初期研修医インタビュー

厚木市立病院

神奈川県厚木市水引1-16-36

名前 上野 健太郎 研修医
出身地 神奈川県厚木市
出身大学 昭和大学
医師免許 2015
名前 梶 睦(むつみ) 研修医
出身地 東京都世田谷区
出身大学 東京慈恵会医科大学
医師免許 2016

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

上野:

小さい頃に身体が弱く、病院に行くことが多かったので、医師に漠然と憧れていました。高校に入ってからは物理などの理系科目が好きになり、医学部に進学するかどうか迷ったこともあったのですが、浪人したときにやはり医師になろうと決めました。

梶:

私は小中学生のときは「インディ・ジョーンズ」が好きで、考古学者になりたかったんです。でも、父が持っていた『ブラック・ジャック』を読んで、そのかっこ良さに憧れ、医師を目指しました。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

上野:

アメリカンフットボール部に入っていました。卒業するときに1部に上がれたのがいい思い出です。アメフトは騙し合いのような面があり、精神的な駆け引きが面白いスポーツですね。

梶:

私はスキー部でしたが、部員が3人ぐらいしかいなかったので、必死になって後輩を増やしました。その結果、14人ぐらいになり、縦の繋がりができたときが嬉しかったですね。5年生のときに友達とモロッコに旅行に行ったのも印象に残っています。途中で臭いバスに乗ったりもしましたが、砂漠で朝日を見たときには「こいつらと一緒で良かった」と思いましたね(笑)。今はそれぞれ別の病院で研修していますが、仲の良さはずっと続いています。

臨床実習はいかがでしたか。

上野:

診療科によっては厳しかったですが、私はあまり真面目にやっていませんでした(笑)。

梶:

私の大学はそんなに厳しくなかったです。私なりにめりはりをつけていました(笑)。

大学卒業後、研修先として大学病院でなく、厚木市立病院に決めた理由をお聞かせください。

上野:

母校から出てみたい思いがあり、市中病院で研修したかったんです。厚木市出身なので、地元の病院である当院を選びました。

梶:

当院は東京慈恵会医科大学の関連病院で、慈恵の先生方が多いんです。OBの先生方からも「いい病院だよ」と勧めていただいたので、当院に決めました。医局が一枚岩になっていて、垣根が低く、縦割り制度もないので、ほかの科をまたいだ疾患でもコンサルトしやすいところがいいですね。先生方も「見てくれないか」と言い合っておられますよ。

厚木市立病院に見学に来られたときの印象はいかがでしたか。

上野:

5年生のときに来ましたが、変わっているなと思ったことはなかったです。

梶:

いくつか見学に行きましたが、どこも研修システムはよくできているんですね。その中で当院を選んだのは見学に行ったときに、どう見ても学生の私に、受付のクラークさん、技師さん、看護師さんたちが皆、「こんにちは」と挨拶をしてくれたことが大きかったです。大学病院にはそうした感じが希薄なので、特に印象に残りました。就職する以上は良い雰囲気のところで働きたいと思いました。

厚木市立病院での初期研修はイメージ通りですか。

上野:

思っていたよりも雰囲気が良く、仕事しやすいです。手技や執刀医の経験が多く積めるところもいいですね。

梶:

OBの先生方からも手技をさせていただける病院だと聞いていましたが、4月や5月の時点からさせていただいていました。ほかの病院で研修している友達と話していても、当院の自由度の高さを感じますね。

厚木市立病院での初期研修の特徴をお聞かせください。

上野:

1年間を通して、救急の当直ができることと外科では必ず執刀医をさせていただけることですね。月に1回の院長勉強会も特徴です。2回に1回は初期研修医が発表しますし、アカデミックな部分も勉強できます。

梶:

外科系に強い病院だからか、外科の期間が3カ月ありますし、整形外科が必修です。これは珍しいと思います。手技の機会も多いですね。でも、1年間を通しての救急当直があるので、内科が疎かにならないのがいいです。バランスの良い研修ができます。

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

上野:

私が持っていたイメージ以上に教えてくださっています。何かを尋ねたら、尋ねた以上のことを教えてくださるんです。精神的に辛くなることがありません。

梶:

1学年5人という規模なので、1つの科を1人で回ります。マンツーマンでの指導を受けられるのがいいですね。上の先生方の年齢層が若く、30代から40代の方々が多いので、先生方が困っていたことを私たちに教えてくださいます。大学病院は年配の先生方が多く、気圧される感じがありましたが、当院には質問しやすい雰囲気があります。

厚木市立病院での初期研修で勉強になっていることはどんなことでしょう。

上野:

手技ですね。見ているだけではなく、実際にさせていただけます。救急の内科当直では初期研修医が全てファーストタッチするのも勉強になります。将来、内科に行かない人も初期対応ができるようになるのは良いことだと思います。

梶:

年間を通しての救急の研修です。患者さんが救急外来に来られてから内科や外科に入院し、退院するまでを診ることができます。ほかの病院だと病名がついている患者さんを病棟で診ることばかりですが、当院では救急外来でファーストタッチから退院までを診ますので、患者さんへの思い入れもひとしおです。勉強も進みますね。

研修医同士の意見交換や情報共有も活発ですか。

上野:

私たちの学年が3人で、下が5人ですので、研修医室に集まって、よく話しています。

梶:

8人だとグループができないんですよ(笑)。電子カルテに入力していると、「どんな症例なの」と意見交換が始まります。8人がそれぞれ違う科を回っていますので、話しやすいですね。

何か失敗談はありますか。

上野:

外科で初めての執刀医をしたのが鼠径ヘルニアの手術だったのですが、うまくいかなかったんです。翌日、指導医の先生が改めて手術されました。

梶:

