後期研修医インタビュー

社会福祉法人 恩賜財団

済生会熊本病院

熊本県熊本市南区近見5丁目3番1号

名前 杉本 龍
出身地 岐阜県美濃加茂市
出身大学 名古屋市立大学
医師免許 2013年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

母が看護師で、父が救急救命士という家庭で育ちましたので、漠然と医療系に進むのかなと考えたのが最初のきっかけですね。

学生生活はいかがでしたか。

授業に出て、部活動がある日は部活動に行き、ない日はアルバイトに行ってというのを延々と繰り返しているだけという毎日でした。高校までは柔道をしていたんですが、大学での部活動はラグビーでした。

初期臨床研修は東京女子医科大学東医療センターで行われたのですね。

ひたすら病院にいたという感じですね。今よりも当直の回数も多くて、夜も結構、遅くまで病院にいましたね。

後期研修先を決められた時期はいつ頃だったのでしょうか。

悩み始めたのが初期研修2年目の夏の終わり頃から秋頃でした。初期研修が忙しくて、あまり就職説明会などに行けなかったので、どうしようという悩みがありました。でも、私は集中治療をしたかったのと、医師の基礎は内科だと思っているので、色々な内科を回れるコースがあること、三次救急の救命救急センターがあることを条件に探しました。総合診療科が良かったのは救急外来や入院患者さんによく起きることや集中治療室に入院している患者さんによくあることをしっかり鑑別できることです。ただ、大学には入局したくなかったので、候補をかなり絞り込めましたね。それから実際に見学に行き、当院に決めました。

後期研修先を済生会熊本病院に決められた理由を教えてください。

医師の基礎は内科だと思っていた一方で、集中治療もしたかったんです。今にも命が危ない人を助けられてこそ、医師だというイメージがありました。当院はそういうことが全部できる病院であったことが一番の理由です。救急と総合診療を一緒に行い、外来だけでなく、入院患者さんも受け持てるのは当院の特徴ですね。

ほかに特徴はありますか。

緊急の処置でしょうか。緊急時にどうするかという対応が学べるところも特徴だと思います。

後期研修で一番勉強になっているのはどんなことですか。

一つのことに特定するのは難しいです。オンとオフが比較的はっきりしているので、忙しさに忙殺されるだけということや仕事をこなしているだけということがありません。勉強する時間も持てるんです。症例も多く、それを本で勉強することで、本にこう書いてあるけど、患者さんはこう反応するとか、こういう患者さんが多いなど、実際の症例と本で読んだこととの繋がりをじっくり学べる環境にあることが勉強になっていることだと思います。

後期研修で楽しいことはどういったところですか。

新しいことが多いことですね。分からない症例や重症な症例に出会うことも多いですので、不謹慎かしれませんが、飽きないですし、楽しく勉強しています。

後期研修で辛いところはどういったところですか。

当直が辛いと思うことはあります。当直中に忙しいときは大丈夫なのですが、急性期の患者さんばかりの中で、この科に私しかいないという夜は辛いです。それから救急ではどうしようもなくて亡くなってしまう患者さんもいらっしゃいますので、そんなときも辛いです。

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

過保護過ぎず、関与してくれないわけでもなく、ご指導していただいています。私が主体になる形で指導してもらえるので、そういう部分も勉強になっています。

初期研修と後期研修との違いはどんなところにありますか。

一番の違いは責任でしょうか。もちろん、後期研修医の一存で患者さんの生死の決断をすることはありませんが、治療方針や処置の有無を決断するのは後期研修医ですから、自分で決めたことや患者さんへの説明の責任は全く違いますね。

不明な点や不安な点などの悩みごとについてはどのように対処されていますか。

今は院内のどのパソコンでも海外の文献や国内の文献を調べられますので、まずは自分で調べます。それで分からない場合は専門の先生に伺います。当院は様々な診療科があるので、指導医の先生方に恵まれています。それでも悩ましいときには部長に相談して、決断を仰ぐというステップです。

看護師の方を含め、コメディカルの方との関係はいかがですか。

病院全体として、悪くないです。うまくコミュニケーションが取れているのではないかと思います。

カンファレンスについて、お聞かせください。

下の医師が上司の症例に対してコメントしてはいけないとか、そういう雰囲気は全くありません。上の先生の症例に対しても私たちが質問できますし、嫌な緊張感はなく、皆で雑談しながら相談しているような雰囲気ですね。

オンとオフの切り替えはしっかりとできていますか。

しっかりできていると思います。病院から離れたら、当番ではない限り、電話がかかってくることはほぼありません。かと言って、ずっと病院にいなければいけないわけでもないんです。申し送りをすれば帰れますし、休日は休日で当番の先生がいらっしゃるので、休みと決まっていたら、絶対に休みです。

昨年の熊本地震のときはいかがでしたか。

2回の地震がありました。1回目の地震のときは1階にいたんですが、2階の方が大きく揺れたので、「この程度か」と思っただけでした。2回目の本震では「これが災害医療なんだ」という感じでしたね。電気も付かなくて、レントゲンも撮れない中、足を縫わなくてはいけないという状況でした。大学を卒業するときに、恩師から「災害は起きるものだと思って生活しなさい」と言われたのをずっと覚えていましたし、初期研修医のときも災害医療コースのような場所で勉強したこともあったんです。でも、勉強していたから、ほかの医師と比べて何ができたとも言えません。結局は与えられた仕事をしただけでしたので、より深く勉強しておくべきだったと思っています。

今後のキャリア形成について、お聞かせください。

あまり決まっていないというのが現状です。来年、救急の専門医試験を受けることができます。救急専門医は目の前にいる人の命を救う専門家ですし、医師の基本だと思います。これが始まりですし、その後の何科に行くとか、どういった道に進むのかはこれから考えていきます。

済生会熊本病院とはどんな病院ですか。

各科の医師が高い専門性を持ち、裾野を私たちが埋めているというイメージを私は持っています。システムはJCIがありますし、きちんとしていますね。逆に、そこに縛られてしまうと、そこから外れたときに弱くなるのかもしれません。

最新の医療も導入されていますね。

神経内科の血管内治療や心臓の血管内治療は最先端です。全国的に見ても上位に入るような部門がある病院です。

研修先を検討されている初期研修医の皆さんにメッセージをお願いします。

初期研修は自分の専攻したい科を決めるのと同時に、医師としての基礎を作る時期ですが、わずか2年で基礎を作ることは難しいと思います。医師としての基礎は内科ですし、目の前で亡くなりそうな方にどう対応するか、熱のような主訴の中でよくあることを知っていることも基礎ですが、それを2年で習熟するのは困難です。当科は救急外来で色々な主訴の患者さんを診ることができます。原因がよく分からない症例を調べる過程で内科的な思考もできますし、救急や集中治療も経験できます。救急的な疾患はどの科に行ってもありますので、後期研修で勉強するといいですよ。よろしければ、是非、勉強しに来てください。

お気に入り