初期研修医インタビュー

国立病院機構

熊本医療センター

熊本県熊本市中央区二の丸1-5

名前 牛嶋 真也(うしじま しんや)研修医
出身地 熊本県
出身大学 大分大学
医師免許取得年度 2016年
名前 大野 健翔(おおの けんと)研修医
出身地 沖縄県
出身大学 熊本大学
医師免許取得年度 2017年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

牛嶋:

父が小児科の医師をしていて、父の姿に憧れたというのが最初です。高校に進むにつれ別の道も考えたんですが、最終的にはやはり憧れていた医師の道に就きたいと思い選びました。

大野:

私は家族が医師という家系ではないんですが、小学生のときに将来のことをふと考えたことがあり、メディアの影響もあって漠然と医師に憧れたんです。その気持ちがずっとあったので高校生のときに真剣に考え、人のためになれる仕事ということで医師を目指しました。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

牛嶋:

非常に楽しかった思い出しかないですね。勉学ももちろんですが、私は6年間卓球部に所属していて主将を務めるなど、責任感のある仕事を経験させていただきました。部員が60人ぐらいの大所帯の部でしたので、それをまとめる仕事は勉強になりました。先輩後輩分け隔てなく遊んだり、試合で成績を残せたときなども楽しかったです。部活動の思い出が一番強いですね。同期ともとても仲が良かったので、今でも大分にたまに戻り同期と飲んだりしています。同期とのそのぐらいの仲の良さというものも6年間で築き上げたものの一つだと思っています。

大野:

硬式テニス部に所属し、部活動ばかりしていた思い出があります。何かを最初から最後まで6年間やり遂げたいと入学したときに思っていて、硬式テニスを始めました。レギュラーを目指してずっと練習をしていましたね。また、熊本地震のときは学生だったんですが、学生団体みたいなものを作って避難所に物資を届ける活動をしたことも印象に残っています。

大学卒業後、研修先を大学病院ではなく熊本医療センターに決めた理由をお聞かせください。

牛嶋:

大分から熊本に戻ってこようと考えていて、熊本のどこの病院に行こうかなと迷っていたら、大学の先輩が当院の初期研修医だったので見学に行ったんです。救急の体制がしっかりしていましたし、何よりも初期研修医の先生方が楽しそうで、どの先生に聞いても「この病院がいいよ」と言っていたんですね。私から見ても、楽しくいい研修ができそうだという第一印象がありました。その後も何回か見学に来てお話を伺う中で、救急症例の多さや全ての科を幅広く研修できる点が魅力的だったので、当院を選びました。

大野:

初期研修の2年間は三次救急で症例を経験したいと強く考えていたのですが、大学病院よりも市中病院の方が多くの経験を積めそうでした。この病院では救急外来を見学させてもらったのですが、救急車の数がとても多いという印象を受けました。初期研修医の先生がファーストタッチを積極的にしていて、その後ろで指導医の先生がしっかり見てくださっているのも良かったです。この病院の特徴だと思いますが、部長の先生から初期研修医まで含めて、全員が同じ部屋の一つの医局なんです。壁や部屋などで隔たれていない空間にある医局の雰囲気の良さも感じました。初期研修医同士も仲が良く、指導医の先生方とも気軽にコミュニケーションが取れる環境なのも良かったですね。

熊本医療センターでの初期研修はイメージ通りですか。

牛嶋:

思っていた以上に凄い経験をさせていただいています。先生方も優しくて救急もしっかり経験できるし、実際に経験した疾患を学ぶことで、色々な科の研修にも活きてくる感じがあります。どの先生も優しくて、何でも教えてくださいます。それをまた自分なりに勉強したりして、いい研修ができていると思っています。

大野:

私は4月に入職し、ローテーションの1つ目が救急外来でした。学生のときに思った通り、救急車が本当に多かったです。それを1年目の初期研修医がファーストタッチを積極的に行い、分からないときや重症の方の対応に追われるときは指導医の先生が後ろからフォローしてくださるのも見学のときに受けた印象と同じです。私も実際にそれを経験できているのがとてもいいですね。医局に関しても初期研修医同士や、初期研修医と指導医の先生方とも良い雰囲気です。その良い雰囲気の中で仕事を頑張れていると思います。