呼吸器科からスタートしたのですが、救急外来で診た患者さんが状態が良く、肺炎だろうと思っていたんです。ところが、肺炎増悪で呼吸が苦しくなり、気管支が詰まってしまいました。私としてはきちんと対応できたのですが、その後に亡くなったのが辛かったですね。ポリクリでは患者さんが亡くなるところは見ないですし、親族以外の死を初めて経験しました。ご家族からは「ありがとう」と言われましたが、ショックが大きかったです。

初期研修プログラムで改善を望みたいことはありますか。

上野:

病院の特性上、仕方がないのですが、三次救急を診られないのが残念です。外科系が強いのは確かですが、麻酔科が3カ月なのは長いかなと思います。

梶:

私も同感です。内科系に行きたい人に外科3カ月、麻酔科3カ月は長いかもしれません。また、地域医療が神奈川県立煤ヶ谷診療所なのですが、ここから近いんです。当院も二次救急とは言え、風邪なども診ていますから、折角の地域医療ではエコーもないような僻地に行ってみたかったですね。

当直の体制について、お聞かせください。

上野:

月に5回あります。内科の指導医と初期研修医という体制です。外科系と小児科は回っている間に希望すれば当直できます。そのときも指導医と初期研修医という体制です。

当直では、どんなことが勉強になっていますか。

上野:

一人でさせていただけることです。大学病院は最初から上級医と診ますが、一人で怖い思いをしながら、患者さんを診るプレッシャーは大きいですね。

梶:

5月、6月は指導医の先生と2年目の初期研修医と一緒に当直し、徐々に独り立ちします。患者さんからの目眩、胸が痛い、呼吸が苦しいといった訴えがあり、最初は分からなかったことも勉強していくうちにできるようになります。成長を実感できると嬉しいです。回っている科が変わると方向性も変わりますが、救急はずっとあるので、積み重ねができます。失敗やミスを取り返せるのがいいですね。

カンファレンスなどの雰囲気はいかがですか。

上野:

内科は毎週月曜日にあります。最初は吊るし上げられるのかと恐る恐る構えていました(笑)。でも指導医の先生方は仲が良くて、和やかなんです。循環器科以外の内科全体のカンファレンスなので、スペシャリストから意見がいただける機会です。ただ、医局でも話しやすいですから、質問はいつでもできます。

梶:

外科は毎朝のカンファレンスで、全ての入院患者さんのプレゼンをします。最初は初期研修医が発表し、指導医の先生が付け足す形です。私が言ったことが通ったり、合っていれば「良いね」と言われますし、間違っていたら訂正していただけます。外科の一員として扱われ、意見を汲み取ってくださる一方で、守ってくださる後ろ盾もあるので、安心して研修に取り組めます。

コメディカルの方たちとのコミュニケーションはいかがですか。

上野:

規模が小さいので、顔と名前が一致していますし、密接に関わっています。

梶:

看護師さんは患者さんと接する時間が長いですし、大学病院と比べるとベテランの方が多いので、学べることが豊富にあります。気さくに接してくれるので、仕事しやすいですね。放射線技師さんやリハビリのスタッフから教わることもあります。

研修医用の宿舎にお住まいですか。

上野:

道路の向かい側にあり、病院まで5分もかかりません。築年数は経っている物件ですが、バストイレ別で広さも十分あります。エレベーターがないのが不満です(笑)。

梶:

私は1階なので平気です(笑)。本厚木駅まで自転車ですぐですが、病院の近くにもスーパーや食事する場所があるので便利ですね。

今後のご予定をお聞かせください。

上野:

東京慈恵会医科大学の小児科に入局する予定です。内科は臓器別になりますが、小児科は全般を診られるのが魅力です。

梶:

私も後期研修は慈恵に戻ることを考えています。今は外科に興味を持っています。

ご趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。

上野:

ロードバイクで出かけたり、相模湾や相模川に釣りに行くこともあります。買い物よりは山や川、海に行くのが好きなんです。夏休みはスペインに一人旅しました。

梶:

ダイビングを始めたんです。今度、東伊豆にアドバンスドライセンスを取りに行く予定です。月に4回の週末のうち、1回は当直が入りますが、3回は休みですので、色々とできるのがいいですね。夏休みは友達が農業をしているベトナムに行き、友達と会ってきました。

現在の臨床研修制度に関して、ご意見をお願いします。

上野:

初期研修が始まったときに、志望の科を決めていなかった私には良い制度でした。色々な科を診られたのも有り難かったです。

梶:

基本的にはいい制度だと思いますが、2年目の最後まで志望の科が決まらない人はどうしようと言いながら過ごしてしまう恐れがあります。あまり凝り固まることなく、ある程度の方向性を決めておいた方が選択科目が活きてきます。私は外科系と決めたので、脳神経外科、産婦人科、泌尿器科を回るつもりです。

最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

上野:

私は2年間という単位で病院選びをしました。後期研修では母校に戻るつもりだったんです。でも、2年も離れると母校の様子が分からなくなるんですね。そこで慈恵医大に入局することにしたのですが、やはり3年目以降をどうするのかを踏まえたうえで、初期研修を考えるべきだと思います。

梶:

当院は上の先生方と食事に行ったり、皆の仲が良いので、寂しい思いをすることがありません。初期研修医が少なめの病院は一人あたりの仕事量がありますし、回っている科を濃密に味わえます。「初期研修医にさせてあげるよ」という病院は多いですが、1つの科を4人で回って、4人分の仕事があるよりも、その4人分が自分にだけ来た方がいい研修になります。初期研修では濃さが必要だと思います。

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