指導医インタビュー

宮崎大学医学部附属病院

宮崎県宮崎市清武町木原5200

名前
濱中 秀昭 先生
医局長、指導医
職歴経歴
1970年 和歌山県田辺市に生まれる
1996年 宮崎医科大学(現:宮崎大学医学部)卒業
1996年 宮崎医科大学附属病院(現:宮崎大学医学部付属病院)整形外科入局

現在、宮崎大学医学部付属病院 整形外科にて医局長を務め、脊椎グループのチーフとして診療・後進育成にあたっている。

宮崎大学医学部附属病院の特徴を教えてください。

宮崎は非常に暖かいです。気候もそうですし、非常に温厚で明るい人が多いです。そのような人が多い地方の国立大学なので、医師もそうですが、メディカルスタッフの方々も明るくて温厚な人が多く、それぞれ皆仲がいいです。
大きな病院になるとそれぞれの科で縦割りのようになる事が多いんですけど、宮崎大学では横のつながりがしっかりしていると感じます。だから、患者さんのことで困ったときに、他の病院だったら何曜日まで待ってくださいと言われることがあると思いますが、ここでは電話一本で「ちょっと見てもらえませんか?」「いいですよ!」というような形で横のつながりが凄く強いです。
あと、サーフィン天国とよく言われていて、サーファーにとっては凄くいいところみたいです(笑)。実際、研修医の先生で「波があるから宮崎に来ました」っていう人もいるくらいです。そういう人も宮崎で研修していたら、波ももちろん宮崎の人柄も良くてそのまま定住してくれます。そういった風に研修後も専攻医を宮崎で行う先生もいるのでそこがいいところだと思います。
また、宮崎大学は「世界を視野に 地域から始めよう」というスローガンを掲げています。卒後一貫教育と宮崎の地域医療に貢献できる優秀な医療人を排出していくというのを目標にしています。

科目ごとの垣根がないという事で研修医の先生、専攻医の先生、色んな事が学べると思いますが、実際に先生のいらっしゃる整形外科では横のつながりという意味でどのようなことがありましたか。

内科を回っている研修医の先生から、「患者さんが腰が痛いと言っている」と相談を受けることもよくありますし、実際に僕らも研修医の先生から言われたらすぐ診るようにしています。外来自体は火・水・金ですが、土日であろうが当直医の手に負えないようであれば専門医に回してもらっています。患者さんファーストという事はもちろんそうですが、僕ら医師もやっぱり助けてもらったことって凄く覚えているじゃないですか。そういうのって凄く大事かなと思っていて、研修医の先生が困っていたらすぐにフォローするようにしています。

濱中先生が所属されている整形外科の特徴をお聞かせください。

宮崎大学の整形外科は、スタッフ28名で構成されており、3つのグループに分かれています。帖佐教授の下肢グループと、スポーツも担当する上肢グループ、そして僕のいる脊椎グループに分かれています。帖佐先生としては、大学病院で全てを診る事が出来る、この病院に来たら全ての疾患を経験できるという考えを持っていらっしゃるので、小児から高齢者まで、整形疾患・腫瘍・感染・リウマチ疾患等々、宮崎県の患者さんに起こっている整形外科の疾患全てを当院で対応する事を考えています。ジェネラルで整形外科の疾患を全て診られる、スペシャリティも2つ以上持ち、診療・研究にあたれる事を目標にやっています。去年の手術症例数が1500例です。600床クラスの国公立の病院の中ではトップクラスのようです。
あとは、「スポーツメディカルランド宮崎」という構想があって、官民一体で県と一緒にプロジェクトに取り組んでいます。例えば、なでしこジャパン(サッカー女子日本代表)の帯同をやっていたり、宮崎県で合宿するプロ野球チーム、ラグビー日本代表や侍ジャパン(野球日本代表)の帯同をしたりしています。大きなプロスポーツもですが、国体に帯同したり、後は子どもの学童期の運動検診をやったりと幅広く取り組んでいます。また、ロコモザワールド宮崎という名前でロコモティブシンドロームに関しても力を入れていると言うのが、宮崎大学の整形外科の特徴です。

