後期研修医インタビュー

兵庫県立柏原病院

兵庫県丹波市柏原町柏原5208−1

名前 合田 建(ごうだ けん) 先生
出身地 愛知県名古屋市
出身大学 神戸大学
医師免許取得年度 2014年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

小学生のとき、牛乳アレルギーで、牛乳を飲むと吐いてしまうような症状があったのですが、なかなか原因が分からなかったんです。医療機関にかかったりする中で診断がついて、その後に良くなった経緯があり、その経験から人の身体に興味が湧いてきたのがきっかけの一つです。周囲にも医師を目指す人が多かったこともあり、私も自然と医師を目指すようになりました。中学を卒業して進路を考える段階で医師がいいと思い始め、実際には高校2、3年生で意思が固まりました。

学生生活はいかがでしたか。

医師になってからは時間がないということも考え、学生時代には海外旅行に行ったり、なるべく遊ぶようにしていました。部活動はウィンドサーフィンとフットサルをしていました。

初期研修先を選ぶ活動をいつから始めたのですか。

探し始めたのは5年生の頃ですね。メインの活動時期も5年生でした。

初期研修はいかがでしたか。

初期研修は長野県の佐久総合病院で行いましたが、医師としての良い基本を学べました。昔から地域にある病院ですので、診療の基本や考え方をしっかり勉強できたと思っています。

後期研修先を兵庫県立柏原病院に決めた理由を教えてください。

大学時代、総合診療科の教授でいらした秋田院長を知っていて、話を聞いていたんです。私が6年生のときに秋田院長が当院に着任され、柏原病院を兵庫県の佐久総合病院のようにしたいというのを聞き、私と同じ志やマインドをお持ちの方だと思いました。私は佐久総合病院で学び、初期研修中に当院に見学に来たのですが、やはり同じ方向を向いた方だと実感できたんです。少しでも力になれればという気持ちと、こういう医療を継続してやっていきたいという気持ちがあったので、柏原病院を選びました。

秋田院長は有名だったのですね。

そうですね。教授でいらしたので、学生指導もされていましたし、垣根の低い先生なので、よく話をしていただいていました。

後期研修を始める前に、ほかの病院にも見学に行きましたか。

見学は学生時代によく行っていましたが、後期研修前は柏原病院と明石医療センターに行ったぐらいです。

総合診療科を専攻された理由をお聞かせください。

もともと目指している医師像が「何でも相談に乗れる医師」であり、何でも応えられる医師になりたかったので、最初からそういう部門を頭に入れていました。

初期研修先の佐久総合病院の総合診療と後期研修先である柏原病院の総合診療の違いはどのようなところにありますか。

佐久総合病院は専門科が全部揃っている病院なので、診断がついたら、各専門科に行ってしまって、引き続きの医療はその専門科が行うのですが、柏原病院には専門科が少ないので、初療から診断治療まで一貫的に幅広く行います。地域の違いなのかなとは感じましたね。

合田先生は後期研修3年目ですが、1年目、2年目はどのようなスケジュールで回られていたのでしょうか。

1年目は佐久総合病院で救急を3カ月、神経内科を3カ月、総合診療科を6カ月研修しました。総合診療科は外来から病棟で訪問診療も全部含めてさせていただき、2年目の去年から柏原病院にいます。基本的には内科研修を当院で9カ月、総合診療のプログラムで小児科を3カ月回り、今年は、来年当院と統合する連携施設である柏原赤十字病院で内科医として勤務しています。

柏原病院の初期研修は総合内科というくくりで全部の内科を診ますが、後期も同じですか。

後期も同じです。ただ後期は総合内科のプログラムだけではないので、それぞれの希望に沿って、消化器内科志望の人はカメラ中心でやったりとか、循環器志望の人はカテーテル中心でやったりとか、割と融通は利きますね。

柏原病院の後期研修で楽しかったこと、辛かったことはどういったところですか。

楽しかったことはやはり頼りにされることですね。小さな病院ですので、コメディカルの方にも名前も覚えてもらって、信頼されているなと感じますし、医療の場だけではなく、飲み会や地域の活動にも繋がっているのかなと思います。同期の研修医と関われるのも楽しいですね。逆に辛かったことはかなり深いところまで自分で診ないといけないことです。責任感が求められますね。外来で診ている人が終末期に近づいてくるにつれて、家族や色々な人と信頼関係を構築して、話をしないといけないときなどは大変な部分が多かったです。

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

主治医で診るというのはかなりストレスがかかるんですが、迷ったときには電話ですぐ相談ができますし、割と医局にもいてくださるので、相談がすごくしやすいです。週に1回は神戸大学から専門の先生が来てくださいます。かなり教育熱心な先生方ばかりなので、最先端なことやアカデミックなことまで当院でできるのは強みですね。

