初期研修医インタビュー

国立研究開発法人

国立国際医療研究センター病院

東京都新宿区戸山1-21-1

名前 小川 惇史(おがわ あつぶみ) 研修医
出身地 岩手県盛岡市
出身大学 京都大学
医師免許取得年度 2017年
名前 有賀 茜(ありが あかね) 研修医
出身地 北海道札幌市
出身大学 北海道大学
医師免許取得年度 2017年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

小川:

私は経済学部で勉強していたのですが、意思決定に興味があり、脳の研究をしたくて、経済学部を卒業後に医学部に再入学しました。

有賀:

小さい頃から数学や理科が好きだったんです。私の家は両親の仕事が忙しく、中学校のときの先生が母親がわりになってくださっていました。その先生を膵臓がんで亡くしたんです。そのときの経験から、医師になって、目の前の人を救いたいと思うようになりました。また、医師という職業はやる気次第でずっと続けられる仕事だということも良かったです。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

小川:

野球をやっていたはずです(笑)。ほかに思い出といえば、4年生のときにスイスの研究室に行ったことですね。脳波の解析でプログラミングを使うのですが、その研究室でプログラミングを必要とされたので、スイスに行ってきました。ユングフラウヨッホにも登りましたが、天気が良かったので、素晴らしかったです。

有賀:

私は卓球部に入っていました。先輩方には優しく育てられたり、怒られたりしました(笑)。大学時代に得た縦横の繋がりは財産ですね。東京には北大出身者は少ないので、出会うと嬉しいですし、一緒にお仕事させていただく機会があれば、科を超えて質問をしたりしています。また、国家試験のあと、1カ月をかけて大学同期と世界一周旅行をしたことも思い出に残っています。

大学卒業後、大学病院ではなく、研修先を国立国際医療研究センター病院に決めた理由をお聞かせください。

小川:

市中病院のバランスの良さに惹かれたからです。中でも国立国際医療研究センター病院はアカデミックなところと臨床のバランスがいいと思いました。コミュニケーションが取れる方たちと一緒に、問題なく働いていけそうでした。

有賀:

国立国際医療研究センター病院は東京都の病院の中で救急車の受け入れが上位に入っていますし、新宿という環境から、国籍や職種を問わず毎日たくさんの患者さんがいらっしゃるところが良かったです。病院としても、内科、外科など、ほとんどの診療科が揃っていますし、感染症や総合診療科など、この病院ならではの診療科もあり、それぞれの科でエキスパートからご指導いただくことができます。内科系プログラムには内科当直研修があり、そこでご教示いただけたことは将来、どの科を選んでも役に立ちそうだと思いました。

国立国際医療研究センター病院に見学に来られたときの印象はいかがでしたか。

小川:

5年生のときに総合診療科に2週間の実習に来ました。朝から夜まで、色々なことをみっちりと経験させていただきました。教育熱心な病院だという印象を受けました。

有賀:

私は5年生の夏と6年生の春に見学に来ました。5年生のときは当時興味のあった小児科を見学し、6年生のときに消化器内科を見たんです。その際、初期研修医と指導医の先生方との垣根が低く、たくさんの症例を経験する中で、コンサルト・相談しやすそうだと思いました。初期研修医の人数が多く、寮もあるので、仕事が終わったあとに相談や愚痴を言い合えるのも良さそうでした。

国立国際医療研究センター病院での初期研修はイメージ通りですか。

小川:

実務的な書類仕事が多いことに意外と戸惑いました。知識を覚えていくよりも、そうした環境への慣れの方が難しいですね。最初は事務仕事を含めた仕事への流れに、ギャップを感じていました。

有賀:

6週間ごとに科を変わるので、スタッフも変わりますし、科ごとのルールも変わるのが大変です。ただ、先輩方や同期が大勢いるので、情報を共有できますから、仕事しやすいです。私は循環器内科からローテートを始めましたが、6週間、1対1で教えてくださった指導医の先生は科が変わった今でも、いつでも相談に乗ってくださっていて、本当に感謝しています。

プログラムの自由度はいかがですか。

小川:

自由度は低いですね。総合診療科プログラムでは選択は一つだけです。でも、ウォークイン外来では整形外科や神経内科の知識が必要ですから、よく考えられたプログラムだと思います。

有賀:

私は内科系プログラムですが、私の代は選択がなく、ローテートする科目の時期の変更のみが可能です。回っているうちに気に入った科ができても、それ以後は回ることができません。ただ、内科当直が月に3、4回あり、色々な患者さんが診療科を問わず、いらっしゃいますから、そこで復習できますね。6週間ずつというローテートは、どんな人でも診られる医師になるための将来に活きてくると思っています。

院外での研修はありますか。

小川:

地域医療研修は院外ですが、どの病院に行くかは未定です。

どのような姿勢で初期研修に取り組んでいらっしゃいますか。

小川:

無事に2年間を終えることですね(笑)。

有賀:

私はまだ専攻を決めていないので、この2年間で一生やりたい科を決めなくてはいけません。そのベースとなる基礎を少しでも作れるような初期研修にしたいです。

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

小川:

きつ過ぎることなく、放置されることもありません。適度な距離感が保たれています。

有賀:

診療科ごとに差がありますね。循環器内科ではご自分たちの時間を惜しまず、教えてくださり、貴重な時間となりました。ただ、先生方が忙しいときは私たちで考えることもあります。電話をかけて質問することもありますし、一つずつステップを上がっている感じです。

