後期研修医インタビュー

地方独立行政法人 北九州市立病院機構

北九州市立医療センター

福岡県北九州市小倉北区馬借二丁目1番1号

名前 米田 政弘
研修医
出身地 静岡県三島市
出身大学 産業医科大学

医師を目指したきっかけを教えて下さい。

父は普通の会社員ですが、母が薬剤師というのもあって、小さい頃から医療系に興味があったというのが一つです。中高では部活動をずっとしていて、あまり勉強を頑張っていなかったんです(笑)。その頃は怪我が多く、よく整形外科の先生に診てもらっており、その先生に感謝していたこともあって、人に感謝されるような仕事がしたいというのがきっかけだったように思います。

学生生活ではどのようなことが思い出に残っていますか。

あまり勉強が好きではなかったので、幼稚園から高校まで静岡でずっとサッカーを、大学ではハンドボールをしていました。6年間の部活動を通して、同期、先輩後輩を含めて色々な人たちと関わりを持って、同じ目標に向かって関わっていくというのがかけがえのない思い出になりました。

大阪の済生会野江病院での初期研修を振り返っていかがでしたか。

産業医科大学は少し特殊なので、大学卒業時点で外科に進むことは決めていました。初期研修は内科や外科、麻酔、救急などの必修科目を一通り回っていくのですが、私は外科医になると決めていたので、それぞれの先生や事務の方に「外科医に必要な知識と技術を身につけるために来ています」と最初に言うと、親切に教えてくださいました。内科の先生は最低限、外科医でも知っていてほしいというような知識を指導してくださいましたし、外科医の先生は当然、専門的な分野も含めて指導してくださいました。外科専門医を取るためにはどうしても各サブスペシャルティの手術経験が必要なのですが、後期研修医であまり寄り道したくなかったという思いがあったので、初期研修医の間にほとんど全て全部回ることができ、良い経験になりました。

卒業時に外科と決められていたということでしたが、外科に決められたのはかつて整形外科にお世話になっていたからですか。

そこはあまり関係ないです(笑)。医学部に入って、最初は薬で治している内科の先生の方が何となくスマートに見えて、ポリクリや臨床実習が始まる前は内科系を考えていました。そんな中で外科の先生たちを見ていると、自分たちの手で治していけることに純粋に憧れを持ったというのが一番の理由です。あとはあまり真面目な回答ではないですが、外科の先生たちのノリが良かったというか、すごく忙しい中に、休憩時間に他愛もない話をして盛り上がっている姿を見て、「チーム」という感じがしたことです。私自身もずっとチームスポーツをしていたので、その雰囲気が良かったです(笑)。

初期研修を経て、専攻医の研修先を北九州市立医療センターに決められた理由を教えてください。

外科志望だったので、手術のことを考えて選びました。手術件数としてもかなり多いですし、件数だけではなく、一つ一つの質、それこそ指導医インタビューにも載っている西原先生の肝胆膵の領域では高難易度手術もかなり多いですし、消化管の分野では内視鏡手術も多く、最近ではダ・ヴィンチも導入しており、手術に関して多くを学べる場だったというのが決め手の一つですね。

北九州市立医療センターの外科の特徴を教えてください。

幅広い中で広く浅くではなくて、それぞれの分野の中で深い内容を研修することができるというのが端的な特徴だと思います。私は外科に属しているので、上部消化管、下部消化管、肝胆膵、乳腺・甲状腺をメインでさせてはもらっていますが、外科以外でも脳神経外科、小児外科、心臓外科などの領域もしっかりしています。私は外科専門医を取るために、ほかの症例は経験しなくていいという状態で来ましたが、ほかの科目も含めて学びたい人たちもしっかり臨床研修できるようなプログラムだというのが率直な感想です。

北九州市立医療センターでの研修で一番勉強になっている点や、ここで研修を受けて良かったと思われる点はどのようなことですか。

手術の勉強がかなりできるところです。手術の質が高く、精度も当然なのですが、それぞれの手術の時間もかなり早くて、刺激になることが多いですね。また、上の先生方が執刀されているビデオライブラリーがあり、これは本当にクオリティが高いです。自分が勉強する時間がしっかり取れるので、ビデオを見たうえで執刀に臨んだり、助手で手術に臨んだりということができるので、とても勉強になっています。

逆にやっていて難しかったことや苦労されたことはありますか。

当院はレベルが本当に高いので、入職したときは全然ついていけなくて、自分の未熟さをかなり痛感したことです。業務以外のところで勉強しないといけない場面が多かったです。ただ、そうやって頑張って勉強し、先輩方や先生方の知識や技術を見ることで、最近は少しずつできることが増えてきたり、自分のレベルアップを感じられるところはあるので、苦労はしましたが、今となっては良かったと思います。

先輩方や先生方のご指導はいかがですか。

基本的には優しいです。研修を始める前は高難易度手術では専攻医に執刀が回ってこないイメージだったのですが、今年は肝臓の手術などをかなり執刀させてもらっています。執刀するときもどうぞというだけではなくて、手術中も丁寧に気を付けた方がいいポイントなどを丁寧に指導してくださいます。特に指導医の西原先生は褒め殺しというくらい、褒めて伸ばされます。私が全然できていなくても、良いところを見つけてくださるので、自信に繋がります。