先生が整形外科医になったきっかけをお聞かせください。

僕は正直細かいことが苦手で・・・(苦笑)。さらにかなり大雑把な性格なので、ポリクリで内科を回ったときにサマリーなど細かいことが多く、そういうのが辛いなと・・・。やっぱり切った貼ったの世界がいいなということで、自分の性格を計算して外科系に行きました。
その中で整形外科に決めた要因として、整形外科の病棟って凄く明るいんですよね。若い人が多いというのもありますし、病棟の雰囲気がとても明るくて、患者さん本人が症状の改善を実感でき、医師にとっても治っていくというのを見た時にやっぱり整形外科がいいなと思い選びました。

患者さんとのやり取りで特に気をつけていること・意識していることをお聞かせください。

患者さんが何を求めているのかという事が一番ですね。特に大学病院なので手術を目的に来られることもあるんですけど、本当に手術をする事がベストなのか患者さんご自身とご家族とじっくり話し合って、痛みをとってほしいのか、それとも日常生活動作ADLを上げたいのか、曲がった腰をまっすぐして欲しいのか、と言ったような患者さんが何を求めているのかというのを常に考えて、患者さんの希望とその中でやれることを合わせながらやっているというのが僕の中で意識していることですかね。

日々の中でやりがいを感じるのはどんな時ですか。

僕は脊椎外科グループなんですけど、脊椎外科って急に動けなくなったり、急に麻痺になったりという事があります。それには色んな原因がありますが、本当に麻痺がひどくて寝たきりになった人を手術することによって、一年後歩いてきてくれてお礼を言われたりするんですね。それで患者さんが喜んでくれたときは、僕もものすごく嬉しいんです。やっぱりきついこともいっぱいあるんですよ。夜中に呼ばれて緊急手術することもありますし。それでも手術後にその患者さんが良くなって、喜んでいる姿を見た時が一番嬉しいですし、やって良かったなと感じます。

これまでの後期研修と新しい専門医制度になってからとで変わった点など有りますか。

あんまり変わってないとは思うんですけど、プログラムに専門医取得までのスケジュールが明確に記載されているので、キャリアを具体的にイメージしやすくなったのかなと思います。特に整形外科でいうと、以前は、専門医試験を受けるまで4年研修して4年9ヶ月くらいで受験する形だったのですが、今は3年9ヶ月の段階で受験できるので1年早くなりました。それも良し悪しだと思います。早めに専門医になれるのは良い事だと思いますが、3年9ヶ月の短い期間で必要な経験症例数を集めなくてはいけないのは辛いところかなと思います。早めに専門医になれるほうが、モチベーションが上がるのかはちょっとわかりませんけど、スケジュールが1年早くなったというのが新専門医制度で変わったところだと思います。
ただ、宮崎のいいところは患者さんに対して医者の数が足りていないので、そういう意味では症例を多く経験できます。専攻医の先生でも、経験すべき症例は指導医のもとでどんどん執刀してもらって、本を読んで勉強をして、患者さんが良くなって自分の中でどんどんフィードバックしていって、自分の中の整形外科を作る事が出来ます。今の宮崎は研修医の先生、専攻医の先生はすごく手術ができる環境にあると思うので、自分を高めるには凄くいいところかなと思います。

先生は研修医時代どのようにお過ごしでしたか? 今の研修と違うところがあればお聞かせください。

まず、僕らの時代には今みたいな初期研修の2年間ってなかったんですよね。いきなり入局して、いきなり整形外科に所属すると言った形でした。その為、正直に言うと、今よりは厳しい環境に置かれていました・・・。今の研修医の先生・専攻医の先生達の研修はしっかりとプログラム化されていて、かつ指導医の先生もきちんと居て、困った時は指導医の先生に相談できる環境なのですが、僕らの時はいきなり1人で患者さんを診る事もありました。最初はすごく怖くて、確かにすごく勉強にはなるんですけど、かなりスパルタですよね(苦笑) 
教科書を片手に診療する。そんな感じの研修でした。まあ今となっては良い思い出ですけどね。一人で診なくてはいけない施設にいる時は、1年365日オンコールでいつ呼ばれるのか分からないので、その地域から離れらない、と言うような経験をしました。僕は自分がそういった経験をしていたので、医者は24時間働かなくてはいけないのかなっていう考えも無くはないのですが、今はね、働き方改革があるのでそういう事を言うと怒られちゃいますね(笑)
少し話はそれちゃいましたが、研修時代を振り返ってみると、患者さんが亡くなって泣いたこともありますし、もの凄く辛かったし、スパルタな環境でしたけど、僕の財産になっています。まあ今の時代にはそぐわないですけど(笑)。だから今の研修医の先生たちを見ているとすごく守られているし、学ぶ環境も作られているので、いいなぁと思う事もあります。

