初期研修医インタビュー

医療法人 沖縄徳洲会

中部徳洲会病院

沖縄県沖縄県中頭郡北中城村字比嘉801番地

名前 宮里 実幸(みやざと みつゆき)先生
出身地 沖縄県うるま市
出身大学 旭川医科大学
医師免許取得年度 2019年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

大学受験の前は農学にも興味を持っていたのですが、小さい頃に身体が弱く、喘息でかかっていた病院の先生がかっこよかったことを思い出し、医学部を目指すことにしました。模擬試験ではE判定をもらったこともありますが、得意科目で受験できた大学の医学部に合格することができました(笑)。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

沖縄から北海道に行ったので、雪を見るのが初めてだったんです。それでスキー部に入り、6年間ずっとスキーに打ち込み、キャプテンも務めました。東医体などにも出場していました。大学時代を振り返っても、スキーのことしか記憶にないですね(笑)。

大学卒業後、研修先を中部徳洲会病院に決めた理由をお聞かせください。

卒業後は沖縄に戻ろうという気持ちはあったので、沖縄県内の病院を探していました。中部徳洲会病院は徳洲会の理念の通り、断らない救急をしているので、救急車の搬送が多く、初期研修医がその前線に立って、全てを診ていくところに惹かれました。

中部徳洲会病院に最初に見学に来られたときの印象はいかがでしたか。

少し早めですが、4年生の夏に来ました。中部徳洲会病院の初期研修医はほかの病院の初期研修医に比べて、医師に見えました。初期研修医が診療をして、検査をして、診断をつけて、治療をする姿を見て、ここで働いたら研修医ではなく、医師になれると思いました。見学にはその後2回来ました。徐々に志望度が上がっていきましたね。最後に来たのが6年生のときで、1年目の初期研修医を見て、「この人たちと一緒に働けたら楽しいだろうな」と考えました。

中部徳洲会病院での初期研修はイメージ通りですか。

去年は1年目でしたが、多くのことを研修させていただきました。2年目になり、離島・僻地研修にも行きました。私が行ったのは山形県の庄内余目病院です。本当に自分一人しかいない状況で、自分の判断で全部を行ったという経験は大きく、自分がしたいこと、予想していたことをさせていただけました。人口数千人の街にその病院しかなく、夜は私一人しか医師がいないので、救急の患者さんが来たら、自分の判断が必要でした。こちらでは気管挿管を一人ですることはありませんが、離島や僻地では一人でしなくてはいけないので、医師としての責任感が育ちました。

プログラムの特徴はどんな点でしょうか。

ほかの病院と同様に、当院もスーパーローテートで各科を回っていきます。ただ、ほかの病院と違うのは当院は通年で救急当直をすることです。ほかの病院の初期研修医から回っている科によってはやる気が出ないこともあると聞いたりしますが、当院の場合は当直で全科の患者さんを診るわけですから、どの科を回っていても当直を意識せざるをえません。例えば小児科を回っているときは小児科をきちんと勉強しておかないと当直で大変な状況になります。プログラムの特徴とは違うかもしれませんが、モチベーションを高く保てる初期研修だと思います。

プログラムの自由度はいかがですか。

必修の科が決まっているので、自由度はあまりないです。それでも2年目に4カ月間の自由選択期間があります。自由選択の病院は全国にある徳洲会系列の病院から選んでもいいですし、沖縄県の臨床研修病院群プロジェクトである群星沖縄の参加施設からも選べます。徳洲会と群星から選べるという点では自由度が高いとも言えますね。私は札幌徳洲会病院で緩和ケアを学ぶ予定です。札幌徳洲会病院を選んだのは一つはスキーができることです(笑)。もう一つは緩和ケアに強みのある病院は全国でも数少なく、これからの時代、何科を目指すにしても高齢者に関わらないといけないので、その意味でも緩和ケアを学びたいと考えました。徳洲会の中にそうした病院があるからこそ選べたので、有り難いですね。

ほかに院外での研修はありましたか。

離島・僻地研修での庄内余目病院、自由選択の札幌徳洲会病院のほかは、産婦人科は奄美大島の名瀬徳洲会病院、精神科は新垣病院に行きました。新垣病院は当院のある北中城村の隣の沖縄市にあります。名瀬徳洲会病院は離島ですが、出生率が高く、産婦人科が充実していました。このように、当院の初期研修は離島や県外に行く機会は多いですね。

どのような姿勢で初期研修に取り組んでいらっしゃいますか。

2年目になると、当直のときに1年目の初期研修医に教えないといけないので、勉強するときには人に教えることを想像しながら勉強しています。そうしたら、教えているうちに、患者さんへの話し方が変わってきたように思います。人に教えることで、分かりやすく説明する力がつきました。患者さんがどのぐらいのことを知識としてお持ちなのかを探りながら、相手にとって分かりやすく説明することが以前よりもできるようになったと実感しています。

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

全部のことをさせていただけるのですが、後ろで見ていてくださるので、何か困ったときはすぐに相談に乗っていただけるし、間違ったことをすれば止めてくださるので、本当に感謝しています。