国立国際医療研究センター病院での初期研修で良いところはどんなことでしょう。

小川:

一つの科を回る期間が6週間単位であることです。ほかの病院よりも短期間ではありますが、その分、色々な科を回れるのは魅力です。

有賀:

同期と先輩の初期研修医が多いことです。同期は医科が34人、歯科が2人います。到達度の比較対象が豊富ですので、参考になります。また、内科系プログラムのコースでは血液内科や膠原病内科も回れることもいいですね。もちろん、内科当直も勉強になっています。

何か失敗談はありますか。

小川:

外来でジェネラルとバイタルから緊急性を判断するのが難しいですね。最近は少しは成長したかと思っています。

有賀:

患者さんから同意書を取らないといけないのに帰してしまったり、点滴の上から採血してしまったりしたことでしょうか。ツベルクリン反応を忘れてしまったときには夜中に懐中電灯を持って、患者さんの腕を見に行ったこともありました(笑)。

当直の体制について、お聞かせください。

小川:

月に4回か、5回あります。2年目の初期研修医が3人、1年目の初期研修医が2人、内科当直の指導医1人という体制です。このほかに各科の当直の先生方のバックアップもありますので、何かあればサポートしていただいています。

当直ではどんなことが勉強になっていますか。

小川:

できる検査が限られている中で緊急性の否定を目指すのは難しいです。頭で考えながら、身体も動かしていきますので、実践的な経験が積めます。

有賀:

バイタルや主訴といった簡単な前情報が来たうえで、患者さんに1対1で対応しなくてはいけないことです。一人で身体所見や問診を行い、2年目の初期研修医にコンサルトします。最初は1から10まで質問していましたね。的を絞って、見通しをつけながら、一人の患者さんに向き合うのは大変です。患者さんの数も多いので、経験と勉強の場だと思っています。

カンファレンスの雰囲気はいかがですか。

小川:

産婦人科は温かい眼差しのある雰囲気です。カンファレンスのあとで、ご指導を受けることもあります。一方で、総合診療科は厳し目ですね。発表の内容、プレゼンの仕方、外来でのコンサルトの方法などが勉強になっています。

有賀:

循環器内科ではカテーテルの所見がありますが、最初は全く分からなかったので、手取り足取り教えていただきました。4週目ぐらいからは怒られたりするようにもなりました(笑)。患者さんを担当していることへの責任感を、カンファレンスごとに感じていきました。

コメディカルの方たちとのコミュニケーションはいかがですか。

小川:

頻繁なコミュニケーションがあるわけではありませんが、何かあれば院内PHSで連絡を取っています。

有賀:

私も深く会話することはまだありません。看護師さんによって、少しの変化でも電話をくださる方と、大きな変化があってから電話をくださる方がいますね。医師としては頻繁に指示を出すことと分かりやすく相手に伝えることが大事だと思っています。

研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

有賀:

医局や寮で出会ったら、喋っています。

お二人とも寮にお住まいですか。

小川:

初期研修医は皆、寮に住んでいます。病院から徒歩5分かからない場所にあるので、寝に帰る場所という感じです(笑)。

有賀:

寮に帰っても皆がいるので、寂しくないのがいいですね。担当医制なので、夜間や休日問わず、電話がかかります。呼ばれたら、いつ何時でも行かなくてはいけません。たまに大変だなと思うこともあります。

今後のご予定をお聞かせください。

小川:

研究の道に進むか、大学病院に戻るか、このまま当院に残るか、まだ決めていません。診療科としては神経内科か膠原病内科に関心があります。ミクログリアに興味があり、神経や免疫に面白さを感じています。

有賀:

将来のことは全く決まっていないのですが、循環器内科、腎臓内科、消化器内科といった、全身を診られる科に興味があります。大学時代はそうでもなかったのですが、第一クールで循環器内科を回り、心不全や感染対策などについて学び、全身管理を面白いと思うようになりました。

ご趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。

小川:

趣味は野球観戦です。横浜ベイスターズのファンなんです。当直医制の科を回っているときは横浜スタジアムにも行けますが、普段は時間をやり繰りして神宮球場に行くことが多いです。

有賀:

休日は友人と買い物に行ったりしています。先日は夜勤明けの午前から午後にかけて、同じシフトの先輩に東京ディズニーランドに連れていっていただきました。私はずっと北海道にいたので、東京の夏が不安です(笑)。でも、病院にいる時間の方が長いですし、目の前の仕事を頑張っていきたいと思っています。

最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

小川:

第一印象で病院の雰囲気が自分に合うか、合わないかは分かります。筆記試験の有無や給料で選ぶと、2年間を無事に過ごせないかもしれません。見学では自分との相性を見てみてください。私は母校の関連病院にはいくつか見学に行ったのですが、当院もそんな感じの延長で、遊びに行く感覚で実習に来たところ、私に合うと思ったんです。

有賀:

私も当院への見学で、「活気があって楽しそうだな」と感じました。見学では1年目の初期研修医を見てください。もしかしたら一緒に働く人たちになるわけですから、どういう人たちなのか、お話しもして、一緒に働けそうかを見てみましょう。私は親切に案内されて、優しく対応されたことで、このような先輩方と2年間頑張りたいと思いました。当院は東京だけでなく、全国の様々なところから初期研修医が集まってきます。見学に来た医学生には「ぜひ受けてみてください」と言っていますが、皆さんにも是非、受験していただきたいです。

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