指導される際に気を付けている事はどのような事でしょうか。

僕は医局長なので、入局して貰う、整形外科医が足りていない宮崎県で整形外科医になってもらうという事も大きな仕事です。その為、研修に来られる先生方には、整形外科医のやりがいを伝える事を意識していて、なるべくたくさんの成功体験を与えてあげたいと考えています。やっぱり患者さんがどんどん良くなっていくところを見せてあげたいと思っているんです。
特に脊椎の世界は、手術をしたら劇的に良くなる患者さんがいて、昨日まで寝たきりだったのが、手術の翌日には歩くという事が多々あります。もちろん順調に行かないこともありますが、そういう良くなる患者さんをいっぱい診て、患者さんの主治医となって、患者さんの反応やお礼の言葉を貰う事によって、整形外科良いな、脊椎外科良いなって思ってもらえるような形で興味を持って貰いたいと考えています。

巣立っていく先生方をご覧になって、どのような医師になって欲しいと思われますか。

医師の中には、周りからお医者様として扱われて、ふんぞり返っちゃう人もいますよね。そんな医師にはなって欲しくないと思います。自身のスキルアップの為だけに患者さんを診るのではなく、常に患者さん目線に立って、患者さんの事を想って、何が患者さんにとって一番良いのかを考えられる優しい医師になって欲しいと思います。

今までご指導されてきた中で、印象に残っている研修医・専攻医のエピソードがあればお聞かせください。

以前、手術した事によって一時的に状態が悪くなってしまった患者さんがいらっしゃいました。その患者さんの担当の研修医は、もちろん研修医なので手術などは出来ませんが、すごく患者さん目線に立てる人で、常に患者さんのそばにいて、患者さんは何が苦しいのか傾聴してあげる事が出来る人でした。患者さんはその事にすごく救われたみたいで、その後元気になった患者さんが僕の外来に来られた時に最初に言われたのは、「その研修医の先生がいたから私は何とかなりました。」と言う事でした。
医師と患者さんの間には上下関係があるのでは無くて、人と人として、横並びで心を通わせる事が出来たその研修医の事はすごく印象に残っています。

これから研修先を選ぶ初期研修医に向けてメッセージをお願いします。

研修プログラム自体はネット上にたくさん情報が載ってはいますが、それを文字で追って決める事は難しいですよね。じゃあそんな時に何を目安にするかと言うと、1~2学年上の先生の姿を見るのが一番いいのかなと思います。病院見学等にたくさん行かれると思うんですけど、その時に施設・設備や専門の先生について調べる事ももちろん大事ですが、それよりも自分に近い先生を見て、その先生が活き活きと働いているかどうか。やっぱりそこが一番選ぶポイントだと思います。僕から見ると宮崎大学の先生方も活き活きと働いているので、オススメかなと思います(笑)

最後にPRをお願いします。

先ほども述べましたが、宮崎の県民性ってすごく良いと思うんですよ。怖い県民性の地域ってあるじゃないですか(笑)、でも宮崎の人ってすごく優しいんですよね。だから研修医・専攻医の先生に対してもすごく感謝してくれます。そう言う意味では、診療していて心が疲れる事があまりないと思います。やっぱり働いていると人と人との付き合いになってくるので、きつくなる事もあると思うんですよ。その中でも優しさに触れる機会もたくさんあって、患者さんを診る事で自分も癒される。そういう県だと思います。
あとは患者さんの数と医師の数を比較した時に、医師の数というのは全然足りません。という事は、たくさん経験が出来るという事です。若いうちから自分が中心となって、診療や手術も出来ると言うのが大きな売りかなと思います。
最後に宮崎県出身でなくても、宮崎県はいつでもウェルカムです。ぜひ一度来てみて下さい。一度来て頂くと、良さが分かると思います。遊びに来るだけでも大歓迎です。サーフィンやテニスやゴルフは一年中楽しめますし、冬は暖かいです(笑)。おいしいものもたくさんあるし、物価も安くて生活する上ですごく便利な県なので、ぜひ一度宮崎県に来て下さい!

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