後期研修医インタビュー

社会医療法人 杏嶺会

一宮西病院

愛知県一宮市開明字平1番地

名前 岩本 久幸(いわもと ひさゆき) 研修医
出身地 大阪府箕面市
出身大学 滋賀医科大学
医師免許取得年度 2014年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

明確な時期は曖昧なのですが、物心がついてすぐ、3歳か4歳の頃に祖母が事故に遭い、脳死という判定をされたんです。子どもながらに自分に何かできれば良かったのかと何となく思ったのがきっかけです。小学生で勉強を始めるようになったときに、医師になりたいと考えるようになりました。外科系に興味があり、最初は脳神経外科を目指していたのですが、気づいたら外科志望に変わっていました。今は外科の後期研修中です。

学生生活はいかがでしたでしょうか。

私が入った頃の滋賀医科大学は部活動の成績も良く、国試の合格率も100%が続いていた時代でした。それで、部活動も勉強もしっかりやろうと言われていましたが、私は勉強は人並みで、部活動の方が楽しくなってしまいました(笑)。ゴルフ部とアカペラサークルに所属し、アカペラサークルではボイスパーカッションを担当していました。大いに遊んでいましたね。部で紹介されたことから、ゴルフ場のキャディのアルバイトもしていました。そこで色々なお客様と話して、改めて人と話すことが好きだと気づきました。医師になったあとも人と関わっていけるのがいいなと思っていましたね。

後期研修先を決められた時期はいつ頃だったのでしょうか。

初期研修2年目の夏頃ですね。初期研修は大津市民病院で行いました。

後期研修先を決めるのにあたって、どのような活動をされたのでしょうか。

初期研修の病院で外科をローテートしようかなどと悩んでいましたが、違う病院に替わり、患者さんや周りのスタッフも替わるということに面白みも感じていたんです。外科の症例数が多い、いわゆる有名病院のホームページを見て、見学の許可が下りたら見学に行ったりもしていましたが、時間的余裕がなく、早々と挫折しました。それで病院紹介のイベントに行き、一宮西病院の方とお話をしたんです。そうしたら、外科の手術の量や質などが私の理想に近い気がして、見学に行くことにしました。そこで手術を見学させていただいて、いいなと実感しました。

後期研修先を一宮西病院に決めたのはどうしてですか。

後期研修医が忙しそうにしている有名病院がいいのかと思っていましたが、どこの施設にも特色や偏りがあり、決め手がなかったんです。たまたま巡り合わなかっただけかもしれませんが、そんなときに出会った当院は偏りが少なく、色々な手術があり、皆が常に忙しそうにしていました。私はそういう病院で働きたかったので、当院に決めました。

外科を専攻された理由をお聞かせください。

学生の頃に各専門科を勉強したときに、消化器がとても面白かったんです。外科系で消化器というのはその頃から決めていました。初期研修ではもう少し悩むのかなと思っていたのですが、実際に回ってみると消化器内科にも面白さがありましたね。最終的に、一生をかけてやりたいのは外科だと決めました。

消化器外科の面白さはどのようなところにありますか。

例えば心臓や脳だと同じような場所をずっとやり続ける奥深さがあり、すごいスペシャリストになれます。しかし、それだとコモンディジーズをあまり扱えなくなりそうでした。一方で、消化器は口から食道、お尻までと幅広いですし、外傷も診られます。私は内科にも興味がありましたから、ジェネラリストとして、全身を診たかったんですね。日本の消化器外科は全身を診られる診療科だということが大きかったです。一方で、臓器別のそれぞれの手術も面白いです。

一宮西病院の外科の後期研修の特徴をお聞かせください。

後期研修医になって2年目ですが、何よりも実践を積めるのがいいですね。どこの病院でもある程度、言われていますが、当院は緊急疾患でも昔ながらの虫垂炎のようなコモンディジーズもあれば、大腸がん手術もあります。定例手術、全身麻酔での手術も増えてきていて、有名病院がやっているような難しい手術も行っています。全て網羅できる病院で、後期研修医として執刀させてもらいつつ、決してやりっ放しではなく、指導医の先生の手術の助手を通じてフィードバックできるのは有り難いです。実践と復習を繰り返せるのが特徴でしょうか。

後期研修で一番勉強になっているのはどんなことですか。

主治医として、自分が執刀する患者さんを術前から術後の外来まで、ずっと持たせてもらえるというところです。手術が勉強になるというのはどこの病院でも同じですが、一筋縄でいかない、難しい全身のトラブルを解決していったり、人を診るということがやはり勉強になりますね。

