後期研修医インタビュー

地方独立行政法人広島市立病院機構

広島市立広島市民病院

広島県広島市中区基町7番33号

名前 上村 磨矢(かみむら まや) 研修医
出身地 岡山県倉敷市
出身大学 鳥取大学
医師免許取得年度 2015年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

医師家系の家庭で育ったわけではありません。小学生のときに祖父が交通事故に遭い、回復が不可能だと言われていたのですが、病院のスタッフの方にとてもお世話になり、車の運転ができるまで回復したことがあったんです。それで医療の世界はすごいなと思い、医療系に進みたいと漠然と考えるようになりました。ただ、医師を目指したきっかけとして、はっきりしたものは覚えていないですね。人を救ったり、人の役に立つ仕事をしたいというぐらいの願望でした。

初期研修も広島市民病院を選ばれた理由をお聞かせください。

学生時代は多くの病院に見学に行き、広島市内の病院にも何回も見学に行きました。その中で、広島市民病院はどの科に行っても「熱い」先生が多く、行くたびに「医師は面白い」、「この科はこんなところが面白い」など、魅力的な話をしてくださるんです。研修医の方たちとも話をしたのですが、勢いがあって、研修を楽しんでいる姿を見て、生き生きと研修されているんだなあという印象を受けました。プライベートな話をわいわいしたり、診療で困っていることをざっくばらんに話し合っていたり、上の先生にもすぐに聞いたりしているところを見て、初期研修を行うにあたって、充実した2年間を送れそうだと思い、広島市民病院を選びました。

実際に初期研修の2年間を振り返って、どうでしたか。

1カ月毎に科を変わっていくので、その科に関してできることが1カ月では足りないと思うこともあったんですが、色々な科を回ることで、その科の空気感や診療の仕方などを感じることができます。私自身は一つの科に何カ月もいるよりも良かったです。多くの指導医の先生方ともお知り合いになれたし、お話も伺えました。最終的には麻酔科を選びましたが、麻酔科は色々な科の手術を担当しますので、それぞれの科の考え方や治療の方法などをざっくりとでも肌身に感じたことは良かったですね。当院は診療科がかなり揃っていて、回りたいと希望すれば、どの科でも回れますから、不自由がありません。それも恵まれていましたね。

専門を麻酔科に決めたのは初期研修のどのあたりですか。

かなり遅く、2年目の夏ぐらいでした。初期研修が始まった頃は麻酔科は全く考えておらず、乳腺外科や産婦人科に興味を持っていました。でも麻酔科を回ってみて、印象的だったのは集中治療だったんです。当院の集中治療は麻酔科がメインとなって、最重症の患者さんを診ています。また、蘇生にも長けており、院内での急変時の緊急コールで一番に駆けつけ、最前線で蘇生している麻酔科の先生方の姿も印象に残っていました。

麻酔科を選んで良かったと思いますか。

まだ分からないことやできないことばかりで、日々の仕事で精一杯ですし、重症を診たいとか、緊急に対応できるようになりたいという目標も達成できていません。でも上の先生方に熱心に指導されているので、一つ一つのことを「これには対応できるようになった」とは思っています。その点については自分の目標に近づいている感じがするので、麻酔科を選んで良かったです。

麻酔科のプログラムは具体的にどのような内容ですか。

当院は診療科が揃っていますし、手術件数が非常に多く、専門医を取るにあたってのプログラムとして必要な「この科の手術を何件」というのに不自由がありません。指導医の先生に組んでいただいた日々の手術をこなしていれば、プログラムとして達成しますので、プログラム自体を意識したことがあまりないんです(笑)。最近では心臓血管外科の手術の麻酔も担当させていただいています。

一日の流れはどんな感じですか。ほとんど手術室にいるのですか。

ICUを担当する日もありますが、ほとんどが手術室ですね。流れとしては、朝8時から全体のカンファレンスが始まるので、その前に手術室に行って、その日の麻酔の準備をしておきます。担当の患者さんがICUにいるときはカンファレンスの前に診察に行きます。カンファレンスは8時に始まり、30分から40分程で終わります。その後、手術室に行って、そこからは麻酔になります。当院は集中治療を麻酔科がメインでやっていますので、「集中治療の日」もあります。麻酔の前や後の時間に、集中治療の担当患者さんの治療をするのが大きなウエイトを占めています。

今の研修の中で難しいと感じたことはありますか。

今は麻酔を一人で最初から最後まで成功させること自体が新鮮です。初期研修の頃は上の先生に付いて、させてもらっていたので、手技だけに必死になっていた記憶があるんですが、一人になってみるとバイタル管理はこんなに難しいのかと実感しています。初期研修の頃は指導医の先生方が細やかに調節して、フォローしてくださっていたのかと、今さらながら気づきましたね(笑)。

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

麻酔科は人数が多く、若手の先生から上の先生まで、幅広い層が揃っています。それぞれの層での教え方や対応の仕方にバラエティがあります。

当直の体制について、お聞かせください。

麻酔科の当直は3人体制で、最初は後期研修医が4人目の見習いで入ります。当直では夜中のICU集中治療のフォローと緊急手術時の麻酔を3人で回すようになっています。週1、2回、月に5、6回ぐらいなので、大変過ぎず、ちょうど良い頻度かなと思っています。

当直ではどんなことが勉強になっていますか。

緊急のときにしか経験できないことも多くあります。緊急時の麻酔だったり、集中治療でフロアを管理させてもらうのもかなり緊張しますから、当直のときにしか診られない緊急の患者さんや重体な患者さんを診る勉強になっています。

カンファレンスはいかがですか。

毎朝のカンファレンスで、その日の手術の症例の提示と、ICUの患者さんの現状と治療のプランを発表して、議論をしています。ICUの患者さんは3人ぐらいの担当医で診ているのですが、担当内だけでは出てこないアイディアなどをほかの先生方から指摘していただける機会なので、朝のカンファレンスはとても重要です。

指導医の藤中先生が先ほど女性が働きやすい環境だとおっしゃっていましたが、いかがでしょうか。

麻酔科には20人以上の医師がいますが、約半数が女性医師です。ライフプランや日々の対応など、女性と男性では観点が違ったりするので、女性医師が多いというだけで相談しやすいのが有り難いですね。私の1つ上の後期研修医の先生も子育てをしながら、仕事と両立させているので、モデルケースがあるのが心強いです。

何か失敗談はありますか。

小さな失敗はよくしています。手技に関してもうまくいかないことが多く、上の先生をお呼びして、リカバリーしていただくこともあります。そんな小さな失敗を大きくしないためにも、私にできることは上の先生に相談することだと思っています。上の先生が来てくださると、患者さんへの声かけや対応が違うんです。患者さんが欲しい言葉をかけたりされるのを見て、私は手技に必死になっているあまり、そういうことが全く見えていなかったのだと反省しています。藤中先生もおっしゃっていましたが、一緒に診た症例の中で失敗を失敗にしないようにリカバリーする方法も教えていただいています。

これから後期研修の病院を選ぶ初期研修医にメッセージをお願いします。

当院は手術件数が充実していますから、安心して、ストレスを感じることなく、日々の診療に勤しむことで達成できていけるのが魅力です。後期研修のプログラム上でどういう道筋をたどるのが自分にとって有利なのかを考えながら、後期研修の病院を選ぶといいと思います。当院の麻酔科は集中治療をメインで担当していますので、重症や緊急に対応できる力もつきます。私は重症や緊急を診られるようになりたいという目標で選びましたので、皆さんも目標を達成できる病院はどこかという観点を大事にしてください。

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