初期研修医インタビュー

社会福祉法人

三井記念病院

東京都千代田区神田和泉町1番地

名前 金 相堯(きむ さんよ)研修医
出身地 神奈川県川崎市
出身大学 順天堂大学
医師免許取得年度 2019年
名前 北村 友里(きたむら ゆり)研修医
出身地 東京都葛飾区
出身大学 杏林大学
医師免許取得年度 2019年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

金:

私は小学生の頃、ニュージーランドに住んでいたことがあり、英語にあまり苦労がなかったんです。それで、中学生の頃は国連で働くのがかっこいいと思っていましたが、色々なものが足りないと分かりました(笑)。それでも国際協力に興味を持っていたところ、高校生の頃に何かの広告で国境なき医師団について知り、「国の境目が命の境目であってはならない」みたいな宣伝のフレーズに惹かれました。そして活動理念に共感し、いつかそういう活動をしたいと思い、医師を目指しました。

北村:

高校生のときにフィニアス=ゲージについてのビデオを授業で見て、鉄の棒が頭を貫通しても生きていた人がいたということに驚きました。それまでは何かで頭を貫かれたら死んでしまうと思っていたので、感銘を受けたんです。しかも貫通した部位のせいで機能障害が出たり、性格も変わったと知り、医学に興味を持ちました。それで最初は脳神経外科を志望していました。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

金:

部活動ですね。私は中学生のときからハンドボールをしていたので、大学でもハンドボール部に入りました。東医体で3回、優勝しました。私は大したプレーヤーではなかったのですが、チームメイトに恵まれましたね。先輩や後輩といい関係を築きながら、日々の練習を頑張っていました。怪我もしましたし、いいことばかりではありませんでしたが、チームメイトに負けず嫌いの人が多く、勝ちにこだわる部活動だったのかなと思っています。

北村:

私も部活動です。私はボート部に入っていました。平日は学内での練習で、毎日の朝練習のほか、昼はウエイトトレーニングをし、プロテインも飲んでいました(笑)。土曜日、日曜日は始発電車に乗って相模湖に行き、そこで練習していました。

大学卒業後、研修先を三井記念病院に決めた理由をお聞かせください。

金:

私は部活動を頑張っていたこともあり、母校のことが好きだし、居心地も良いので、ずっと母校に残ろうと考えていました。しかし、先輩から「外科を目指すことや母校に残ることを決めていたとしても、ほかの病院を見た方がいい」と言われ、北海道から関東まで、外科系が強い病院をいくつか見学に行きました。三井記念病院には6年生になる直前の春休みに見学に来て、後期研修2年目と初期研修2年目の先生方についたのですが、先生方の優秀さと働きぶりに圧倒されたんです。三井記念病院は外科教育に歴史があって、有名ということは知っていましたが、内科の研修内容も良かったので、こちらに決めました。そのあと、顔を売るためにもう一度見学に来たのですが、顔を売るところまではいきませんでした(笑)。

北村:

大学病院は経験できることが少なくなるので、自主的にできる市中病院で研修したいと思っていました。私は消化器内科を専攻したいと考えていたので、消化器内科が強い病院を探したところ、当院を知りました。

三井記念病院に見学に来られたときの印象はいかがでしたか。

金:

午前中は手術の見学で、後期研修2年目の先生につきました。私はまだ1年目ですし、外科にどっぷりはまっているわけではありませんので僭越ですが、その先生は難易度が中等度ぐらいの胃切除を午前中の数時間で終わらせていたんです。手術の最初から最後までを卒後4年目の医師が一人で完成させるということは大学病院ではまず見られないですし、他院でもなかなかない光景だと思います。午後は初期研修2年目の先生につき、病棟業務を見学させてもらったのですが、そこで治療の選択からコメディカルへの連絡などを一人で主体的に進めていらっしゃいました。患者さんも20人ぐらいおられるのに、私の相手をしながら主治医のように責任を持って仕事をしている姿を見て、ここなら力がつくと思いました。夕方のカンファレンスでは初期研修医の先生方がみっちり教育されていたのも良かったです。生温くない環境で鍛えていただけそうでした。

北村:

私は6年生の6月に見学に来ました。単位が危なかったので、大学を休めず、見学に行くのが遅くなりました(笑)。後期研修1年目の先生につかせていただいたのですが、結局その見学では研修の雰囲気や内容はあまり分からなかったんです(笑)。でも内視鏡室で部長の先生とお話をさせていただき、大変優秀な方なのに、とてもフランクでフットワークが軽く、色々と教えていただけたので、当院に決めました。

三井記念病院での初期研修はイメージ通りですか。

金:

イメージ以上ですね。私は外科プログラムなので、最初の3カ月は外科を回りますが、手術などにはあまり入らず、できることは限られます。ただ、カンファレンスは教育的で、しごかれますし、ハードワークも求められます。でも困っていると、先輩方が教えてくれるので、力がつきました。内科の研修もハードですが、主治医として主体的に仕事しないと進まないんです。かなり裁量の大きい研修だと思います。嬉しい誤算だったのが救急です。見学では救急が弱点だと聞いていたのですが、2019年に常勤の先生が赴任されたんです。その先生が当院の救急を変えようとされていて、実際に受け入れ患者数も増えているので、救急も教育的な環境です。来年度にまた救急を回るので、楽しみです。