初期研修と後期研修との違いはどこにありますか。

自分で考えて、実行しないといけないことです。上の先生はいてくれていますが、基本的には自分の責任で患者さんに説明したり、検査したり、治療したりしないといけないので、初期研修よりも大きな責任感を伴います。教育面でも初期研修医にへたなことは教えられないし、無責任なことはできません。上の先生に聞いても、答えがないときもあるので、そのあたりの対応に最初は苦労しました。

初期研修医の指導にあたっては、どのように心がけていますか。

なるべく患者さんの近くにいてほしいということと、後期研修からというよりは初期研修のときから主治医でいるような診療をなるべく主体的にやってもらいたいということを心がけています。分からないことに関しても分からないなりに調べさせますし、私自身も調べようと思っています。

看護師の方を含め、コメディカルの方との関係はいかがですか。

病院自体がそんなに大きくないので、看護師さんやコメディカルの人たちとも垣根なく相談も受けますし、こちらから相談することも多いです。

カンファレンスについてお聞かせください。

週に3回、月、水、金に新患カンファレンスがあり、入院して来た人のカンファレンスを行って、火曜日は消化器メインのカンファレンスがあります。その週4回のカンファレンスが主なカンファレンスですね。カンファレンスのレベルも高く、最新の情報を模索しながら、レベルの高い医療ができていると思います。佐久総合病院では専門的な深いところまで専門科がそれぞれでやっていて、診断がついてしまうと専門科にふってしまうことが多かったので、総合診療科としては肺炎や高齢者がメインの診療になっていました。しかし、当院は総合診療科に加え、専門内科の外来の先生が週に1回来て、入院が必要となれば、大学に行くまでもない人は基本的にはここで診ます。したがって、各診療のかなり深いところまで内科が全部把握しながらやっていくので、幅広さと深さと両方が必要な部分があります。そういった面ではレベルが高く、遣り甲斐がありますね。

合田先生は学会にも参加されているのですか。

参加しています。発表する機会も多いですし、学術的な論文作成などのサポートもあります。論文になりそうな症例や学会発表の症例などは、上の先生が「これは珍しい」と逐一教えてくださいます。内科全体でも発表の準備や手直しなどのサポートを色々としていただき、院内にもアメリカで医師をしてきた人がいますので、英語の翻訳などを助けてもらっています。

当直体制について、教えてください。

当直は月に3回から5回で、内科がほとんどです。初期研修医と対応し、各科がon callでの対応をしてくれるため、必要に応じて上級医や専門の先生方に相談します。

先生ご自身のオンとオフの切り替えはしっかりとできていますか。

オンオフは意識して切り替えようと心がけてはいます。去年、子どもが産まれたので、休みはしっかり休んでいます。自分の患者さんがいるときは、朝は回診するのですが、初期研修医も増えてきたので、力の分散というか、なるべくオンオフをつけながらやりたいなとは思っています。

県立柏原病院の内科の研修の特徴をお聞かせください。

幅広く深く学べることです。大学病院とも連携をしているので、稀な疾患でもしっかり自分で考えながら診ていくところが大きな特徴ではないでしょうか。当院で管理していることでも急変が起こったときなどは大学に相談できますし、後ろ盾があるのは非常に心強いですね。

急患の場合、大病院に送るケースは少ないとおっしゃっていましたが、どうしてもの場合はありますか。

基本的には当院で対応できることが多いので、数は少ないですが、大動脈瘤破裂などは近隣の三次医療機関で心臓血管外科医のいるところに送らせてもらっています。

新制度になると、協力型施設との連携があるかと思いますが、今のプログラムの内容だと何も影響はないですか。

当院は独自で持っていますので、大丈夫だと思います。当院が基幹ですし、合併後は隣に診療所ができますので、そちらで研修することも可能です。希望があれば兵庫県内のどこへでも行けますし、希望がなくても病院と隣の診療所の両方でプログラムを完結できます。自分で診た患者さんをずっと診ていけるという一連の医療の流れを一つの場所で学べるのは今後の特徴になっていくでしょう。私も佐久地域で完結させる佐久総合病院での初期研修を行いましたが、患者さんが帰ったあとも訪問診療をしながら診られたことはかなり勉強になりました。それがこの地域でできるようになるわけですから、これからの後期研修医にそういった経験を積んでほしいです。

後期研修先を検討されている初期研修医の皆さんにメッセージをお願いします。

内科専門医制度が新しく動き出し、まだ不透明な部分も多くあると思いますが、医療に携わるという観点からは一般的な初療やプライマリケア的なことは何か聞かれたときに答えられる人になれるよう、土台作りをしてほしいです。そういったことが必要とされているのは地方ですし、地方では十分な専門医療にいきなり到達するのは難しいので、どんな人にも幅広く対応できる医師になってもらいたいです。その基礎として、兵庫県立柏原病院を選んでいただければ、教育できる体制はありますので、是非頑張ってください。

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