プログラムの自由度はいかがですか。

牛嶋:

1年目は内科4つと救急、外科、麻酔科と決まっていますが、それらを1年目に回ることによって、2年目は約10カ月が選択となり、全ての科から自由に選べます。短いスパンから長いスパンまで、自分でオリジナルなローテーションを組むことができるのはいいですね。集中的に回りたい科、少しでも見ておきたい科などを自分なりに組み合わせることができます。当院はほとんどの科が揃っていますし、精神科救急も有名です。そういった特徴的なところもしっかり学べるのが良いと思います。

大野:

1年目は内科、外科、麻酔科、救急外来なんですが、2年目からは今の2年目の先輩方を見ていると20人いれば20通りのローテーションが組めているので、2年目になるのが楽しみです。2年目ではある科のローテーション中でも、次に回る科の部長先生の許可が下りれば、期間を延長したり短くして、回る科を増やすことも自由にできるので、2年目のローテーションには良いイメージを持っています。

牛嶋先生は2年目ですが、どのようなプログラムを組まれていますか。

牛嶋:

1年目で興味があっても回れなかったところを回ったり、1年目で回ったところでもさらに詳しく勉強したいとか、新専門医制度に向けてこの疾患は診ておきたいというのを組み込んだりしています。ローテーションを途中で変えることもできるんですが、新専門医制度が始まる10月頃までに決めなければいけないので、迷っている科を伸ばしたりしています。

興味がある診療科はありますか。

牛嶋:

学生の頃から消化器内科にとても興味があり、1年目でも回ったんですが、2年目でも4週間学ばせていただこうと思っています。2年目で回った糖尿病・内分泌内科も楽しかったですね。詳しくはまだ決めていないのですが、内科系の医師になりたいです。

院外での研修はありますか。

牛嶋:

私は阿蘇にある小国公立病院に4週間行かせていただきました。基本的には2年目のローテーションの中で4週間の地域の病院が組まれていますが、科によっては外の病院での研修も可能だと伺っています。

大野:

院外の研修は2年目になるので、どこの病院で研修を行うかはまだ考えていないんですが、研修を受けている先輩にも相談しながら、色々と情報を得たうえで決めたいです。

どのような姿勢で初期研修に取り組んでいらっしゃいますか。

牛嶋:

基本的なことですが、患者さん一人一人にしっかり向き合って、その人の訴えをきちんと把握することです。特に救急の現場で考えているのは患者さんの結果を踏まえて、次に同じような人が来たときに前回の例で考えられるような、後にも繋がる意識を持って取り組んでいます。知識を積み重ねていくことによって、良い医師になれると思っています。

大野:

学生のときから初期研修の2年間に関しては忙しい病院で行いたいと考えていました。自分が死ななければどれだけ忙しくてもやっていきたいし、経験できるものは全て経験したいです。救急外来では最初は簡単な手技でもおぼつかなかったのですが、看護師さんがしている手技を積極的にさせてもらったりすることを心がけていました。

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

牛嶋:

どの先生も優しくて親身に教えてくれる先生が多く、助かっています。知識を教えてくださるだけではなく、しっかりと考える場も与えてくださいますので、自分で考えるのは難しいですが、それを繰り返していけば成長できると思っています。

大野:

救急外来にいたときは4月でしたし、本当に分からないことばかりでした。でも、先生方もそれをとても理解してくださっていたので、基本的な初期対応に関しての指導をしていただきながら、分からないことを積極的に質問していました。段々と慣れてくると、指導医の先生方もある程度を初期研修医に任せてみよう、分からないところも自分で考えさせようと、少し距離を置いて見てくださっていることを研修しながらすごく感じていました。質問をしたら細かいところまで教えてくださるのですが、その後は自分で考えて動けるようにということを7週間という期間の中できちんと決めてくださっていたことに感謝しています。今は代謝内科にいますが、初期研修医が結果を診てこの科にコンサルトが必要だということを考え、指導医の先生に提案するというのが基本的な動きになっています。大きな責任感を抱かせていただきながら研修をしているので、非常に充実しています。

