大学臨床教授、浜松医科大学臨床准教授など。

聖隷浜松病院の特徴をお聞かせください。

750床の病床を持ち、標榜科35科、診療科72科(2020年4月1日現在)のほかに、周産期センター、頭頸部センター、循環器センター、手外科・マイクロサージャリ―センター、てんかんセンターなどを備え、総合的な診療を行っている病院です。手術件数が年間11000件以上、救急車搬入数も7000件以上と非常に多く、豊富な症例があります。研修環境として、最新の医療機器もありますが、文献検索ツールのある図書室の充実が挙げられます。また、臨床研修を行いながら博士号を取得できる社会人大学院制度もあります。

鳥羽先生がいらっしゃる麻酔科についてはいかがですか。

24時間対応の急性期病院で、手術件数が多く、麻酔科管理症例は約7000件です。全科に渡っての幅広い手術麻酔を経験できるのが特徴です。大人から子どもまで全ての科の手術に関わることができるのは全国でも珍しい麻酔科です。心臓血管麻酔専門医認定施設でもあります。

聖隷浜松病院の麻酔科専門研修プログラムで学べる特徴について、ご紹介くださいますか。

当院の麻酔科は徳島大学の関連病院として、協力型のプログラムもありますが、基幹型としてのプログラムも作り、こちらに力を入れています。このプログラムでは専門医取得に必要な症例を経験できます。当院では新生児、小児から成人までの全科の手術を経験できるほか、各分野に専門性の高い指導医がいますので、さらに知識を深められます。当院のプログラムでは当院以外に静岡県内の聖隷三方原病院、静岡県立こども病院、静岡市立静岡病院のほか、全国に連携している病院のうち少なくとも一つの病院を選択して研修することが必須となっています。さらに院内の垣根が低いので、当院の救急や集中治療、緩和医療の研修も可能です。

聖隷浜松病院麻酔科での専門医研修でどのようなキャリアアップが望めますか。

症例数が多い中で、専門医研修医に優先的に症例をあてていきますので、症例が偏らず、色々な症例を診ることができます。当院ではチームによる麻酔管理を目指しているので、一人で決めた方法で勝手に麻酔をしないように、その日の麻酔症例を全員で共有できるようにしています。指導医同士もお互いの麻酔を監視し合って、質の向上を目指しています。麻酔科専門医の取得には当院のみで十分な症例数があり、さらに他の人の麻酔もみることができるので経験が豊富になります。心臓血管外科麻酔の専門施設でもありますので、心臓血管外科麻酔専門医も取得できます。当院の麻酔科は4年間のプログラムになっていますが、ほかのプログラムから移ってきた専門医研修医もいますし、4年の間、縛りつけることもありません。その後のキャリアアップについては随時、相談に乗っています。

カンファレンスについて、お聞かせください。

毎朝、その日の症例のカンファレンスがあります。症例発表を皆で聞いて、問題点を話し合います。また、当院はコメディカルスタッフのモチベーションも非常に高く、多職種連携を大事にしております。カンファレンスには麻酔補助の臨床工学技士も同席しています。また、週に1回、担当制で発表する抄読会をしていますが、コメディカルにも発表してもらい、違った視点の知識を深める機会になっています。

専門医研修医も発言の機会は多いですか。

多いですね。専門医研修医として慣れてきて成長したら、カンファレンスの司会をしてもらったりもしています。

女性医師の働きやすさに関してはいかがでしょうか。

女性医師に限らず、男性医師も働きやすい病院です。お互いに代わってあげるという雰囲気がありますね。女性医師だけ贔屓するわけにはいきません(笑)。育児をする男性医師も増えてきましたし、独身の男性医師にもそれぞれの家庭や個人の事情があるわけですから、チームとして助け合っています。

先生が麻酔科を専攻されたのはどうしてですか。

学生時代の臨床実習で麻酔科を回ったときに、一人で麻酔をかけている先生の姿を見て、かっこいいと感じたり、全科を楽しめそうだと思ったことぐらいで、あまりはっきりした理由はありません(笑)。私たちの頃は今のような臨床研修制度はなかったので、卒業時に決めました。何となく麻酔科医になりましたが、麻酔科医として仕事をするようになってから、特に、聖隷浜松病院にきてから明らかに楽しくなってきました。

研修医時代はいかがでしたか。

高知の病院で研修しました。怒られてばかりでしたが、楽しかったですね。指導医の先生が厳しく、でも思いやりのある方で、充実した毎日を過ごすことができました。

研修医に指導する際、心がけていらっしゃることはどんなことでしょうか。

私は厳しく教えられないんです(笑)。麻酔の楽しさが伝わるように教えたいと思っていますが、初期研修医の中には麻酔に興味がない人もいますので、難しいですね。一方で、専門医研修医ですと麻酔に興味を持って、麻酔科に来ているわけですから、楽しさを伝えやすいです。固定概念にとらわれることがないように、一つの方法だけではないのだとよく話しています。

麻酔の楽しさはどのようなところにありますか。

麻酔科医のさじ加減一つで、そして自分の技術で術後の患者さんの痛みの程度や快適さが決まることがあること、自分の不備で時に重大な合併症につながるかもしれないという緊張感。影でコントロールしているんだぞというところが面白いです。表立っている感じはしないかもしれませんが、各科の先生とのコミュニケーションがとても重要な科で、実は周術期の主役になれる科かなと思います。

研修医に対し、「これだけは言いたい」ということはどんなことでしょうか。

若いうちは色々な指導医から違うことを教えられるので混乱することも少なくありませんが、そういった教えを余裕とキャパシティを持って聞き入れ、その中から自分で選択していきながら、成長してほしいです。外科医から何を希望されてもフレキシブルに仕事ができるようになってほしいです。

現在の専門医制度について、感想をお聞かせください。

市中病院は人手不足のところが多いですし、その中で麻酔科も人手不足の問題を抱えていますので、市中病院だけで研修を成立させるのは難しい仕組みになりました。そこで大学との関係が必要ですが、人手が足りない大学もありますので、ローテートする研修医を呼べないこともあります。市中病院にとっては厳しく、不利な制度だと思います。

これから専攻医研修の病院を選ぶ初期研修医にメッセージをお願いします。

当院は多くの症例を経験できます。短時間で豊富な知識と技術を身につけられ、効率よく学べる病院です。ママさん医師にとっても働きやすい環境が整っています。臨床の実力をつけたい人には良い病院です。また、いろんな出身大学の人が集まって仲良くやっています。ご興味のある方はどうぞお問い合わせください。宜しくお願いします。

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