後期研修医インタビュー

武蔵野赤十字病院

東京都武蔵野市境南町1-26-1

名前 杉田 陽一郎 研修医
出身地 東京都大田区
出身大学 東京医科歯科大学
医師免許取得年度 2015年
名前 浅沼 雄貴 研修医
出身地 東京都小金井市
出身大学 聖マリアンナ医科大学
医師免許取得年度 2015年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

杉田:

中学生の頃から漠然とした憧れを持っていたんです。勉強したことがそのまま仕事になり、それが人のためになるというストレートさが良かったですね。

浅沼:

両親が医師だということもありましたが、私自身も理系科目が好きだったんです。医師は理系の仕事であり、将来もなくならないであろう仕事だということが魅力でした。

ポリクリはいかがでしたか。

杉田:

大学時代はオーケストラ部に入っていて、その活動に忙しかったので、ポリクリにはあまり積極的でなかったです(笑)。

浅沼:

ほとんどを大学病院で行ったのですが、消化器内科の1カ月は当院に来たんです。自宅の近くですので、以前から知っている病院でしたが、市中病院は幅広い疾患を扱っているのだと実感しました。私の大学の病院は都心部の大学病院よりは市中病院に近い雰囲気なのですが、それでも大学病院と市中病院は違うのだなと思いましたね。

初期研修の病院を武蔵野赤十字病院に決めたのはなぜですか。

杉田:

初期研修では救急をしっかり勉強しないといけないだろうと考えていたので、救急を多く診られ、感染症科もある病院ということで当院を選びました。

浅沼:

私も救急ですね。三次救急の病院で初期研修をしたいというのが必須の条件でした。また、初期研修では珍しい疾患よりも比較的、起こりやすい疾患を診たかったですし、初期研修医に任せてもらえる仕事が多いという点も気に入って、当院に決めました。

初期研修を振り返って、いかがですか。

杉田:

三次救急を4カ月回るという特異な病院ですが、有意義でした。集中治療についても学ぶ機会が多かったです。今も患者さんの痙攣やCPAでも一人で対応できているのは当院で初期研修ができたからでしょうね。初期研修が終わった段階では三次救急の病院にいたかどうかで大きく違っていると思います。

浅沼:

三次救急ももちろんですが、麻酔科を2カ月回ったのも良かったです。生命を維持するために、どういうことが必要なのかを学ぶことができましたし、こうすればいいのかという応用に繋がっています。救急外来も勉強になりました。軽症、重症、慢性期疾患など、とにかく多くの患者さんを診る中で、治療の方向性などが分かってきました。

初期研修はどのようなローテーションだったのですか。

杉田:

当院は選択期間が短いので、皆がほぼ同じローテーションなんです。選択は放射線科と麻酔科にしました。放射線科では読影を学びたかったですし、麻酔科は必修で回ったときに楽しくて、専攻したいとも考えていたからです。

浅沼:

私は消化器内科、整形外科、総合診療科にしました。消化器内科はC型肝炎の新薬が出たことで興味を持っていましたし、整形外科は実家が整形外科を開業していることもあって、私も知識を増やそうと思っていたんです。総合診療科は後期研修との連続性を考えたうえで選びました。そのため、総合診療科には3月に行き、そのまま後期研修に入りました。

杉田先生は神経内科を専攻されているんですよね。

杉田:

初期研修2年目の途中で神経内科に決めたので、東京医科歯科大学の神経内科に入局したんです。今は後期研修1年目のローテーションの中で当院の総合診療科に3カ月、お世話になっているところです。専門を選ぶにあたっては適性と好き嫌いという軸を持つようにしました。救急や集中治療は好きでしたが、適性とはマッチしないと考えたんです。それで腎臓内科と神経内科で迷いましたが、神経内科は患者さんの話を聞いて、身体所見を取るなど、「基本のキ」を最後まで大切にする科であることに惹かれました。また、映画の「レナードの朝」が好きだったこともあります(笑)。

総合診療科のあとで神経内科の研修が始まるのですか。

杉田:

今年1年間は武蔵野赤十字病院にいます。この3カ月は総合診療科と並行しながら神経内科にも行っています。神経内科では救急の患者さんや入院の患者さんを受け持っています。その次の9カ月は神経内科単科での研修となります。来年は大学病院で研修する予定です。

浅沼先生が総合診療科を選んだ理由をお聞かせください。

浅沼:

臓器別の専攻を決められなかったので、総合診療科に来ました。当院の総合診療科ですと、救急も整形外科も診られますから、経験を積めるのが良かったです。専門医制度が変わりましたから、どこの病院にするかは迷いましたね。当院で色々な疾患を診ていく中で、専攻を決め、いずれは専門医を取得したいと思っています。

どのようなプログラムなんですか。

浅沼:

年末までは総合診療科にいますが、新しい専門医制度に乗っていませんから、立場はフリーなんです。年末から4カ月間は整形外科で研修する予定です。

後期研修で勉強になっていることを教えてください。

杉田:

謝罪をするなどの社会的な対応ですね。患者さんとはトラブルにならないように、できるだけ気をつけています。初期研修と違うのは責任の大きさです。主治医として患者さんを受け持つとなると、休日に患者さんが気になることが増えました。