初期研修医に指導することはありますか。

もう少し上の先生方が指導にあたるので、直接指導する機会は多くはありません。ただ、毎日の回診や手術中、カンファレンスなど、上の先生が細かくて指導できないような、基本中の基本で言えば外科の手術の縫合など、そういうところを指導する機会があります。

そのときに心がけていることはありますか。

初期研修医がどんな意図を持って、その手技をしているかを聞いて、逆に私たちがどういうところに気を付けてしているかということを伝えるようにしています。一方的に伝えるのではなく、コミュニケーションが取れるような形でということを気にはしていますが、できているかどうかは分からないですね(笑)。

外科のカンファレンスはいかがですか。

月曜日に英語論文の抄読会があります。上の先生から下の先生まで、皆の持ち回り制となっています。毎週水曜日は手術症例の術前カンファレンスがあるので、来週分の全症例のプレゼンをそれぞれの担当医が行います。私たちも担当症例として大体2、3例当っていて、そのプレゼンをしています。また、当院は乳腺の手術がかなり多いので、乳がんの手術をしたあとの患者さんの術後補助療法のカンファレンスをして、それで全部の補助療法を決めています。木曜日には他科の先生も交えて、それぞれの先生たちが研究している内容や学会で発表している内容を報告します。さらに、珍しい症例があったときには病理の先生方に解説してもらいながら発表するという場もあります。それ以外にも多くのカンファレンスがありますが、私が参加しているのはこれくらいです。

初期研修医と専攻医としての立場で大きく違いが出てきたと思いますが、具体的にどういった違いがありますか。

大きな違いは責任だと思います。全ての病院ができているかわからないですが、基本的には指導医の指導と承認があって医療行為を行うのが初期研修です。専門研修になると突然、承認が全くいらなくなるので、自分がした医療行為に対してはそれなりの責任が発生します。そういった責任を感じるからこそ、自分がやっている診療行為が正しいことなのか、検討違いのことをしていないかという恐怖もありますが、その分、頑張って勉強したうえで仕事をしようというモチベーションにも繋がっています。北九州市立医療センターでは分からないことがあったら、どんなことでも上の先生に聞ける環境で、医局でも本当に距離が近いです。「ちょっとすみません」と聞けば、何でも丁寧に教えてくださるので、責任は発生しますが、あまり壁は感じないですね。

オンとオフの切り替えはできていますか。

遅くても20時くらいには病院を出られる日が多いので、それ以降はオフはしっかり取れています。週末は朝の回診はありますが、それ以外は昼前くらいからプライベートな時間も取れます。残念ながら、私はあまり趣味がないのですが、妻と娘と家族団らんで過ごす時間があるので、プライベートでは充実した生活を送っています。

今後のキャリアや目指す医師像について、お聞かせください。

具体的に自分が進みたい領域、消化管がやりたいのか、肝胆膵がやりたいのか、乳腺・甲状腺がいいのかというのをまだしっかりと決めておらず、この外科プログラムが終わったとしても、引き続き全般的に研鑽を積んでいきたいです。その中でやりたいことを見つけたいですね。当院の特徴の一つに、留学されて戻ってこられた先生が多いことが挙げられます。大学院の話や留学中の話を聞くと、学術的な内容が楽しそうだなという漠然とした思いもあるので、大学院などへの進学も考えています。目指す医師像についてですが、月並みですが、患者さんに寄り添える診療をしたいというのが一番です。今は患者さんとだけでなく、チーム医療としてコメディカルとのコミュニケーションはもちろん、患者さんに自信を持って提供できるような技術や知識を身に着けることの方が大事だと思っています。

北九州市立医療センターはどのような病院ですか。

今回は手術に関してばかり話しましたが、それ以外も含めて、北九州市立医療センターはがん診療に関してトップクラスの病院です。コメディカルの方々のサポート体制もかなりしっかりしているので、治療を受ける患者さんへのサポート体制、手術などの急性期医療、抗がん剤治療はもちろんのこと、終末期的な緩和的ケアも含めて、しっかり患者さんに提供できています。手術だけではなく、包括的にがん診療に取り組み、学べる病院ではないかと思います。

これから研修先を選ぶ初期研修医の先生や、初期研修先を選ぶ医学生に向けてメッセージをお願いします。

後輩たちによく言うことなのですが、どこで研修をするかというのを気にするのではなく、「何のために」「どんな研修を行いたいか」というのを考えて、病院を選んでほしいです。私が大阪の病院を選んだ理由も、ネームバリューではなく、自由選択期間が長かったからです。何のために、どんな研修を積みたいかというのを考えてほしいですね。それから、この病院なら自発的、能動的に研修を行えそうだという病院を見つけることも大切です。ただそういった病院を見つけるには、話を聞いているだけだとか、提供されている情報を待つだけではなかなか難しいので、そこで働いている研修医や指導医の先生に聞いてみましょう。「どんな研修をしたいか」「どんな医師になりたいか」を考えると、おのずと興味のある病院が絞られてきて、病院見学に行こうかなという気持ちが沸いてきますよ。そこで、当院に興味を持ったら「百聞は一見に如かず」です。一度見学に来てください。

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