熊本医療センターでの初期研修で勉強になっていることはどんなことでしょう。

牛嶋:

どの科も手技がかなり多くて、勉強になっています。救急患者さんが急変したときの対応が去年1年間で成長したことですね。

大野:

この病院の一番の特徴が日本有数の救急車搬送数ですので、ファーストタッチはとても勉強になります。4月頃とは比べものにならないぐらい、できることが一日一日増えてきたと実感しています。当直に入ったときもできることが増えてきたなと思います。色々な症例が来ますし、どの症例も断らずに搬送されて来ますので、幅広い患者さんを診させていただいています。

何か失敗談はありますか。

牛嶋:

朝、発表しないといけないときに、20分ぐらい寝坊したことです。遅く入った瞬間に凄い目で見られたのは失敗したなと思いましたね(笑)。

大野:

救急外来での研修で、救急車が押し寄せるようにして来たときに、指導医の先生にも助けてもらってCT検査を出しましたが、放射線技師さんから「この検査はどうして必要なのか」と聞かれたんです。ドタバタしていたので指導医の先生の判断での検査項目だったこともあり、はっきりした理由を詳しく説明できず、自分で考えるべきだったと反省しました。それからは自分で判断し、どうして必要なのかをしっかり考えるようになりました。

当直の体制について、お聞かせください。

牛嶋:

基本的には4人から5人体制です。上級医がウォークインを診て、10年目ぐらいの先生が救急車の対応を行い、それに初期研修医がつく形です。

大野:

当直の1年目は、土日の日勤と準夜勤という夕方5時から夜11時までのもの、夕方5時から翌朝8時までの夜勤の3つがあり、合わせて月に4、5回です。そのうち夜勤が2回ぐらいですね。体制は救急車からのコールを受け取るA直の常勤の先生、ウォークイン担当の先生、2年目の初期研修医です。日勤帯は1年目が2人、準夜勤は1年目1人、夜勤は1年目1人ずつとなっています。夜勤の1年目の初期研修医は救急車の対応ですが、準夜勤の1年目の初期研修医は基本的にはウォークイン担当の先生につくことになっています。救急車で搬送されてきた患者さんとは違った対応をしなくてはいけませんので勉強になります。

当直では、どんなことが勉強になっていますか。

牛嶋:

重症の患者さんの対応だけでなく、軽傷の患者さんやウォークインの患者さんなど、多種多様な患者さんへの対応は勉強になります。救急車の方が空いているときには手伝いますから、救急車とウォークインの両方を経験できることもいいですね。ありとあらゆる疾患をまんべんなく学べます。

カンファレンスの雰囲気はいかがですか。

牛嶋:

私がこの間まで回っていたのが糖尿病・内分泌内科だったんですが、毎朝のカンファレンスと週1回夕方からのカンファレンスがありました。初期研修医が担当している患者さんを皆の前で発表するのですが、投与量なども考えさせてくださっているので、私たちなりの考えを毎朝、発表させてもらい、上の先生方に優しいアドバイスをいただきます。外科や救急科はカンファレンスが毎日あるんですが、それとは別に週に1回、私たちが論文を読んで発表したりする会もあります。科によってはそういう経験もさせてもらえました。どの科のカンファレンスも基本的には初期研修医が担当している患者さんについて発表するので、発表する機会は比較的多いのではないでしょうか。

大野:

カンファレンスはとても良い雰囲気で、気になったことを先生方に気軽に質問を投げかけ、皆で議論をします。先生方が答えを返してくださるので、大学生のときに実習をしていた病院のカンファレンスと比べたら、気さくな雰囲気ですね。でも、そういう雰囲気に甘えないように、しっかりと準備をして挑もうと思っています。

コメディカルの方たちとのコミュニケーションはいかがですか。

牛嶋:

コメディカルの方ともとても仲が良くて、飲みに行ったりしますね。院内に野球チームがあるので、その中でまた仲良くなります。チーム医療と言われていますが、そういった意味でも働きやすい職場だと思います。どこに行っても知り合いがいるという感じです。

大野:

看護師さんも皆さん優しいです。救急外来にいたときは技術があって、対応も素早い看護師さんばかりでした。忙しいときでもルート採りや採血などをさせてほしいと言ったらさせてくれましたし、うまく採れなくても何度でもさせてくれたことを感謝しています。7週間の研修が終わるときには「入った頃に比べると動けるようになりましたね」と言われたので、見てくれているのが分かり、とても嬉しかったです。放射線科の方々もコメディカルや先生方も含めて、大きな飲み会を開催してくれたりして、コニュニケーションが取りやすい雰囲気です。

研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

牛嶋:

研修医同士の雰囲気はとてもいいと私自身は思っています。2年目の同期とはもちろん、1年目の人たちとも仲が良くて、初期研修医全体で定期的に飲みに行ったり、個人的に飲みに行ったりもしています。そういう関係性があるから、1年目の人たちも私たちに質問をしてくれたり、それに答えることで私たちも勉強になっています。外国人の英語の先生が来て、英語で発表をすることもありますが、その際は1年目と2年目がペアで発表するので、その意味でも関係は良好ですね。

大野:

とても和気あいあいとしています。人数が多いと、忙しくても医局に誰かしらいるので、何か気になることがあれば先輩方に相談もしていますし、1年目同士でも何気なくディスカッションが始まっていたり、経験した症例の話や相談などもしています。人数が多いということが普段の研修生活で糧になっていますね。夜、仕事が終わる頃になって、空いている人たちがいたら、皆でご飯を食べに行ったりして、とても仲が良いです。

今後のご予定をお聞かせください。

牛嶋:

内科医を目指していくつもりではありますが、その先のキャリア形成は色々な科の大学の話を聞いてから考えようと思っているので、内科医になってからの先は未定ですね。

大野:

専門医制度がまだ議論中の状態なので、この2年間の研修で自分に合った科や専門を探すことで頭が一杯です。1つ上の先輩は専門医制度が決まった状態で3年目、4年目と医師として仕事をしていくので、そういった先輩達に相談しながら、今後のことを決めていこうかなと思っています。今は自分が何科に進むべきなのかということばかりを考えていますね。

ご趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。

牛嶋:

オンオフははっきりしています。野球観戦が好きなので、休みの日には福岡まで野球を見に行ったり、大学の同期と飲んだり、研修医の同期と近場に遊びに行ったりして楽しんでいます。

現在の臨床研修制度に関して、ご意見をお願いします。

牛嶋:

病院ごとの特徴がある中で病院選びができるのはいいことですし、行った病院で何を学びたいかという点で選べるのもいいと思います。

大野:

どの専門に進むのかというのをこの2年間で決めなければいけないのですが、自分の興味がある科を選んで研修ができる今の環境は専門を見つけるにはいい研修制度です。特に当院は自由度が高いので、この病院で研修をして良かったなと実感しています。

最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

牛嶋:

私も医学生のときは研修病院を選ぶうえで悩み、悩んだうえで当院を選びました。今の医学生も進みたい道が決まっている人もそうでない人も悩むでしょうが、しっかり悩んだうえで、ここで研修しようと決めてください。そして、その病院で自分が納得できるような初期研修をすることが大事です。悩んでいる中で、もし困っていることがあったら、当院に見学に来ていただけたらと思います。

大野:

珍しい症例や大学病院でしか経験できない症例に今の時点で興味があるなら、そういった大学病院を探していくべきです。私のように三次救急の病院で救急の症例を経験したいという方も多いはずなので、こういうことがしたいという大きな枠組みで考えて、研修病院を探してほしいです。私がこの病院を選んだ理由の一つは同期の多さです。これはお勧めですね。色々な科を回っている同期や1つ上の先輩の話も聞けますし、人数が多いと、それだけ気の合う同期と出会えます。同期に恵まれることと初期研修の充実度は大きな関わりがあるのではと感じています。

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