浅沼:

主治医の経験は勉強になりますね。医療的に正しいことと患者さんやご家族の希望が違った場合にどう判断するのかは主治医の仕事です。初期研修では鑑別診断などが中心になりますが、後期研修では治療方針を決めていかなくてはいけません。当院の初期研修医は優秀なので、細かいことは初期研修医に任せられます(笑)。ただ、そのための枠組みを作ってあげないといけないと思っています。

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

杉田:

神経内科の指導医の先生には色々と伺っていますが、後期研修に入ってからは患者さんのご家族と話す時間が増えたので、忙しいんです。初期研修の頃より勉強に充てられる時間は減りましたね。

浅沼:

指導医の先生方の専門領域については所見をいただいています。でも、医療的に間違ったことをしておらず、患者さんやご家族ともうまくやっていれば、とりあえずは放任です(笑)。

病院に改善を望みたいことはありますか。

杉田:

当院が超急性期型の病院を目指すというのは社会的な機能の面からは理解できますが、患者さんのご家族からすれば短期間に転院を余儀なくされるのは受け入れがたいようです。現場だけの目線で病院のあり方を追求することと、地域の方々から好かれる病院になることとは違います。ご家族にご理解をいただくことに労力を割かれているのは辛いですね。

浅沼:

どの急性期病院も生き残るための戦略を立てているのでしょうが、平均在院日数を短くするのであれば、海外のように家庭医や施設が充実していないといけないですよね。転院ありきになってしまうと、現場が大変です。後期研修が始まったばかりなので、待遇面に関してはまだ分かりません。

初期研修医の指導にあたって、気を付けていることはありますか。

杉田:

雑務に追われていますので、きちんと指導できているかどうかは難しいですね。でも、私がその学年でできていなかったことは今の初期研修医もできていないのだという前提で教えていますが、「絶対にこうあるべきだ」ということとエキスパートオピニオンによるところは明確に分けるようにしています。

浅沼:

カルテの書き方などの最低限、必要なことで実践的なことを教えています。病棟の患者さんの具合をどう評価するのか、救急外来にいらっしゃった患者さんの診方などは私がやってみせながら、指導していますね。また、ムンテラやICは勉強する機会がなかなかないので、後期研修に入ったときに大変なんです。そのため、そういう機会があれば、初期研修医に入ってもらっています。

当直の体制について、お聞かせください。

杉田:

月に3回ですので、初期研修の頃より少なくなりました。内科は病棟と救急に1人ずつ当直します。

浅沼:

私は夜通しの当直に入ることはなく、準夜勤当直に月に6回、入っています。準夜勤は21時までなのですが、終わるのは24時頃ですね。準夜勤当直は二次救急の救急車に対応します。内科は1人ですが、私は整形外科や外科の患者さんも診ます。「救急を断らないのが卒後3年目の使命だ」と言われていますので、忙しいですね。その分、力がついたと実感できています。夜通しの当直は内科、外科、脳神経外科などの各科当直で、内科は病棟と救急に1人ずつとなっています。

カンファレンスはいかがですか。

浅沼:

総合診療科では毎日、前日の夜に来院された患者さんのカンファレンスがあります。雰囲気は和やかですし、怒られることもありません。リウマチを専門にされている指導医の先生に質問したり、いい検討の場になっています。また、科全体でのカルテ回診が週に1回、あります。

コメディカルのスタッフとのコミュニケーションはいかがですか。

浅沼:

問題ないですよ。ちょうどいい感じで、円滑に仕事ができています。

何か失敗談はありますか。

浅沼:

初期研修のときは色々と怒られました(笑)。でも、周りがサポートしてくださるので、とても困ったという事態にはならなかったです。

研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

浅沼:

卒後3年目の内科医は6人いますが、仲良くやっています。

今後のご予定をお聞かせください。

浅沼:

内科か、整形外科かで迷っていて、今は多くの疾患を診ているところです。これまでは医局派遣で各科の医師を揃えていたのが病院ベースでの採用に変わっていく移行期でもありますが、新専門医制度も分かりにくいですね。新専門医制度が明確になれば、キャリアプランニングも立てやすくなりますし、安心できそうです。

現在の臨床研修制度について、ご意見をお願いします。

浅沼:

ローテートしてみて分かったことも多くありますし、いい制度だと思います。上の先生方からも羨ましいと言われますよ。上の先生の中には「この制度は専門に進むのが遅い。私は2年目でこれができた」と言う人もいますが、10年、20年後だと、その差はあまりなくなっているのではないでしょうか。

これから後期研修の病院を選ぶ初期研修医にメッセージをお願いします。

浅沼:

後期研修の病院を決めるのは初期研修の病院を決めるよりも難しいです。後期研修は初期研修のように画一化されたプログラムがあるわけではなく、1日見学しただけでは分かりにくいです。見学に行く時間の確保も大変ですしね。何をしたいのかによります。専門を究めたいなら大学病院だし、現場で働きたいなら市中病院です。でも、当院は消化器内科の肝臓領域なら大学病院のようなアカデミックさがありますし、市中病院でもそれぞれの強みがあります。臓器を決めている人はそこが強い病院を軸に決めていくといいでしょう。

お気に入り