北村:

今も部長の先生はとても優しく接してくださり、些細なことでも相談させていただいています。いい環境で働けています。

プログラムの特徴はどんな点でしょうか。

金:

外科プログラムは外科志望の私としては嬉しいプログラムです。外科を少しの間でも内科に変えたいという希望があれば、調整していただけるようですが、希望を出す人はいないみたいです。私は3年目以降も当院で研修したいと思っているので、今後も楽しみです。

北村:

内科プログラムは最初の3カ月は内科で、あとは麻酔科や産婦人科といった必修科目を満遍なく回ります。今は2カ月循環器内科を回っていますが、このあとは救急の予定です。2年目は内科中心です。私は将来の志望を決めているので、内科を多く回らせていただくのは嬉しいです。

プログラムの自由度はいかがですか。

金:

医師を目指したときに何となく外科に行きたいと考えていたので、初期研修でも迷わず外科プログラムにしましたが、最初の3カ月が外科、続いて内科、救急…と細かく決まっており、他院のローテーションに比べると自由度はほぼゼロです(笑)。選択は2年目に2カ月あるだけです。ただ、当院は割と早くから専門を決めている人が多いので、早くから専門に浸れるのが嬉しいです。

北村:

選択期間は短いですね。内科プログラムでは消化器内科3カ月、循環器内科3カ月はマストなのですが、私は消化器内科に行くと決めているので、初期研修ではそこまで消化器内科を回らなくてもいいと思っています。その意味で、選択がもう少し長ければ有り難いです。

院外での研修はありますか。

金:

当院には小児科病棟がないので、選択で小児科を選んだ場合は同愛記念病院か埼玉県立小児医療センターでの病棟研修があります。地域医療は野中医院で、終末期医療や在宅ケアを学びます。野中医院は台東区の診療所なので、いわゆる僻地医療を学ぶ研修ではありません。

どのような姿勢で初期研修に取り組んでいらっしゃいますか。

金:

4月に上級医の先生から怒られ気味に言われたのが「最初から主治医として治療にあたれ」ということでした。忙しいと現行加療継続と消極的になりがちですが、自分の担当患者さんを何か一つでも良くするために、主体的に治療にあたっていきたいと思っています。

北村:

患者さんの気持ちを考えるようにしています。「今日はこういう検査します」と言って検査したあとで、その結果を伝えていないとクレームに繋がることがあります。ルーティンでする採血もデータを見ているだけでは患者さんから「何のために採っているの」と言われます。そのため、検査結果は患者さんに言うようにしていますが、伝え方が難しいですね。ICに上級医の先生と入らせていただくことが多いので、「こういう言い方をすればいいんだ」と吸収させていただいています。

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

金:

指導医の先生方も忙しく、なかなか捕まらないこともありますが、病棟で困っていれば、指導医の先生に限らず、後期研修の先生方や他科の先生方に気軽に相談できます。病床数にしては医師数が少ないので、皆が顔見知りで、困っているときはお互いに助ける文化があるようです。

北村:

指導に熱心で、面倒見の良い先生方が多いです。情報を与えすぎずに教えてくださるので、ある程度考えたうえで質問しないと怒られますが、いい意味で関与しすぎずに指導してくださっています。

三井記念病院での初期研修で勉強になっていることはどんなことでしょう。

金:

病棟業務を始めとして、医学面も勉強になります。勉強しないと、患者さんも周りも困るので、勉強はかなり求められます。手技は上の先生がフォローについて、教えてくださいます。薬のことは薬剤師さんに聞けますし、ほかのコメディカルスタッフに質問することも多く、そうしたコミュニケーションも勉強になっています。

北村:

病棟業務は研修医に任されているので、大体の方針は相談しますが、細かいことはほぼ研修医がさせていただいているので、考える時間がほかの病院に比べると非常に多いです。時間はかかりますが、勉強になりますね。

何か失敗談はありますか。

金:

報告、連絡、相談のホウレンソウのうち、特に報告をしなさすぎて、怒られました。私のもともとの性格的なところもあると思うので、直しているところです。

北村:

研修医が自分ですべきことが多い分、上級医の先生は私たちが何をしているのかをチェックする機会が少ないので、どこまでやっていいのか分からない部分はありますね。

当直の体制について、お聞かせください。

金:

初期研修2年目になると、内科と外科を回っているときは病棟当直に入ります。内科は月に3回か4回で、外科は月に4回か5回です。また、1年目の初期研修医は夜勤の救急があります。研修医は1人で、外来当直の上級医と一緒に入ります。外来当直の上級医は内科1人、外科1人です。産婦人科や脳神経外科などはオンコール体制です。

当直では、どんなことが勉強になっていますか。

金:

夜間の救急には常勤の先生がおられないので、外来当直の先生と一緒に救急診療にあたりますが、しっかり教えていただけるので勉強になります。

カンファレンスの雰囲気はいかがですか。

金:

外科では週3回、術前、術後のカンファレンスを朝、行っています。そのカンファレンスに向けて、初期研修医も1年目から術前患者さんのプレゼンをします。手術方式から、どういった経緯で手術になったのかをまとめ、その術式から画像を読むなどの勉強をして、カンファレンスに臨みます。最初はあまりにもできなくて、とても怒られましたが、術前カンファレンスのための勉強が外科医としての勉強に一番繋がっているように思います。様々なフィードバックもいただけます。

北村:

内科は科によって雰囲気が違います。当院で有名な循環器内科の場合は毎朝8時からカンファレンスがあります。当院の循環器内科は重症な患者さんが多いので、雰囲気も重いです。初期研修医が担当の患者さんのプレゼンをしますが、プレゼン前は薬の名前を覚えたり、どうしてこの薬を飲んでいるのかといったことを準備したり、データの推移を把握したりと大変です。

コメディカルの方たちとのコミュニケーションはいかがですか。

金:

病棟を初期研修医が主体となって動かしているので、コメディカルスタッフと関わる機会は多いです。薬で分からないことがあって、薬剤師さんに尋ねたときはすぐに調べてくれて、資料をまとめ、医局のデスクに置いてあったこともありました。看護師さんも聞けば、すぐに教えてくれます。

北村:

医師だけでは気づかないことを看護師さんから指摘していただくこともよくあります。訪問診療などは分からないことが多いので、助けてもらっています。

研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

金:

分からないことがあれば、医局でも話し合えますし、飲みに行ったりもします。仲はいいですね。同期は全てのコースを合わせて10人います。

北村:

私の学年の女性は私だけです。最初はやり辛かったのですが、1カ月で慣れました。男性が多いのでモテるかもと思っていたのですが、思った以上にモテませんでした(笑)。

寮もありますか。

金:

歩いて5分、走れば2分のところに寮があり、ピンポンして「飲むぞ」みたいな感じです(笑)。

研修医室はありますか。

北村:

研修医だけの部屋はありません。卒後8年目以下の先生方と同じ部屋です。後期研修医の先生方もいらっしゃる総合医局みたいな部屋で、内科も外科も混じっているので、先生方に質問しやすいです。最初は研修医室がないと聞いて、寛げないのではないかと不安でしたが、この部屋のお蔭で、回っていない科の先生方とも自然に仲良くなれますし、飲みに誘っていただくこともあります。研修医室があるより、こちらの方がいいです。

今後のご予定をお聞かせください。

金:

私は外科に没頭したくて当院を選んだので、後期研修も当院で行います。私の母校は小児外科が有名なので、学生の頃は小児外科に憧れていましたが、当院で肝胆膵の手術を見たときに面白さを感じました。最近は肝胆膵の手術件数も増えているので、興味を持っていますが、後期研修修了後に関しては未定です。

北村:

私は消化器内科を志望していますが、今後の研修先は未定です。消化器がんを勉強していきたいと思っています。希少疾患も診てみたいし、研究にも興味があるので、症例数という意味でもがんの専門病院のほか、大学病院も視野に入れています。

ご趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。

金:

時間があれば、ジムに行って身体を動かしています。友人と温泉に行ったり、飲みに行くこともあります。

北村:

医局の人たちと仕事終わりに飲みに行くことが多いですが、運動不足解消のために隅田川沿いをランニングすることもあります。料理も趣味です。ここは太字で載せてください(笑)。

現在の臨床研修制度に関して、ご意見をお願いします。

金:

後期研修に入っても、他科の知識は必要でしょうし、何もできないのは良くないと思います。私が最初の3カ月の外科の研修を終えて、内科を回ることになったときに、お世話になった外科の先生から「内科でも、ほかの科でもその道のスペシャリストになる気で勉強しろ」と言われたことがあります。尊敬している先生でしたので、その意識を持ってローテートしています。この積み重ねがあれば、3年目以降も多少のことは対応できそうな気がしています。この先生が見学のときについた先生なんです。

北村:

スーパーローテートは絶対にした方がいいです。一つの科しか回っていないと、当直で対応できません。消化器内科でも全身管理が必要なので、色々な科を回れていることは有り難いです。

最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

北村:

当院はハイパーで忙しい病院だと言われています。私はそれが良くて、入りました。若いうちに苦労しておいた方が経験も積めるし、やる気のある同期の刺激も受けるので、お勧めです。否が応でも働いたあとは勉強しますが、勉強は臨床とはまた違う面白さがあります。それから、学生のうちは部活動も頑張っておきましょう(笑)。

金:

確かに当院はハードワークが求められますし、大学病院のように規模も大きくありませんが、どの科にも指導医や後期研修医は揃っており、力がある病院です。初期研修医はジェネラル志向の人よりも、最初から専門がある程度決まっている人の方が多く、その道を究めようとしています。それでも院内が充実しているので、初期研修で学べることは多いです。給料やQOLなども含めて、臨床研修病院に求めるものは人それぞれであり、自分が求める全てを満たしている病院はありませんが、自分が何を重視しているのかを明確にしましょう。多少忙しくても、若いうちに力をつけたいという人は是非、当院に見学にいらしてください。

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