中部徳洲会病院での初期研修で勉強になっていることはどんなことでしょう。

当院は救急を断らないので、どれだけ救急外来が患者さんで溢れ、どれだけ皆が一杯一杯になっていても、救急の患者さんを受け入れています。ほかの病院では他院との関係を取り持ったりするのは上の先生方ですが、当院では初期研修医の仕事です。そうした限界の中では常に100%の医療を提供できるわけではありません。それを知ったうえで、自分が何をできるのかを考えることは当院でしか得られないことなのかなと思います。

何か失敗談はありますか。

失敗ではないのですが、先日、病棟の看護師さんから「昨日、救急外来に来た○○って、私の妹なの。先生のことをいい先生って言ってたよ」と聞いて、「危ない。ちゃんと診ておいて、良かった」と思いました(笑)。どこに知り合いがいるか分からないものですね。救急外来では20人から30人を診るのですが、これからもきちんと平等に診ていきたいです。

当直の体制について、お聞かせください。

当院の初期研修では院外に出る機会も多いですので、当直の回数は院内にいる同期の数によります。大体7回から10回ぐらいですね。1年目の初期研修医2人、2年目の初期研修医1人、スタッフの先生方が内科、外科、ICUで1人ずつです。

当直では、どんなことが勉強になっていますか。

1年目の初期研修医が救急車もウォークインも基本的には全部診ます。2年目の私は1年目の彼らがどのぐらい患者さんを診ていて、検査がどのぐらい進んでいて、患者さんの病態はどんな感じでと把握するマネジメントをしないといけません。患者さんの重症度などによって、「こちらの患者さんから早く診て」などの指示をどうするかを考えながら仕事するのは勉強になります。1年目のときよりも成長している部分でもあります。人手が足りないときは上の先生を呼びます。最初はお願いするときに勇気がいりました(笑)。でもお願いしたうえで、外来や救急車を手伝っていただくのは自分がある意味でその日のERのリーダーになった気がするので遣り甲斐があります。

カンファレンスの雰囲気はいかがですか。

内科は毎朝、入院カンファレンスをしています。救急外来からの入院患者さんがとても多いので、前日にどういう患者さんが入院したのかを内科の先生方にプレゼンし、主治医を決めていきます。プレゼンをすることで、上の先生方から振り返りをいただいたり、病態を詳しく説明してもらえたりするので、初期研修医にとっては当直での良いフィードバックになっています。

コメディカルの方たちとのコミュニケーションはいかがですか。

ほかの病院のことは知らないのですが、当院には1年目研修という研修があります。入職してすぐの2週間は初期研修医だけでなく、看護師さんや技師さんと一緒にオリエンテーションを受けるんです。そこでコメディカルスタッフの同期と仲良くなれますね。今もリハビリなら作業療法士、レントゲンなら診療放射線技師の同期に困ったことを質問できるし、この研修のお蔭で当院全体で各学年の横の繋がりが濃いと思います。年に何回かは同期の研修があり、今年は新型コロナウイルスの影響でできなかった研修もありましたが、仲良く働いています。

研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

研修医室はなく、スタッフの先生方と同じ広い医局の中に初期研修医だけの区画があります。ほかの先生方もその前を通るので、簡単に話せるのがいいですね。初期研修医の机が集まっているので、私たち同士でも話し合ったり、討論したりしていると、またそこに指導医の先生が通りがかってアドバイスをくださったりするので、とても良い環境です。

寮もありますか。

寮はなく、皆が好きなところに住んで、家賃補助をいただく形です。病院の近くに住んでいる人もいれば、病院から離れた素敵なところに住んでいる人もいます(笑)。

今後のご予定をお聞かせください。

当院で当直しすぎたということもあり、来年からは救急科に進む予定です。専門研修先は栃木県の済生会宇都宮病院です。そこに集中治療で有名な先生がいらっしゃるので、選びました。救急外来で初療をした重症患者さんはICUで治療を継続していきます。当院での2年間に救急を学んだので、済生会宇都宮病院ではその次の段階を勉強したいと思っています。

ご趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。

大学ではスキーしかしていませんでしたが、残念ながら沖縄ではできません(笑)。ただ大学で北海道に行ったことで、沖縄の友人と会えていなかったので、最近は昔の友人や家族と過ごす時間を大切にしています。沖縄の友人と久しぶりに会えると楽しいです。

現在の臨床研修制度に関して、ご意見をお願いします。

私たちによってはそのときに関わっている科のことを勉強すればいいので、そこまで難しいことではないのですが、制度の変更があると、私たちはともかく、診療科での指導を担当してくださっている先生方、研修委員会の先生方、事務の方が大変そうです。

最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

病院を決めるにあたっては色々な条件があって悩ましいところですが、最終的には自分がそこで働いている姿を想像できるかどうかが大事です。自分が楽しく働いている姿、遣り甲斐を持って働いている姿を想像できる病院で働けるといいですね。頑張ってください。病院見学には8月に行くことが多いですが、5年生は初期研修医が右も左も分からない4月からの4カ月でどれぐらい成長しているのかを見ると、自分が初期研修をするときの良いモデルになります。6年生にとっては1年目の初期研修医が直属の先輩になります。1つ上の彼らがどう過ごしているのかを見てください。

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