後期研修で楽しいことはどういったところですか。

外科だけでなく、他科の後期研修医も皆、同じようなモチベーションを持っているんです。どの科にもそういう後期研修医がいるので、お互いに励みになりますし、彼らの話を聞くのが楽しいですね。

後期研修で辛いところはどういったところですか。

自分の責任でやっていながら、自分の力が及ばず、上の先生に指導していただかないといけないときです。迷惑をかけるのは辛いですが、必要な辛さだと思っていますし、自分が全部、抱え込まないようにしています。

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

教科書通りの答えだと、「ときには厳しく」かもしれません(笑)。でも当院の先生方は優しいんです。私にとってプラスになると思われたことを経験させていただけますし、まだ足りていないことや興味深いこともしっかり教えてくださいます。私が患者さんにとって正しいと思っていた手術ができなかったときに、笹本先生から「お前がお前の家族に対してとか、将来、娘ができたときにやってやりたい手術を毎日、ちゃんと考えてやれ」と熱いご指導をいただきました。それで手術に対する姿勢が改まり、常にいい手術をしたいという意識が強くなりました。

初期研修と後期研修との違いはなんでしょうか。

初期研修医にも言っていることですが、初期研修は将来、責任を一手に引き受けて仕事をするまでの準備段階ですので、間違っているかもしれないことでもやってみたいとチャレンジングに提案するのは悪いことではありません。私も初期研修医の頃は積極的に取り組んでいました。しかし、後期研修医には初期研修医とは違った責任感があります。「誰かが見てくれているから、大丈夫だろう」という意識のままだと成長しませんね。それが焦りに繋がると、仕事の内容も悪くなります。偉そうかもしれませんが、後期研修医になれば、一人前になったつもりで仕事することが必要ですし、それが大きな違いでしょう。簡単なものを選ぶにも本当にこれがベストなのかと悩むときりがないし、答えもありませんが、そこが後期研修の面白さであり、難しさだと思っています。

不明な点や不安な点などの悩みごとについては、どのように対処されていますか。

笹本先生から「迷ったら、相談しろ」と色々な場面で言われていますので、手が詰まる前に相談しています。不明な点や不安な点を次々に解消していただいていますね。外科の勉強会も増えていますので、勉強する機会が多くあるのもいいです。

看護師の方を含め、コメディカルの方との関係はいかがですか。

とても可愛がってもらっています。色々と仕事を頼まれますし、逆に私からのお願いも受けてくださいます。患者さんのためになることを、皆が同じベクトルでできているのかなと思っています。

カンファレンスについてお聞かせください。

今年度から週2回のカンファレンスに加えて、抄読会も含めると、週3回の全体の会が開かれるようになりました。そこでの情報共有と治療方針の摺り合わせが充実してきています。カンファレンスの中での先生方からのふとしたコメントがヒントになって、治療方針が明快になることも増えています。

オンとオフの切り替えはしっかりとできていますか。

できていると思います。病院にしっかりバックアップしていただいていますね。つい最近、結婚して、子どもも生まれて、私生活がバタバタする時期だったんですが、先生方から看護師さんまで、すごくケアしてくださって、家庭の時間も取れるようにしていただいています。

今後のキャリア形成についてのお考えをお聞かせください。

この病院で何を成し遂げたわけでもなく、資格を取れたということもないのですが、これだけの規模の総合病院で手術症例数も恵まれていますので、専門医資格を取らせていただけるまで、しっかり勉強したいです。その後については、医局に所属していないということもありますし、専門医制度も変わってきたという流れもありますので、病院を替わらないといけないこともあるかもしれません。しかし、まだ当院で勉強できることは多くありますので、頑張っていきたいです。

一宮西病院とはどんな病院ですか。

異色な病院だと思います。きちんとした規定は当然ありますが、今の日本の枠組みに収まりきれない勢いがあり、地域に対して良いと思ったことを積極的にやろうという、意志の強い病院です。それは私が目指している医師としての姿勢に合っていますし、そういう医療を見たい、何か新しいことをしたい人には面白い病院ですよ。

研修先を検討されている初期研修医の皆さんにメッセージをお願いします。

後期研修先を選ぶにあたっては色々なしがらみがあるでしょうが、後期研修医の間でしか経験できないことはこの先の5年、10年後にも響いてきます。辛いかもと悩みながら、こういう病院に行った方がいいのかなと考えているのであれば、チャレンジすることをお勧めします。私の場合は近畿圏を抜けるのが一つの壁でしたが、抜けてみれば何のことはないですし、まだ遠くに行けそうです。しがらみを感じずに、選びましょう。外科に関してなら、120%の楽しい後期研修にできるよう、いつでも相談に乗りますよ。他科の先生方もとても優しいですし、充実した研修ができますから、一緒に働きましょう。

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